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#118 リエゾン学級経営 第2章「増加の一途をたどる不登校児童数の背景とリエゾン学級経営の関係」

リエゾン学級経営とは?

中教審答申「令和の日本型学校教育」実現への課題

令和の日本型学校教育は、2020年代を通じて目指すべき学校教育の姿として、中央教育審議会において答申されたものです。
この答申では、全ての子供たちの可能性を引き出すために、個別最適な学びと協働的な学びの実現を重視しています。

個別最適な学びとは、一人ひとりの子供の興味・関心や学習状況に応じて、最適な学びを提供することです。
そのためには、子供の理解度や習熟度を把握し、その結果に応じて指導内容や方法を調整することが重要です。
また、子供自身が自分の学びを主体的に考え、計画・実行・評価できるような環境を整えることも大切です。

協働的な学びとは、子供同士が協力しながら学び合うものです。
そのためには、子供同士が協力し合うためのルールやマナーを身に付け、お互いに尊重し合いながら学び合えるような環境を整えることが重要です。
また、子供たちが主体的に学び合うことができるような課題や活動を設定することも大切です。

令和の日本型学校教育が目指す個別最適な学びと協働的な学びは、いずれも子供たちの主体性を育むことにつながります。
子供たちが自分の興味・関心や学習状況に応じて学び、お互いに協力し合いながら学び合うことで、自ら考え、行動できる力を身に付けることができるのです。

個別最適な学びは、「個に応じた指導」の理念を具体化するものとして位置づけられています。
支援を必要とする少数派の子どもたちは、診断の有無にかかわらず、さまざまな特性や課題を有しています。
そのため、一人ひとりの特性や課題に応じて、学習内容や方法を調整することが重要です。

協働的な学びは、「共生社会」の実現に向けた重要な取り組みとして位置づけられています。
支援を必要とする少数派の子どもたちは、多数派の子どもたちと共に学校生活を送ることになります。
したがって、多数派と少数派が互いに寄り添い合いながら学び合っていかない限り、共生社会の理解や共感力を育むことはできません。

この個別最適な学び・協働的な学びの実現の障壁となる課題が2つあります。
①特別支援教育のスキルアップ。
②多数派と少数派が互いに寄り添いあい、共感しながら学び合うことのできる学級づくり。

この2つを解消しない限り、令和の日本型学校教育は実現は絶対にできないと確信しています。

この2点を解消する学級経営手法が、リエゾン学級経営です。

このような現状や課題をふまえ、多様性を尊重し共に学び成長する新たな教育アプローチとしてリエゾン学級経営を考案しました。

この考え方のベースとなっているのは、多数派が使う「ふつう」という言葉の違和感からです。
「ふつう」という概念のパラダイム変換については↓をご覧ください。

定義を振り返ります。

リエゾン学級経営とは、
「少数派と多数派が互いに寄り添い合い、共に学び、クラス全員が成長するための教育的なアプローチのことです。」

※少数派とは学級で個別の支援を要する児童
※多数派とは個別の支援を必要としない児童

全員が多様性を尊重し、誰にとっても居心地のよい場、楽しく学びながら互いを認め合う学習環境を築き、目標に向かって努力しながら成長できることを目指します。

学級経営(ゴール設定)×心理的安全性(居場所づくり)×特別支援理解教育(多数派及び保護者への理解)=リエゾン学級経営

リエゾンとは、もともとフランス語からきた言葉です。
連携や結びつきを意味していて、医療現場でよく使われています。

これからの学級経営において、多数派と少数派の連携や保護者や校内外の人材との結びつきを強化し、互いの理解を深め合うことが必要不可欠であると感じ、

リエゾン学級経営と名付けました。

さて、前回は教室で困り感を示す子ども達が増加の原因について説明しました。

今回は不登校児の増加問題について考察します。

不登校児の増加の背景とリエゾン学級経営の視点

日本の教育界において、不登校児童数の増加が深刻な社会問題として浮き彫りになっています。
特に、小学校から中学校への段階で、この問題が急増しており、これに対処するための新たなアプローチが求められています。
この記事では、不登校問題の増加背後に潜む要因を探り、その解決に向けた新しい視点である「リエゾン学級経営」に焦点を当てていきます。
不登校問題の深刻さと、リエゾン学級経営の有効性を明らかにすることで、今後の教育における展望を探求します。

下の資料をご覧ください。

令和3年度の文部科学省調査によれば、不登校児童数が増加の一途をたどっていることが明らかになりました。

さらに、次の資料をご覧ください。

特に顕著なのは、小学校入学後から中学生にかけて急激に不登校の数が増え、その傾向が年々続いている点です。
この背景には、学年が進むごとに自分の居場所を見つけられなくなる子どもたちが増えているという事実があります。

不登校児童数は右肩上がりに増え続けています。
背景には複数の要因が影響しています。
近年、社会の変化や教育のあり方の変化により、子どもたちが抱える問題が多様化・複雑化してきています。
学業の過重や学校生活への適応困難、家庭環境の影響、ストレス社会、SNSの普及、コミュニケーション能力の低下など、これらの要因が不登校の増加に繋がっています。
また、小学校入学から中学生にかけて急激に不登校児童数が増える背景には、学年が進むにつれて学校生活への適応が難しくなることが影響していると考えられます。
自分の居場所や存在意義を見失いやすくなり、それが不登校につながる一因となっています。

担任1人で35人近くの子どもすべてに寄り添いながら支援していくことの難しさを実感します。

とはいうものの近年、学級担任にも、通常学級における特別支援教育の理解が求められています。

このような状況を受けて、リエゾン学級経営が不登校問題の解決に向けて鍵を握っていると言えます。
リエゾン学級経営は、少数派と多数派が共に学び、成長するための教育的アプローチであり、多様性を尊重し、全ての児童生徒が居心地の良い環境で学び合いながら互いを認め合うことを目指します。

不登校児の増加は、単なる学習面や行動面の問題だけでなく、多様な要因が絡んでいることが考えられます。

不登校問題の解決にはリエゾン学級経営の視点が重要です。
リエゾン学級経営は、少数派と多数派が共に学び、成長するための教育的アプローチであり、多様性を尊重し、全ての児童生徒が居心地の良い環境で学び合いながら互いを認め合うことを目指します。
不登校問題に対しても、リエゾン学級経営が実践することで、個々の状況に合わせた適切な支援や対応が可能となります。

詳しいことは理論編の紹介が終わったあと、実践編をお伝えしていこうと思っています。
お楽しみに

以上、不登校児童増加の背景についてでした。

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ぜひスキ、フォローをしていただけるとうれしいです。
今後の励みになります。
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一人でも多くの方がこのリエゾン学級経営に賛同し、実践していただけることを願います。
すべての子どもの幸せを祈って!

それではまた!

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