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ひとり出版者

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2021年に立ち上げたkinologue booksの記録。映画しか知らない素人がどうやって出版者となれるのか、飽くなき挑戦です。
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#ひとり出版者

ひとり出版者、再始動(2)。

ひとり出版者、再始動(2)。

3月15日。書店向け注文書の入稿、確定申告締め切り、来年1月公開映画のオンラインmtg。ちゃんとどれも無事に完了、我ながらよく頑張った1日だった。注文書を作成したことで、やっと版元ドットコムに詳細を打ち込めるようになった。しかし、この時点で#02はラフのデザインも上がっておらず、原稿を書いたり、取材をしたりという状況。形がないものの受注を取るというのは、小心の自分にはかなりのストレス。ドキドキの#

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ひとり出版者、再始動(1)

ひとり出版者、再始動(1)

2020年11月11日に『365日のシンプルライフ』DVDブックとミニブックを出版。ツテを辿っていくつかの書店や映画館で、あとは手売りとオンラインショップ(Amazonも)という、出版流通を通さない弱い販売網で細々と販売してきた。在庫はまだまだあるものの、補助金のおかげもあって、発売1年で何とか採算はとれた。最初から大きくやらず、安全策を取って進めてきたのが功を奏したのだろうが、当然ここで終わるわ

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ひとり出版者になるということ。(4)

ひとり出版者になるということ。(4)

11/1が「本の日」ということは、世の中でどれくらい知られているのだろうか。先ずはその日に合わせて発売することを考えたが、ちょっと間に合いそうもない。それだったら、111よりも1111の方が多く本が並んでいるみたいだよなぁと思い、11/11をDVDブックの発売日とすることとした。そして、発売リリースを9月終わりに出すことにした。
DVDブックのモノとしての形が見えてきて、スケジュールも決まったとこ

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ひとり出版者になるということ。(2)

ひとり出版者になるということ。(2)

好機が訪れた(と思った)のは今年の2月初め。まだコロナは中国で流行っているものと思われていた頃のこと。TVの撮影で日本に来ていた『365日のシンプルライフ』のペトリ・ルーッカイネン監督と久しぶりにごはんを食べた。いつもヘルシンキで会っていたので、東京で会うのは不思議な感じ。その時に、実は去年、この映画がベースになったドイツ映画が作られて、プレミアに招待されて行ったんだよ、と聞かされた。そしてスマホ

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ひとり出版者になるということ。(1)

ひとり出版者になるということ。(1)

遡ること2年半前。修士論文を進めている最中に、独立系取次トランスビューの工藤さんを訪問した。映画配給つまりは映画の流通が研究領域の私にとっては、メディア流通の先輩格である出版流通は押さえるべき対象だ。縮小し続ける出版産業、雑誌不振による取次システムの綻び、2000年頃から出てきた小さな出版社、カフェ併設や雑貨を販売する独立系書店など、ここ20年の動きは映画業界と共通するところが多い。

出版社でも

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