心の半径50m

こんにちは。闇○から5万円借りて家賃を支払う良心の塊無職、俺です。

通勤ラッシュに駅まで散歩する。
死んだ魚のような眼をしたサラリーマン、口に食パンを咥えて走るサラリーウーマン、3年間を見据え大きめの制服を着せられた新入生、改札手前で「働いてないもんねー」と言ってUターンする俺。

資本主義社会の改札口へと吸い込まれた人達がその先どうなっているかは想像に難しくない。
見ず知らずの他人を身体で押して車内に乗り込むバカの押し競饅頭。満員電車。
俺は駅に駅員が居ないというファンタジー世界(鳥○県)からやってきた。
半径50m以内に他人が居ない環境なんてすぐに作れる。いつでも独りスポーツテストを開催して50m走できる。
いつでも独りで海を眺めながらイジケる事ができる。特に何もないのに水平線へ滲み沈んでゆく夕陽を見ながら感傷に浸れる。
そんな町を走る電車内で赤の他人と身体の一部が触れようものならば完全なセクハラ、痴漢、暴行。
そんな事になれば即裁判にかけられ判決界王拳3億倍で懲役9億年。頂き女子りりちゃんどころの騒ぎではない。

こっちの世界に話を戻そう。
この間「こっちの世界駅」で人間観察していると、杖をついたキ○ガイが見ず知らずのサラリーマンに絡み何か叫んでいた。
足早に逃げるサラリーマン。

偽善者が「差別をするな」と叫んだ瞬間に差別が産み出されている差別パラドックス。
俺はキ○ガイを見かけるとキチンと正面から向き合い「あ、キ○ガイだ」と思う。
河川敷に靡く風で春を感じるのと同じように全身でキ○ガイを感じ取る。
だから杖をついてサラリーマンを追うおっさんを見た時も「あ、キ○ガイだ」「あ、キ○ガイだ」と思った。大事なことなので2回思った。

ジャックウサギみたいな速さのサラリーマンを逃したキ○ガイは周囲を見渡した後、一直線に此方へ向かってくる。
「え、どうして?」「え、どうして?」

おっさんは目の前で「何だ!お前は!グラサンなんかかけやがって!裏社会の人間か!そうなのか!」と恫喝する。
俺がサングラスをかけているのは「人と目を合わせたくない(特にお前みたいなキ○ガイと)」「何かカッコいいかも」という理由。
裏社会ではなく駅に駅員が居ない異世界から転生してきたのだ。
そして「グラサン=裏社会」の方程式が成り立つ時「杖=魔法使い」となる。
おっさん、魔法使いだったのか。俺と同じく転生してきた無職なのか?島○県とかから?

駅は3月よりも人が増えた。
全体的な人口は減っているらしいので過疎化が進んでいるってことか。
じゃあ俺が育ったファンタジー故郷(鳥○県)はもう人口4人くらいか。
都会へ進出してきた新社会人も来月には5月病、そして6月病、7月病… と脱落していくのだろう。
都会での出勤は魂の自殺。
その身体が満員電車に乗り込む前に無数の心が線路に飛び込み轢かれて死んでいく。偶に身体も飛び込む。

無職ウォーキングを満喫してアパートへ戻る。
裏の豪邸に済む主婦が小さなお子さんに金切り声をあげる。毎日だ。
祝福された結婚、稼げる夫、立派な戸建て、真っ白な高級車、かわいい子供の我儘。
日常を幸せと捉えるか不幸と捉えるかは自身の選択でしかない。
みんな心の半径に余計なモノを置き過ぎなんじゃないか?


P.S.
無職だからって毎月25日に給料が振り込まれないの絶対に絶対に納得できません。
誰か振り込んでください。
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