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「話を聞きながらメモをとらない」が理解できない

グレーゾーンと診断された際に「聴覚情報の記憶保持が弱い特性がある」と言われました。
電話応対や口頭指示等で頑張って聞いていても、情報を視覚化させないと脳内処理が難しく、記憶の欠損が起こってしまうのです。
本業ではそれを補うため、何かしらメモするように心がけています。

いろいろな方のnoteを読んでいた際、ちょっとこれはないんじゃないの?と思った記事がありました。

「人の話を聞きながらメモをとるな」
相手への心象を悪くさせないように、目や鼻を見てじっくり聞くことは悪いことではありません。
ただ、それがノウハウ伝授の場であれば、あまりにも無理ゲーすぎるのではないかと思うのです。

4日間しかいなかったデータ入力の事務をやっていた頃、「人が話しているときにメモ取らないでもらえます?」と当時の指導係に言われたことがあります。
というのも、がむしゃらにメモをとってもいざ見返したときにそれが自分でも理解できなかったら意味がないというのです。
右も左も分からない私としては、これから仕事で使う知識を教えてもらう場でメモをしてはいけないというのが結構なストレスになりました。

確かに見返してもよく分からないメモは後学につながることはほぼありません。しかし、インプットするためにメモしているのにそれを封じんとする言動をするのは、相手の学習意欲を奪ってしまう恐れがあると思うのです。
実際、それを言われた私も相手の話を聞き終わってからメモをとってみましたが、失敗に終わりました。

どうして失敗したかというと、相手の心象を悪くさせないことに意識が向いてしまったからだと考えています。
まず相手は「メモをとりながら話を聞くな」と宣言しちゃっているので、話を聞きながらのメモとりはご法度です。なので話を聞く中で要点を汲み取らなければなりません。その後に要点をメモに書き出すとなると…聴覚情報の情報保持が弱い私にとってはかなりの重労働になります。
そしていつしか、教えを請う目的相手に与える印象を良くさせる目的にすり替わっていたのです。

世の中には、一生懸命聞いても自分なりに理解することが難しい人がたくさんいます。
そのような人にも「メモをとる行為(=情報の視覚化)」を制限するのはちょっと違うのではないかなと、上記のnoteを読んで感じました。
最も、メモをいっぱいとって満足するのはさすがに私もどうかと思いますが…少なくとも、相手の話を聞きながらメモすることは情報の視覚化をする上でとても重要なファクターになると考えます。

あと個人的な意見をもうひとつ。
文章の真意や相手の真意をすぐに理解できる人はあまり多くない印象があります。それは、メモをとっても同じです。
がむしゃらにメモをとる理由は「何が大事なのかが分からないから」の一点に尽きます。といっても、その後は論点整理の目的でノートテイキングをきちんとしますし、そこからはじめて真意を汲み取ることもあります。

「人の話を聞きながらメモをとるな」
私はこの考え方が嫌いです。

特に、記憶所持にハンデがある人にとってはかなりの重荷になります。
それを言うのであれば、むしろ「メモのとり方講座」を開いてほしいくらいです。

なので私は「人の話を聞きながらメモをとる」ことを推奨します。
ただし、適度に相手の顔を見て「聞いてるよ!」と非言語コミュニケーションをとりながら、メモしていけばいいと思います。

私の周りでは話を聞きながらメモをとる人が圧倒的多数なのですが、noteではメモをとらない派もいるみたいですね。
いっそのこと「メモ」について論争したいくらいです。

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