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ドイツ一人旅_源泉はどこ?_12_03【海外旅行】

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1999年冬 12日目 ドナウエッシンゲン

ドナウの泉から湧き出た水をたどってみた。

しばらくすると少し幅のある川に突き当たり、ドナウの泉から湧き出た水はその突き当たりの川に注がれていた。

んっ?なんか変だぞ。

何で源泉から湧き出た水が他の川に注がれるのだ?
この突き当たった少し幅のある川は何なのだ?
ドナウ川ではないのか?
しかもこの川はドナウの泉よりも更に上流から流れてきているではないか?
ドナウ川の源泉って一体どこなんだ?

ハテナだらけだ。

それもそのはずで、ドイツでも散々ドナウ川の源泉について議論されてきたようだ。その結果ドナウエッシンゲンにあるドナウの泉を源泉にしようと決めたようだが、地質学的には更に上流が源泉であるとのことだった。

僕は少し幅のある川に架かっている橋の真ん中からドナウの泉から湧き出た水が注がれている場所をぼんやり眺めていた。するとチラチラと雪が降り始めてきて、少し幻想的な風景になった。
 
列車に乗る前に昼飯を食べようとレストランを探したのだが、日曜日であるためどこの店も閉まっていた。

ようやく見つけたのが喫茶店だった。コーヒーがメインだが何種類かのパンも売っていた。僕は漢字の『四』の外枠を丸くしたような形のザラメ砂糖が振りかかっていたパンを選んだ。そのパンを一口食べると違和感を感じた。

「しょっぱい…」



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