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経営コンサルタントをしています。 国内のシンクタンク系、会計系、さらには独立系のコンサルファームに所属し、独立して12年余りになります。 自分がこれまで作り貯めてきたコンテンツを少しずつご紹介していきたいと思っています。 皆さんのお役に立てば幸いです。

最近の記事

問題解決能力を高めよう/4.演繹法を使いこなそう ①演繹法のおさらい

今まで、いろいろなパターンで問題解決能力の向上について、考えてきました。 しかし、今までのアクセス状況を見てみると、基本的な内容に関する方が、皆さんの関心が高いようです。 そこで、ここでもう一度「演繹法」のことを取り上げることにしたいと思います。 (なお、演繹法については、「問題解決能力を高めよう/2.演繹法と帰納法・①演繹法とは何か」で過去に一度取り上げています。よろしければ、そちらも見てください) Ⅰ.演繹法の基本フレーム 演繹法の基本フレームについては、以下の通りでし

    • 問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・⑦「背中を押す理由」とは何か

      今まで、稟議書において、「ベースとなる理由」と「真の理由」について考えてきました。この2つの理由の内容を固めて、説明することができれば、それで一通りの理由は整えることができた、と考えます。 しかし実はそれだけでは、以下の理由により、「稟議書を通すための力」はまだまだ十分とは言えないのです。 どんなに素晴らしい理由を稟議書に書いたとしても、提案する「システム」や「ツール」、あるいは「制度」などには、導入に関して必ず何らかのリスクを伴うものである。 人は、「論理」や「理屈」

      • 問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・⑥真の理由を文章化してみる

        真の理由について、以下のように説明してきました。 解決の対象とする経営課題は何であり、提案する「システム」や「ツール」、あるいは「制度」などが、それらの経営課題の解決に対してどのような効果を有するのか、ということを説明するもの 今回は、BtoBの製造業において、メールマガジンを導入するための提案書を作成する、という事例で説明していますが、具体的な稟議書の文面にしてみたいと考えます。 書き出しについては、いろいろなパターンがあると思います。 ここでは、最初に「どのように経

        • 問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・⑤真の理由を考えよう

          今まで、「ベースとなる『理由』」について、その展開の仕方や、帰納法を用いて「理由」を強化する方法について考えてきました。 「ベースとなる『理由』」は、あくまで、提案する「システム」や「ツール」、あるいは「制度」などに関して、「それ自体の有効性や有用性」を説明するものとなります。 そのため、その点だけを説明したのでは、「そのシステム/ツール/制度が、有効なこと/有用なことはわかったが、なぜそれを当社に導入しなければならないのか」という点に関する説明が不十分なままとなってしま

        問題解決能力を高めよう/4.演繹法を使いこなそう ①演繹法のおさらい

        • 問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・⑦「背中を押す理由」とは何か

        • 問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・⑥真の理由を文章化してみる

        • 問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・⑤真の理由を考えよう

          問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・④ほかの例でも考えてみる

          今回は、「メーカーの営業企画部門の担当者が、新規にメールマガジンの配信を行うことを提案する」という事例で考えています。 先に進む前に、今回ご説明している方法を他の事例にあてはめるとどうなるか、ということについても考えてみます。 いろいろな事例があると思いますが、やり始めるとキリがないので、今回は以下の2つのケースを取り上げてみます。 この2つのいずれのケースでも、基本的なフレームワークは同じです。 「ベースとなる『理由』」は、それぞれ以下のようになっています。 1.グ

          問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・④ほかの例でも考えてみる

          問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・③「理由」を具体的に書いてみる

          「真の理由」のお話をする前に、今回の「ベースとなる『理由』」を、具体的な稟議書にどのような形でまとめたらよいか、ということを考えてみましょう。 提案書や社内稟議書のフォームは各社異なると思いますが、基本的と思われるフォームに従ってまとめてみることにします。 まず、「件名」があり、「メールマガジンの新規配信について」としました。 もしも、このタイトルだと、「既に結論が出ているように見えて印象が悪い」ということがあれば、「メールマガジンの新規配信の検討について」などと表現を和

          問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・③「理由」を具体的に書いてみる

          問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・②まずはベースとなる「理由」を考える

          さて、今回は以下のような想定で、企画書(稟議書)をどのような内容にするのかを考えています。 なお、「あなたはあるメーカーの営業企画部門の担当者です」とありますが、そのメーカーは、今回はBtoBのメーカー、つまり「企業向けの製品を販売するメーカー」としてみましょう。 なお、基本的なフレームワークなどについては、前回の投稿をご覧ください。 最初に考える必要があるのは、今回の提案のベースとなる「理由」です。 言い換えると、「なぜ、『メルマガを新規に発行するべき』なのか」という提

          問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・②まずはベースとなる「理由」を考える

          問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・①メルマガの新規発行を提案する

          今までは、「1.正しく考えよう」というテーマで、考え方の基本となるフレームワークについてお話をしました。 さらに「2.演繹法と帰納法」で、演繹法が考え方の基本となるフレームワークであり、帰納法は演繹法における「理由」を強化するために使用するとよい、という話をしてきました。 今回から、今までお話をしてきたことを、ビジネスで実際にありそうな事例にあてはめて考えてみましょう。 今回は、下記の事例で考えてみます。 この事例で使用するのは、以下の2つのフレームワークです。 まずは

