詩みたいな【かき氷の時】#シロクマ文芸部
小牧幸助さんの企画「かき氷」に参加させていただきます☆
末尾に『おまけ』付。
お題「かき氷」から始まる物語
【かき氷の時】(291文字)
かき氷がうれしい時。
暑い日盛りに食べる時。
特に、プールで泳いだ後に食べる時。
かき氷がたのしい時。
縁日で食べる時。
特に、浴衣姿のサヨちゃんに会えた時。
かき氷がかなしい時。
アイツとケンカしちゃった時。
特に、アイツが好きなメロン味の時。
ぼくはアイツに、ごめんねって言う。
そしたらアイツも、ごめんねって言う。
すると、メロン味のかき氷が
いちごより好きな味になる。
かき氷がせつない時。
八月の終わりに食べる時。
特に、しゅくだいが終わってない時。
かき氷がおいしい時。
しゅくだいをコッソリ見せっこしてる時。
特に、完成してバンザイする時。
……
かき氷がなつかしい時。
喫茶店でアイスコーヒーを飲んで
大人のフリしてる時。
おわり
© 2024/7/28 ikue.m
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『おまけ』なにぶん嘘日記的な……(;・∀・)おひさしぶりー
かき氷ってなに?
居候のこびとが聞く。
そうねぇ、冷たくて甘くて…
百聞は一口に如かず!
……はいはい。
そして近所の喫茶店へ。
いちご、メロン、宇治抹茶、どれにする?
ひらがな、カタカナ、漢字、だね。
あ、ほんとだ。
いちごにする!
迷わないこびと、即決。
わたしはホットコーヒー。
熱くて苦いのにするの?
こびとが不思議そうに聞く。
かき氷だけじゃ冷えちゃうから。
こびとのかき氷はあげないよ。
食べきれるわけないでしょー。
しかし、エベレストのようなかき氷は
みるみるこびとの小さなお腹に収まった……
もしかして、胃袋が四次元ポケットなの?
あげないって言ったじゃん。注文したら?
いい。別の意味で涼しくなったから……。
こびとは満足そうに小さな噯気をした。
あー、今日もいい日だなー。
空っぽの器にピンクの水たまり。
夏はまだこれから。
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