なにぶん嘘日記12/15『モーニング』
昔々、家人とはじめてお出かけしたのは神社の初詣だったと記憶している。
いつものテキトーな服装で出かけようとする私に、姉が「かわいくしていきなさいよ」と赤いマフラーをリボンのように器用に結んでくれた。私は不器用なので、マフラーといえばクルンと巻くことしか未だにできない。
それからおよそ三十五年。昨日、同じ神社に家人と出かけた。
家人は足が不自由になったので杖をついてゆっくりと歩く。駐車場から本殿までは少し距離がある。よく晴れた日の朝で木漏れ日が美しい。
神社はゆっくり歩くのが