「救急医が新型コロナウイルスワクチンを打って起きた驚くべき現象」

2021/04/01

TONOZUKAです。

救急医が新型コロナウイルスワクチンを打って起きた驚くべき現象

救急医が新型コロナウイルスワクチンを打って起きた驚くべき現象

以下引用

　新型コロナウイルスへのワクチン接種が、医療従事者で本格的に始まりました。が、ワクチンの供給が少なく、岡山県ではワクチンを希望する医療従事者に対し4分の1程度の供給量にとどまっています。全国的にこうした状況が起きているのではないかと思いますが、早く行き渡ってほしいです。病院を運営する立場としては、なるべく早期に職員の安全を確保したいので、これまで通りの感染予防策を行いながら、リスクの高い人から順に接種しているところです。

　このたび、僕は無事ワクチンの接種ができましたので、個人的な経験になりますが共有しておこうと思います。

接種時
　0.3mLを三角筋に筋注することになります。正直言って、注入されているのは全くと言っていいほど分かりませんでした。針さえ上手に刺すことができれば、ほぼ疼痛なしで接種可能だと思います。

接種後
　接種後数時間は特に変化もなく、通常業務を継続しました。発熱もアレルギーもありませんでした。

　変化があったのは接種当日の夜からです。筋肉痛がきました。激しいものではありません。ダンベルを用いた筋トレ、三角筋をいじめ抜くようなラテラルレイズ（サイドレイズ）をやりまくったとき程度のものです（分かりにくい説明だ）。筋トレ好きな人なら分かってくれるのではないかと思いますが、久々にトレーニングをした翌日に、「三角筋が痛くて肩関節の外転がきついな」という程度です。腕が上がらないことはないです。筋トレ後は、「強くなってくれよ」と願掛けしながら痛みが引くのを待ちますが、ワクチン接種後は「効いてくれよ」と願いながら待つしかありません。

　当院職員にアレルギー反応が出た人がいましたが、H1ブロッカー投与で軽快しました。アナフィラキシーとは言えない程度のものでしたが、場合によってはアナフィラキシーとして報告されてもおかしくないのかなと思いました。現在までに報告されているアナフィラキシー例の中には、「おかんが言うにはアナフィラキシーちゃうんじゃないか」というような報告も混ざっているように思います。

　日本でアナフィラキシー例とされるには、まず医療機関が「副反応疑い報告」として、「予防接種法及び医薬品医療機器等法」に基づき医薬品医療機器総合機構（PMDA）に報告します。その後、米国でもアナフィラキシーの基準として主に使用されている「ブライトン分類」に基づき、「副反応疑い報告」を専門家が評価しています。米国ではブライトン分類1～3に該当するものがアナフィラキシー例とされますが、日本ではブライトン分類1～5と評価された結果が全て公開されますから、この数字をもって単純に日本と米国などのアナフィラキシー例を比較するような報道には注意が必要かもしれません。

接種翌日
　頭痛も倦怠感もなかったので、本当によかったです。ただ三角筋の痛みが顕著に分かるようになっていました。とはいえ、まぁ「昨日筋トレしてないのにおかしいな」という程度の痛み。うちの病院では接種者みんな、大小あれど筋肉痛は自覚していました。ただ、僕自身は昼すぎには痛みが目立たなくなっていきました。ピークは接種から20時間程度後だったと思います。午前中に肩関節を外転するような業務が控えている皆様は大変かもしれません。

　またこの日の夜、これがワクチンと関係あるかは不明ですが、驚くべき現象に見舞われました。お酒に酔っ払ったのです。普段はワインを1本程度飲んでも全く平気なのですが、ビール1杯でフラフラです。もう飲みたくないとすら思うくらい酔っ払いました。肝臓が別なことをしていたからなのか何なのか。経験したことないほど頭が働きません。講義スライドを作成していたのですが、全くはかどらず、書いても書いてもスライド枚数が増えませんでした。なんと、同じスライドに上書きし続けてたのです。お酒怖い！ ワクチン接種日は当直していたので、連日評価できなかったのが残念です。同じような人はいらっしゃるでしょうか。

接種翌々日
　翌々朝には痛みが全くなくなっていました。肩関節外転時の違和感もゼロです。手旗信号も余裕です。余裕だけど、やり方が分からないので、やりません。

　そして無事仕事を終えて、驚くべき現象に見舞われました。再度、お酒で酔っ払いました！ またしてもビール1杯でフラフラです。前日もう飲みたくないと思ったのに飲んでしまいました。そしてちょいと1杯のつもりで飲んで、いつの間にやらお水だけ、気がつきゃホームのベッドでゴロ寝です。これじゃ身体に良いわきゃないよと思う一方、僕は一生お酒を飲めない体になってしまうのではないかという不安に駆られました。

接種翌々々日
　もう飲めないかもしれないという不安を胸に仕事をし、夜に恐る恐るお酒を飲んでみると（飲んだんかい）、いつも通りでした。いつもと同じ味、いつもと同じ感じ。味と香りを楽しめる幸せをかみしめ、これで完全に元どおりになったと自覚しました。ワクチンの副反応と考えるなら、接種後3日後まではお酒を控えた方がいいのかもしれません。再現性があるのか気になるので、2回目の接種の時にしっかり調査しようと思います。