キムラタツヤ

僕の文章や絵を目にした人が、それまでより幸せになってくれればいいなぁ。

背中を撫でてほしかったのに 第2話

第1話はこちら 「ほんとだ。珍しい。よっぽど疲れてるんじゃないの?」  母と妹に言われるまでもなく、確かにわたしは職場のことを家で話したことはなかった。なかった…

11か月前

背中を撫でてほしかったのに 第1話

 美鈴の声が階段を駆け上ってきた。  わたし、寝ちゃってたのか。東京湾の底で主役面してふんぞり返っているヘドロのような疲れが抜けない。いま何時なんだろう。あぁ、…

11か月前

学校の神様 第10話

第9話はこちら  「お疲れさまでしたぁ!」  扉を開けると、先に職員室に戻っていた杉浦から事の経緯を聞いていた教員たちが、まるでミュージカルのオーディエンスが俳…

学校の神様 第9話

第8話はこちら  全員が考えていた。ひとりを除いて。  自分が口を開くのは違う気がするな、と考えていたのは翔太。  福田先生はどうして薮内を何度も殴ったんだろう。…

学校の神様 第8話

第7話はこちら  5限目。静かな職員室。ほんのかすかにエアコンの音。  翔太はやはり母のことを考えていた。大阪の下町生まれの菊子ではあったが、決していわゆる「大…

学校の神様 第7話

第6話はこちら  誰一人として口を開かず、静かに話を聞いていた教員たちだったが、その瞬間に、つまり薮内が胸ぐらをつかんだ部分で、やにわに色を作し、口々に翔太を擁…