ドイツ一人旅_プレッツェル_12_04【海外旅行】
1999年冬 12日目 ドナウエッシンゲン
「しょっぱい…」
どうやらザラメ砂糖と思っていたのは粗い塩だったようだ。後で調べたところ『プレッツェル』というドイツでは一般的なパンだった。
しかし、一旦頭のなかで脳が甘いパンと認識してしまったようで、しょっぱい味覚に変換できずにずっと違和感を感じながらパンを食べ続けた。とても不完全燃焼で喫茶店を出た。
口直しに他に何か食べたかったのだが、開店している店は他になかった。列車がやってくる時間になったので仕方なく駅に向かった。
車窓の景色は先程とは異なり、ドナウ川がなくなり原生林の黒い森がどこまでも続いた。その名の通りシュヴァルツ(黒い)ヴァルト(森)だ。
僕は少しウトウトし、目が覚めたときには黒い森は消え、一面雪をかぶった畑が広がり、小さな街も増えてきた。
ふっと目に留まったのが、街中をクロスカントリースキーで歩いている人だった。しかも一人ではなく、街のあちこちで見かけた。
他の街では自転車を列車に載せていた。ローカル路線の列車には自転車を載せる車両が連結されていた。ホームまで自転車でやってきて列車に載せ、目的地に到着するとホームからそのまま自転車に乗ってこぎだしていく。
文化の違いを実感した。
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