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小牧幸助さん主催イベントの参加作品集です。更新頻度は週一回。出されたお題に沿って、詩のような作品やショートショートなど書いております(*´ω`*)
山根あきらさん主催イベントの参加作品集です。更新頻度は週一回くらい。出されたお題に沿って、詩のような作品やショートショートなど、いろいろ書いております(*´ω`*)
2023年11月から、きまぐれに『なにぶん嘘日記』はじめました。 百パーセント真実ではなく、半分、あるいは三分とか八分とかの嘘、すなわちフィクションが含まれるという意味と、「なにぶん嘘もありますのでどうぞよろしく」という意味の両方が含まれております。コメント返信担当は居候の小人です。
500~1500文字程度の掌編小説がほとんどですが、すでに150以上投稿しているので、とくに「読んでいただきたいな~」と思っているオススメ作品だけを集めました。随時増やしていきます。
2022年10月から一年三か月ほど参加させていただいた『たらはかに』様のイベント作品集です。 出された二つのお題をつなげ、410文字きっちりに収めることを課して書いております。今は卒業しましたが、よろしければ~
「二年目の自己紹介」2023/10月 (2024/2月編集) ふと気づいたら、noteを始めて丸一年以上が経過していましたので、あらためて自己紹介みたいなものをカンタンに書いてみます(*´ω`*) 昨年書いたものも、そのまま残してあります。 2年目に入った現在、2024年2月以降は投稿ペースを落とすことにしました。本当に書きたいものだけ書きたいので。 以下のシロクマ文芸部さんの企画には参加予定ですので、週1本は公開できたらいいな、と思っています。 ●小牧幸助さまのシロクマ
小牧幸助さんの企画「ラムネの音」に参加させていただきます☆ お題「ラムネの音」から始まる物語 【音色】(409文字) ラムネの音色は雨音に似てるよ そう言うと ラムネってなに?って君は聞いた 美味しい飲みものだよ おいしいの? 君の目が輝く 聴きたい? のみたい ぼくは冷蔵庫からラムネの瓶を出す これだよ 君は透明な青い瓶をめずらしそうに見る そしてラムネの瓶の口に触れる この丸いのはなに? よく見て、聴いててごらん そう言いながらぼくは ビー玉を押し込む かし
小牧幸助さんの企画「月曜日」に参加させていただきます☆ お題「月曜日」から始まる物語 【ピーナツバター】(1557文字) 月曜日の朝ごはんはピーナツバターのサンドイッチだった。 学校が大嫌いでベッドから出てこない僕を、なんとか起こそうとした母の作戦だ。その作戦は功を奏し、僕は週の初めになんとか自分を奮い立たせることができた。 偉大なりピーナツバター、そして僕の母。 その頃、僕が世界でいちばん好きだったのは、母さんとピーナツバター。それ以外はどうでもよかった。学校
小牧幸助さんの企画「紫陽花を」に参加させていただきます☆ お題「紫陽花を」から始まる物語 【しあわせ】(290文字) 紫陽花を見ながら歩く 六月の住宅街には たくさん咲いている 静かに眺めていたら 一軒の家の中から おじさんの怒鳴り声が聞こえた 誰に向かっているのか 大声で叫び続けている 嫌な気持ちにはならない ただ 元気だな、と思う 多分、七十代くらい 母も、七十代だった 紫陽花を好きだった母は 昨日の朝、逝った 紫陽花に見送られるように 夏至の太陽に招かれる
小牧幸助さんの企画「雨を聴く」に参加させていただきます☆ お題「雨を聴く」から始まる物語 【雨の歌】(1065文字) 「雨を聴くと心が安らぐわ……。失恋した時にはね」 ユカは頬杖をついてカフェの窓外を眺めながら言った。降り始めた雨が紫陽花の葉を揺らしている。 ふうん、と私はブラック珈琲をすすりながら、いつものようにユカの話を聞き流している。その態度は、友人としては冷たいかもしれない。でも彼女はしょっちゅう恋をして、しょっちゅう失恋している。その度に励ましたり慰めたり
小牧幸助さんの企画「赤い傘」に参加させていただきます☆ お題「赤い傘」から始まる物語 【鳳仙花】(281文字) 赤い傘がポンッと開いた それは赤い鳳仙花みたいに ぼくの心をとらえた あたし、これがいい どこかの女の子がそう言って 赤い傘をくるくる回した ぼくも、それがいい そう言いたかったけど ぼくが選んだのは青い傘 好きなのを選んでいいのよ 母にはそう言われたけど 手にとれなかった 赤い傘はいつまでも 大好きな花みたいに ぼくの胸に咲き続けた 雨が降ると青い
小牧幸助さんの企画「金魚鉢」に参加させていただきます☆ お題「金魚鉢」から始まる物語 【浮かぶ】(1100文字) 金魚鉢を衝動買いしたのは、今から二十年ほど前のことだ。 当時の私がなぜそんなものを買ったのかは思い出せない。二十年も経てば全身の細胞はきれいに入れ替わっているから、別人のようなものだ。 その頃は、他にも愚かしいことをたくさんした。 若気の至り?あるいは悪霊の祟り……。 そんなことを考えているのは、目の前に件の金魚鉢があるからだ。 私も今では四十
