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読書日記~女性が活躍できる仕事のルール~

「自由に働くための仕事のルール 父が私に教えてくれなかったこと」

秋山 ゆかり著



女性の活躍は日本社会でも度々話題に上がっている。しかし、様々なライフステージを体験する女性にとって、常に上を目指して働いていくことは難しい。
男女問わず、「出世」というワードには、意識高そう・・・というマイナスイメージを抱きがちであるが、実は出世は仕事を自分でコントロールする1番の近道であることが本書を通して理解することができる。
組織で活躍し続けたいと考えている人にはもちろん、細々と働くことを目指している人にもぜひ読んでほしい1冊だ。

・コミュニケーションスキルの向上
根回しの力、②チームのモチベーションを上げる力、③会議を仕切る力こそが、働く上で必要なコミュニケーションスキルである。

①「根回し」というと、これまたネガティブなイメージを抱くワードであるが、著者曰く、相手の立場で物事を考え、自分の提案を相手にとって損のない話として理解してもらい、賛同してもらうことだ。決して相手を敵に回すのではなく、相手を窮地に陥らせない思いやりが重要なのである。

②チームで働いていく中で、結果を報告するだけではなく、それに至るプロセスまでしっかりと情報共有することが大事だ。(フェア・プロセス)社員一人ひとりとコミュニケーションを取る際は、質より量。挨拶を重ね、気になることがあればランチに誘うなど、こまめにコミュニケーションを取ることが重要。そして何でも自分でやろうとせず、不得意なことは得意な人に相談し、サポートしてもらうこと。

③会議では、全体像をつかみ、論点をはっきりさせた上で達成したい目標を明確にすることが重要だ。論点を作る際には、5W1H(When, Where, Who, What, How, Why, How much)を軸に論理的に考えること。会議へ挑む前には、想定される質問を作っておくこともまた必要な準備である。会議の最後には、誰が、いつまでに、何をすべきかを明確にし、決定事項をまとめたメモをなるべく早く作成して会議出席者全員に回すことで、行動につながる。

・セルフマネジメントを磨く
タイムマネジメント力、②セルフコントロール力、③孤独と向き合う力を磨くことで、働きやすい環境を自分自身で作り上げることができる。

①自分が時間をコントロールする意識を常に持つことが大切だ。難しいことや初めて取り組むことには、後でリカバリーがきくよう、余白を設けておくと余裕ができる。また、昇進した際など新しい役割を持つときには、週3時間の空白をもち、自分自身と向き合う時間を作ることで、役割に飲み込まれることなく行動することが可能となる。

②自分自身と向き合う時間を作り、ジャーナリングをすること。SNSやネットニュースに流されることなく、自分で情報量をコントロールし、あくまで強い印象を受けたニュースなどについてのみ考えるようにすることで、自分自身もコントロールすることができる。

③昇進など立場が変わると、人間関係も必然的に変化する。すべての人に好かれようとせず、ステップアップした先で新しい仲間を作ることができるということを心に留めておくこと。いろんな人に助けてもらうために、その人にとってプラスになることを考え、行動することが大事。会社内だけではなく、社外にネットワークを広げることで、相談できる人脈を作り上げることができる。

・ワンランク上のビジネススキル
人から引き受けた仕事を必ずやり遂げることにより、その人に信頼感を持つことができ、さまざまな情報が集まるようになる。その際なんでも引き受けるのではなく、職務を超えて少し手広く働くことがポイントである。

未来を考え、事業を成長させる方法を考える場を作ることで、構想力を磨くことができる。不安な状況下では、今何をすべきかを考え、イシューツリーを作ること。自分がやるべきことを明確化することができ、全員の共通認識とすることにより、同じ目標に向けて作業することが可能となる。

<感じたこと>
著者はまさにバリバリのキャリアウーマンであり、たくさんの危機的な状況を経験したことが本書にも記載されている。
自分自身は準公務員的な仕事をしていることもあり、著者が述べているザ・ビジネスな環境ではないが、今後昇進して働いていく上で必要なスキルを磨くヒントとなった。特に最後に掲載されている茅野みつる氏との対談文を読み、メンターの必要性を強く感じた。メンターは、自分の上司や自分よりもたくさんの経験を積んだ人でなければならない、なんでも完璧で尊敬できる人なんて周りにいない!と思い込んでいたが、メンター候補はもっと身近にいるのである。そして、メンターは複数いてもよい。
人に褒められるのも褒めるのも不得意な私にとって、ちょっとした変化に気づき褒めることが上手な同僚の方を、褒め上手なメンターにしたいと感じた。また、現直属の上司は、根回しが非常にうまく、思いやりの気持ちをもって誰もが気持ちよく仕事ができるように進めているため、根回しのメンターにしたい。
読書を通して出会う様々な著者もまた、私にとっては大切なメンターだ。
本を通して、これから働いていくためのアドバイスを吸収し続けたい。




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