          問題解決能力を高めよう/3.事例で考えよう・①メルマガの新規発行を提案する

          問題解決能力を高めよう/2.演繹法と帰納法・②帰納法とは何か

          前回は、演繹法についてお話をしました。 次に、基本となる2つの思考法のもう一つである、帰納法について今回はお話をしたいと思います。 帰納法は、簡単に言うと、次のような思考法になります。 観察される、あるいは調べた結果からわかった「事象」の共通点に注目して、無理なく言えそうな結論を導き出す 図で説明をすると、下図のようになります。 これを、演繹法でご紹介した「ソクラテスは人間です。人間は必ず死にます。だから、ソクラテスは死にます。」の事例にあてはめると、次のようになりま

          問題解決能力を高めよう/2.演繹法と帰納法・②帰納法とは何か

          問題解決能力を高めよう/2.演繹法と帰納法・①演繹法とは何か

          今まで、「正しく考えよう」というテーマで、考え方についてお話をしてきました。 ここで、思考法の基本となる演繹法と帰納法について、お話をさせていただきます。 演繹法と帰納法は、基本となる2つの思考方法です。 このうち、演繹法とは今までお話してきた思考の方法・パターンと基本的に同じ構造を持っています。 演繹法については、いろいろな説明方法がありますが、わかりやすく言えば、次のようになります。 「発言や検討の対象となっている問題に関して、理由を付して結論を述べる方法」 この

          問題解決能力を高めよう/2.演繹法と帰納法・①演繹法とは何か

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・⑥相手の背中を押して決断を導く

          今までのやり取りをもう一度記載します。 ここで、さらに相手が決断しやすいように、相手の背中を押すような理由を付け加えるということをします。 例えば、こういう感じです。 1.私がとても小さくて軽い傘を持っているから、それを貸してあげるよ。それならば荷物にならないでしょう? 2.折り畳みの傘を会社に持っていきなさい。帰る時に降っていなかったら、職場に置いてくればいいでしょう。 こうした理由を追加することで、言われて方は、「まあ、そうだな。それならば、そうするか」という気持ちに

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・⑥相手の背中を押して決断を導く

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・⑤論理的になりすぎない

          さて、いままでの検討から、理由を詳しく説明するようにしてみました。 「どうして?」と聞かれたのに対して、 「天気予報を3つ調べたけど、明日の午後と夜は降水確率が全て40%を超えている。もしも雨に濡れて風邪でも引いたら、大事なプレゼン前なのに仕事に差し支えるでしょう?」 と答えました。 これは、理由を詳しく説明しただけでなく、“真の理由”についても、説明しています。こうして説得力を強化しました。 トータルで見て、論理性の高い理由付けになっていますので、基本的には相手も納得す

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・⑤論理的になりすぎない

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・④一歩上を行く理由を考える

          今は、次のようなやり取りについて考えています。 「では、傘を持っていったほうがいいよ」 「どうして?」 「(理由を言う)」 ここで、単純に「天気予報で「雨が降る」と言っていたから」と言うのではなく、さらに掘り下げて理由を言った方がよい、という話をしました。 そしてさらに、単に「雨が降る可能性が高いから」というだけではなく、さらに「一歩上を行く」理由を付け加えることができます…ここまでお話しました。 では、ここで「一歩上を行く理由」にはどんなものが考えられるでしょうか。

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・④一歩上を行く理由を考える

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・③相手が納得する理由を考える

          前回は、次のようなやり取りについて考えました。 「では、傘を持っていったほうがいいよ」 「どうして?」 「天気予報で「雨が降る」と言っていたから」 ここで、「天気予報で「雨が降る」と言っていたから」というのは、いかにも「ありそうな理由」だと思います。 しかし、「傘を持っていったほうがいいよ」といって、「どうして?」と聞かれる、ということは、傘を持っていったほうがいい、と言われた方が、その理由について、疑問を持っている、ということを示しています。 つまり、例えば例えば以下

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・③相手が納得する理由を考える

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・②「理由」を考える

          前回は、以下のような話をさせていただきました。 正しく考えるためには、以下の3つのプロセス守ることが必要です。 1.自分の考えを整理する 2.結論を出す 3.その理由を整理する このように書くと、「結論を出すまえに、その理由を考えるべきではないか」というツッコミを受けそうです。 そのご指摘のとおり、「結論」→「理由」ではなく、「理由」→「結論」が本来あるべき順番なのだと思います。 しかし、ここではあえて「結論」→「理由」という順番にしています。 それは「後付けでもいいか

          問題解決能力を高めよう/1.正しく考えよう・②「理由」を考える

          「問題解決能力」を高めよう/1.正しく考えよう・①基本のフレームワーク

          問題解決能力を高めるための第一歩は、「正しく考える」ことです。 しかし、「正しく考えよう」などと言われても、どうすればいのかわからないかもしれません。 皆さんには、今までにこんな経験はありませんでしたか? 1.一生懸命に説明したのに、理解してもらえなかった。 2.稟議書や起案書を頑張って書いて提出したのに、承認されなかった。 3.仲間同士で議論をしていても、なかなか他のメンバーを説得できない。 もしも上記のような経験、あるいは似たような経験がおありの方がいれば、それはもし

          「問題解決能力」を高めよう/1.正しく考えよう・①基本のフレームワーク