詩みたいな【こいぬ】#シロクマ文芸部
小牧幸助さんの企画「花吹雪」に参加させていただきます☆
お題「花吹雪」から始まる物語
【こいぬ】(639文字)
花吹雪が敷いた絨毯の上を歩く。
風に乗った花びらが私の頬をぴしぴしと打つ。
あまりにも風が強いせいか、見納めの桜並木を歩く人は少ない。
少し先の水飲み場で、痩せたおばあさんが小さな柴犬に水を与えている。
こんなに風が強い日に散歩だなんて……。
そう思って、自分もそうだったと可笑しくなる。
私が近づいた時も、まだ小犬はおばあさんの手から水を飲んでいた。
てち、