見出し画像

ドイツ一人旅_道案内_04_03【海外旅行】

前の話  プロローグ  4日目01

1999年冬 4日目 ドルトムント

サッカースタジアムに行くための列車を探し始めた。

僕が路線図の掲示板を眺めていると20歳代の女性が声をかけてくれた。

「どこに行きたいの?」
「フースバル スタディオン」

ドイツ語でサッカースタジアムですと答えると女性はスタジアムの場所がわからず、近くを歩いていたスーツを着た30歳代の男性を捕まえてスタジアムがどこか聞いてくれた。

「この列車に乗れば、終点がスタジアムだよ」

その男性は丁寧に教えてくれた。日本なら「わからない」若しくは視線を合わせずにそのまま立ち去ってしまうだろうが、初めに声をかけてくれた女性はわざわざ他人を捕まえてでも道を教えてくれた。

ドイツ人はなんて親切なんだ!

「ダンケ シェーン(ありがとうございます)」
「ビッテ シェーン(どういたしまして) チュース(じゃあね)」
「チュース(じゃあ)」

お礼をいうと教えてくれた列車のホームに向かった。

ホームの時刻表を見るとスタジアム行きの列車どこにもない。おかしい。確かにホームは間違っていないはずだが…

時刻表とのにらめっこがしばらく続き、ようやく理解した。

列車がスタジアムまで行くのはサッカー開催日限定で、しかもキックオフの3時間前からであった。

今は9時半を過ぎたところなので列車はスタジアムのひとつ手前の駅までしか運転していなかった。

とりあえず、ひとつ手前の駅まで行ってみようと列車に乗った。



次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)

#旅 #旅行 #海外旅行 #旅行記 #一人旅 #ひとり旅 #ヨーロッパ #ドイツ #バックパッカー #ショートショート #連載

サポートして頂いたら有料記事を購入します!