ドイツ一人旅_再々交渉_08_09【海外旅行】
1999年冬 8日目 ミュンヘン
お金が足りない…
仕方ない次をあたるか。僕は落胆した表情を浮かべた。
「ワット アップ?」
どうしたんだ?と80マルクのチケットを手にしている彼から声をかけられた。
「オンリー シックスティー…」
僕は正直に60マルクしかないと伝えた。チャンピオンズリーグのチケットだ。さすがに定価プラスアルファの金額でないと交渉にもならない。次の交渉に向かおうとして、その場から立ち去ろうとした。すると彼が引き留めた。
「ウエイト!」
そして隣にいた友人2人と話し始めた。しばらくして予想もしていなかった言葉が返ってきた。
「オーケイ!」
「オーケイ?オーケイ!リアリィィ~~!」
思わず上擦ってしまった。彼らの気が変わらないうちに60マルクを渡すとチケットを受け取った。
「やったー!」
ついにチケットを手に入れたぞ!あまりの嬉しさに小躍りしたいくらいの気分だっ!僕が興奮していると、彼が「さあ、行くぞ」と手招きした。しかし僕はその場から動かなかった。
今度こそ本当に最初に手に入れたチケットが何であるのか興味が湧いてきたのだ。僕はちょっと用事があるから、あとでスタジアムに向かうと彼に伝えた。
「ヤー チュース(そうか じゃあな)」
彼は友人と共にスタジアムへと歩き出した。
一方、僕は最初に入手したチケットが何であるかを確認するため、ミュンヘン体育館へと歩き出した。
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