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#82 宮沢賢治 「やまなし」教材研究におけるChatGPT活用の可能性と展望

ChatGPTの活用方法はいろいろあるかと思いますが、対話をしながら、やまなしの教材研究をしてみたいと思います。

ChatGPTはご存じの通り、対話型のAIです。

この対話を有効活用し、実際にAIに生徒になってもらって授業をすすめながら、やまなしの教材を研究してみました。

いきなり、授業はさすがにできないので、国語の学習指導要領をインプットさせました。

そのあと宮沢賢治について知ってることを聞いてみました。

さらに、宮沢賢治ってどんな人生を歩んできたのか、どんなこと考えて生きてきたのか、小学生にもわかるように丁寧に説明してみて

と質問したところ、

と返ってきました。
さすがAI、よく知ってます。

「知ってる範囲でいいから、宮沢賢治の家族のこと教えて」
と聞いてみたところ、


と返ってきました。

妹のトシのことはほとんど知らなかったようです。
まあこれだけのこと知っていたら、教科書にある資料
「イーハトーブの夢」畑山
は読む必要はなさそうです。

この後、本文を読み込ませました。
そして、

やまなしを読んで
①はじめてしったこと
②疑問に思ったこと
③話し合ってみたいこと 

以上3点について感想を書かせてみたところ、

AIに「~~したい」という欲求があるなんて驚きです。

この感想で、一番のポイントは「やななし」が何なのかまだこの時点では全く理解していないことです。

「やななし」という作品の名前自体は知っていましたが、意味がわかっていませんでした。
俄然やる気がでてきました。

と返ってきました。
AIでもこんな感じになるのだから、やはりはじめに題名だけだけ黒板に書いてそこから想像させる指導は有効です、

おそらく「やななし」と言葉で聞いたら、子ども達も
「山梨県の山梨」だったり、「山がない」みたいないけなくがでてくるでしょう。

「やまなし」という言葉を、実際の授業で先に画像や実物で見せて理解させてしまう方がよいのか、見せない方がいいのかが大きな授業の分かれ目になります。

どちらにもよさがあるかと思いますが、一番大事なのは「何を身に付けさせたいのか」です。
しかも、6年の2学期という時期に行う物語教材として。

教科書会社の指導目標を見ると、
◎文章を読んで理解したことに基づいて,自分の考えをまとめることができる。(思・判・表C(1)オ)
○比喩や反復などの表現の工夫に気づくことができる。(知・技(1)ク)
○人物像や物語の全体像を具体的に想像したり,表現の効果を考えたりすることができる。(思・判・表C(1)エ)
■物語を資料と重ねて読み,作品世界について考えたことを書く

とあります。

比喩の表現に気づくことや、物語の全体像を理解することが目標になってるのだから、やまなしをみせるのではなく、読んでいる途中で疑問にもち考えさせたいところです。

先にやまなし見せることは有効ではありますが、教え込みであり、算数であれば答えの途中まで教えてしまったことと同じです。

そのような指導は「教師からの教え込み」授業とよばれ、子どもたちの本当の学力は身に付きません。

自分からの気づきがないと、自分の考えをもつことも想像することもできません。
これはどの教科においても言えることです。

自然に「やまなし」って何か調べたい、知りたいと思うような流れをつくりたいところです。

さらに、このやまなしには、独特の比喩表現がたっぷりちりばめられています。
これらの表現を自分たちの力で読み取っていかないと、5月と12月の対比は、教師の提示した視点を対比するという

超受動的なやらされ対比になります。

これだけは避けなければならないところです。
とえらそにいってますが、私自身、若い時、対比の視点を教師側から提示して読み取らせてしまう研究授業を堂々としていました。
まあもちろん講師の先生からはかなりダメだしをもらいましたが…
今思うと、恥ずかしい限りです。😭
その反省があるから20年近く経過した今があるのです。

子どもたちが主体的に参加する授業を目指すならば、子ども達から対比した視点がでてくるようにしかけましょう。
それが本当の学びです。

そのためには、日ごろからの語彙を豊かにする指導が欠かせません。
突然やななしの教材を読んで比喩表現が豊かになるわけがありません。

だから、低学年のうちから段階的に比喩表現を理解できる言語能力を身に付けさせることも大事です。
特に、5月には「かわせみ」を表す表現がたくさんでてきます。
それを理解しないことには対比はムリです。

また、
「にわかにパッと明るくなり、日光の黄金は夢のように水の中に降って来ました。」
といった叙述から、朝または昼間という時間帯が読み取りができるようにならないといけません。
いわゆる叙述に即した文章の読み取りです。
これができないと、妄想もしくは挿絵みて判断するというという結果を招きます。

他にも、色を使った独特な表現があります。
その色にはどんな意味があるのかも考えていかないと対比できません。

このように1つ1つの言葉の意味に子ども達がこだわりをもっていかないと、
「クラムボンって何?問題」でおわってしまう、浅はかな授業になってしまうのです。
クラムボンについて考察することが浅はかなのではありませんので…念のためにいっておきます。
こだわりをもって追究していった先に「クラムボンって何?」があるなら、それはとても有効な手立てに変わります。

一番はじめのに
「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。」
とあります。

この文中の1つ1つの言葉をこだわりもって考え、この文を考えさせることを通して、言葉の意味にこだわって読む意識が生まれるでしょう。
この1文で1時間の授業をしてもいいかもしれません。

以上、ChatGPTとの対話から、やっぱり言葉の意味を考えさせる授業が大切だとわかりました。

参考になる方がいたら幸いです


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