山根あきらさんの企画「帰りたい場所」に参加させていただきます☆ お題「帰りたい場所」 【帰りたい場所】(1122文字) 「あなたが帰りたい場所はどこですか?」 白衣の男にそう聞かれた。 「聞いてどうするんですか?」 わたしは聞き返した。答えたところで帰してくれるわけでもなかろうに。 それにしてもここはどこだろう。白内障のせいかよく見えない。病院の中だろうか? 白衣の男は、目元を和らげて言った。 「心理テストのようなものですから。答えをパスすることもできますよ」
小牧幸助さんの企画「白い靴」に参加させていただきます☆ お題「白い靴」から始まる物語 【白い羽】(380文字) 白い靴がほしいなんて どうして そんな思いが浮かんだのだろう なにかのまちがいかな 僕の脳はかなり劣化しているから でも 白い靴という言葉は ぼんやりとした霧の中から むかしの記憶をよみがえらせた 子どもの頃 僕は白い運動靴が大好きだった 真っ白な羽が僕の足に生えて 誰よりも早く走れる気がしたから 誕生日に あたらしい靴をもらうと すぐに外へ飛び出した
小牧幸助さんの企画「風薫る」に参加させていただきます☆ お題「風薫る」から始まる物語 【雨上がり】(1642文字) 「風薫る五月って言うけどあんまり匂わないわよねぇ」 と言ったのはトモちゃんだ。 一緒に歩いていた私は、晴れた空に顔を向け、クンクンと空気の匂いを嗅いだ。 「うん、そう言われればそうよねぇ」 トモちゃんは買い物かごを後ろ手に持って、ブラブラと歩いている。私とトモちゃんは公団住宅のお隣さん同士だ。もう四十年来の付き合いだが、それぞれの家族は、一人旅立ち
小牧幸助さんの企画「子どもの日」に参加させていただきます☆ お題「子どもの日」から始まる物語 【紙飛行機】(1710文字) 子どもの日には、なかよし三人で紙飛行機を飛ばす。 ただ公園に集まり自作の紙飛行機を飛ばしっこするだけだが、自分がこしらえたものを自慢したいので、一生懸命作ってくる。 「タケやん、今年の飛行機はえらいカッコええやないか」 「へへ。そうじゃろう?羽の角度もな、工夫してみたんじゃ」 「イッちゃんは真っ黒か。強そうじゃのう」 「渋いじゃろ」 「そういや
山根あきらさんの企画「小さなオルゴール」に参加させていただきます☆ お題「小さなオルゴール」 【微笑】(2244文字) 美鈴が誕生日会に招きたいと言ったのは、同じクラスの八人だった。同じクラスの女子は美鈴も含めて十人だから、一人だけ呼ばないということだ。私は、誰かを除け者にするのはよくないから、その子も誘うように言った。 「普段、一緒に遊んだこともないんだよ。あの子しゃべらないし……」 と美鈴は嫌がったが、私は聞かなかった。娘には誰にでも分け隔てなく優しくできる人に
小牧幸助さんの企画「春の夢」に参加させていただきます☆ お題「春の夢」から始まる物語 【おまじない】(744文字) 春の夢を見ると好きな人と幸せになれる。 そんな言い伝えを信じて、若い娘たちはおまじないをする。 ……枕の下に桜の花びらを敷く。 ……満月の夜にローソクを灯す。 ……春の女神様に祈りを捧げる。 おまじないに効果はあるのかって? あるような、ないような…… それでも娘たちは嬉々として、春の夢を見ようとする。 一方、ひとりの老女がいる。 彼女は毎晩冬の夢を
『作家と珈琲』(平凡社)という本を読んだ。 五十人以上の作家による珈琲にまつわる随筆を集めたもので、珈琲を飲みながら読むには最適な楽しい本だった。 読んでいるうちに、私も作家になったつもりでひとつ書いてみたくなった。 先日の『あとがき』同様、【作家ごっこ】の一環である。 以下、『随筆風のフィクション』としてお読みください。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【八グラム】(1018文字) 私は毎朝一杯の珈琲を飲む。 元々は、どちらか
小牧幸助さんの企画「花吹雪」に参加させていただきます☆ お題「花吹雪」から始まる物語 【こいぬ】(639文字) 花吹雪が敷いた絨毯の上を歩く。 風に乗った花びらが私の頬をぴしぴしと打つ。 あまりにも風が強いせいか、見納めの桜並木を歩く人は少ない。 少し先の水飲み場で、痩せたおばあさんが小さな柴犬に水を与えている。 こんなに風が強い日に散歩だなんて……。 そう思って、自分もそうだったと可笑しくなる。 私が近づいた時も、まだ小犬はおばあさんの手から水を飲んでいた。 てち、
山根あきらさんの企画「祈りの雨」に参加させていただきます☆ お題「祈りの雨」 【あとがき】(739文字) おそらく、これが私の最後の短編集になるだろう。 私も今年で九十六歳になるのだから。 それにしても、よくここまで書かせていただけたものだと思う。小説を書き始めたのは五十代に入ってからなので、かれこれ四十年以上である。余生の楽しみに……くらいの気持ちだったか、あるいはふと書いてみたくなったのだったか、今となっては記憶もはっきりしない。いろいろなことが曖昧になってい