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エッセイ

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「うわーなんかめっちゃ書きたい!」ってときに更新してます。
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Im"PERFECT DAYS"

Im"PERFECT DAYS"

ジャージに着替えて、コンタクトをつける。
髪を整える代わりに帽子を被り、麦茶を水筒に注ぐ。ポケットにモバイルバッテリーを入れたら準備完了。

デリバリーを収入源として暮らしている僕の朝のルーティーン。
時間を指定されるわけでもないが、毎日昼と夜の2回数時間自転車で配達を行なっている。

収入が不安定な分、特に休みは設けず毎日働いている。寒い日も暑い日も、体調の悪い日も関係ない。

丁寧に対応してく

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理想の大人

理想の大人

みんな下を向いている。
スマホを見ている人が圧倒的に多い。
スマホを横にしている人は動画を見ていて、それ以外の人は漫画を読むかゲームをしている。

朝の電車で珍しく席に座れて、周りをぼーっと見渡していた。

スマホを見ていない人もいる。
新聞を読んでいる人。
資格の勉強をしている人もいる。
単語帳を見ている人はTOEICの受験を控えているのだろうか。

僕はといえば、ビジネス書を読んでいた。
分厚

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文学フリマ初参戦~無計画参加者の1日~

文学フリマ初参戦~無計画参加者の1日~

文章が大好き。
何か挑戦したい。

その気持ちで挑んだ初めての文学フリマ。
今振り返ると本当に出展してよかったと思う。

そんな意気込みを聴くと美談のように聞こえるかもしれないが、僕は計画性が欠如した怠惰な人間だ。

そんな僕の当日の様子を共有させてもらいたい。お付き合いいただけたら幸いだ。

スタートから転ける

文学フリマ当日。朝5時に起きて!洗濯して!早めに行こう!と考えていた僕は2時間寝坊

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全部「にゃー」でいい。

全部「にゃー」でいい。

しんどーーーい。

小さな悩みが重なって、不快なミルフィーユを心のショーケースに陳列している。
売れ行きが悪いのに、どんどん在庫が増えていく。

一週間前は「あっ春来た⭐︎」なんて思っていたのに、ここ数日でまた寒くなった。春の到来ではなく、気まぐれの旅行。思わせぶりは嫌われるよ?

そんな誰にも言わないことを考えながら、細い一本道を歩いていた。ここってほんとに歩いていい道なのかなってくらい細い。G

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中途半端に生きている。

中途半端に生きている。

モノローグ 僕は田舎に生まれた。裕福な家庭ではなかったが不自由なく暮らしていた。

山、川、綺麗な星。田舎に憧れる人たちにとっては理想な場所だと思う。近所の人から野菜をもらい、夏は川で遊んで、夜は花火。小さいながらも夏祭りだってあった。秋は米を収穫してよもぎと混ぜて美味しくいただきました。冬は雪だるまを作って、春は桜を見たり、野いちごを拾って食べた。

でも、どうしても満足していなかった。
——だ

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祖母と僕の関係値

冬がやってきた。全てのやる気が削がれる。朝布団から出ることが本当に難しい。小学生の頃はもっと早く起きて毎朝学校に通っていた事が奇跡のように思える。

あの頃の真面目な精神を取り戻せるのならば財布の中身を全て投げ出すと誓おう。さ、さあ、よく考える前に契約書にサインしてくれ、神様。

そんなことを考えている矢先、祖母が亡くなった。大学入学までの約18年間一緒に住んでいた父方の祖母だ。

僕以外の家族が

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夏休みの思い出〜衝動は自転車と共に〜

夏休みの思い出〜衝動は自転車と共に〜

皆さんには趣味があるだろうか?

僕は自転車に乗ることが好きだ。
爽快だし、運動になるし、何よりなんだかかっこいい。

そんな僕には自転車に関して少なからず思い出がある。今回はその一つを紹介させてもらう。

大学生の夏休みに起きた衝動的な物語を。

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大学3年生の夏休み最終日前日。
僕は絶望していた。

「夏休みが終わ

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友達と居酒屋。これが幸せ

友達と居酒屋。これが幸せ

「友達、親友の境目ってどこで判断したらいいんだろう。」
たまにそんなめんどくさいことを考える。

だけど、そんなこと考える必要がないほど仲の良い友達が東京に遊びにきた。

彼とは大学からの付き合いで、近所でお互いに一人暮らしをしていた。バイト先も一緒で大学生活の大半の時間を彼と過ごした。スーパーでの買い物も、飲み会も、バイトも、授業もほとんど一緒だった。

現在、彼は静岡に住んでいる。そして彼は、

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東京で雪に出会う

東京で雪に出会う

長野県。
出身地を答えると、じゃあスキー得意?と聞かれるくらい雪のイメージがある都道府県。

東京に雪が降った。

長野県出身の僕は1つのアイデンティティを奪われたような気持ちになった。

東京はなんでも持っているのに。
流行、イベント、有名人、観光地、夢。
形になるものも、ならないものも全部持っているのに、パッとしない田舎の特徴を掻っ攫っていった。

本当は気にしてない。気にしているわけがない。

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「何者かになりたい」と向き合う

「何者かになりたい」と向き合う

映画、小説、漫画。ありとあらゆるコンテンツを消費する毎日。

「めっちゃいいなー!何歳くらいなんだろこの人?」

自分が感動した作品の制作者や関係者のプロフィールをよく調べる。

数年前だったら、

「あーこの人は80年代生まれなんだ、大人だな。まあでもだったら僕でもまだ何者かになれる可能性があるな。だって僕はまだ若いから、時間はたっぷりある」

と思っていた。

しかし、最近は憧れている人たちの

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