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「ゆかりの人物」の定義(note創作大賞2023エッセイ部門応募作品)

皆さんこんにちは。新人児童文学作家の「きみはならりすけ」です。4月に初の児童小説である、空想特撮小説「怪人家族の総選挙」を出版し、「作家デビューしました!」と周りには自慢気に宣伝しているのですが、実の所、非常に小さな出版社でして、実は、初版部数は500部という小規模出版なのです。何だよそれじゃあ、同人誌や自費出版と大差ないじゃないかと思われるかもしれませんが、一応、商業出版で、大手取次店を通して全国の書店には並ぶ仕組みにはなっていおります。しかし、やはり誰も知らないという事で、お店にはほとんど並ばず、出身地の福島県の主要書店さんには案内メールを流した所、何店かは店頭に置いてもらえているという状況です。しかし、それでも誰も知らないという事で、著者本人で必死にPR作戦を展開しておりまして、先日は、出身地の須賀川市へ寄贈を行った所、福島民友さん、福島民報さん、あぶくま時報さんに掲載され、また、宮城県の河北新報さんに献本した所、「東北の文芸」(東北の本棚)の書評コーナーで紹介されました。これで、部数的には、福島県40万部、宮城県40万部の新聞に掲載されたので、もうだいぶ知れ渡っただろう!と思っているのですが、やはり全く反応がなく、もうどうしたら良いのかと落ち込んでいる所です。それでも、「あのハリー・ポッターだって初版500部だったんだ!僕も頑張ろう!」と自分を奮い立たせている所であります。(古典となった「フランケンシュタイン」も初版500部だったそうですね。怪人、怪物つながりで、こちらもちょっと意識してたりします笑)さて、ハリー・ポッターと言いますと、初版があまり一般に出回らなかった為、オークションで非常に高値が付いているという事ですが、では他にどこにあるのかと言うと、初版500部のうち、300部が図書館に送られたという事ですね。(「送られた」という意味が、寄贈なのか、購入なのかはっきりしないのですが、英文の記事を見ても、「sent」「go」「distribute」といった表現が多いので、寄贈の可能性が高いかなと思います)そのような訳で、「よし!僕もハリー・ポッターを見習って、図書館へ寄贈するぞ!」と、寄贈作戦を展開し始めたのでした。ここからが今回のエッセイの本題になります。

さて始まりました、私の初出版の児童小説、空想特撮小説「怪人家族の総選挙」寄贈大作戦!実は、こちらも初告白なのですが、私の本の初版500部のうち、何と150部が著者買取なのです!(笑)もうホント自費出版と変わりないじゃないかという感じですが、23万円で本が出せたんだから良しとしましょう。他の自費出版を勧めてくる会社と比べてもかなり良心的だと思います。(ちなみに、初期自己買取以降は、2割引で買えるそうですし、印税も出ますので、一応、商業出版にはなっていると思います)さて、私の出版の内情はこの辺にしておきまして、寄贈の話です。現在、150部のうち、120部ぐらいが捌けまして、内訳は、故郷の福島県須賀川市29部(図書館3、特撮アーカイブセンター1、小中学校25)、そして幼少期を過ごしたもう一つの故郷、宮城県多賀城市11部(図書館1、小中学校10)、その他ゆかり・身内・献本等50部、図書館30部ぐらいでしょうか?とにかく、ゆかりのある所にはほとんど配りまして、ご恩返しが出来たなと思っていたのですが…何と!宮城県図書館だけ、受入拒否の返事が来たのです!「えー!何で!?僕は小学校6年生まで宮城県で育ったんだよ?何でダメなの!?故郷の福島県も、須賀川市も、多賀城市も、そして現在居住地の葛飾区だって受け入れてくれて、地域ゆかりの人物コーナーに置いてくれたのに、何で宮城県はダメなんだー!」と憤ってしまいました。(というより悲しい気持ちが強かったかもしれません)それで、宮城県図書館の担当者とやり取りしたのですが、話を要約すると、「ゆかりの人物につきましては、高校卒業程度まで宮城県に居た方、または現在居住の方を対象者として扱っています。そうしますと、あなたは一般人扱いとなりまして、かつ、一般図書の寄贈受入扱いとなりますので、ガイドラインの「文学賞受賞作品(相当)を受け入れる」という規定から外れますので、寄贈拒否する事になりました」という事でした。「ハァァァ?????」って感じですね。意味がわかりません。私は小学6年まで宮城に居たわけですが、この規定ですと、「高校2年生まで宮城で育っても、ゆかりの人物としては扱われないのです。一方、成人を迎えて、たった1年でも半年でも住んで本を出せば、ゆかりの人物として扱われるのです。」これって変ですよね?そして今回、私は児童書を出版した訳ですが、判定を一般図書受入の厳しい規定「文学賞受賞(相当)」で判断してきたのです。これが、児童書の規定を見ますと、そういった記載はなく、「網羅的に収集する」と書かれています。もう何か受入拒否する為に意図的にやってるんじゃないかと思えてきました。(「悔しかったら人生やり直して高校生まで宮城で過ごすか、文学賞を取って出直してこい!」と言われているようなものです)それでちょっと頭にきまして、宮城県知事に直接意見を送るページがありましたので、「これはおかしいんじゃないですか?出身地の定義は、一般的には、『15歳までで一番長く過ごした所』とありますし、判定にも誤りがあったのではないですか?」と送ってみた所、担当者の上の方の方から返事が来まして、「この度は大変不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。再度、児童書扱いで選定会議にかけさせて頂きます。また、ゆかりの人物の判断基準につきましても、今後検討してまいてりたいと思います」との事でした。いやー、まずはもう一度正当に判断して頂けるチャンスが頂けてよかったです。これが、3歳とか5歳とか、物心付かない年齢まででしたら、まだわかりますが、11歳、12歳ぐらいまでですからね。前述のように、出身地の定義(15歳までで一番長く過ごした場所)は満たしておりますし、何と言っても、今回の小説のテーマである、「特撮ヒーロー」を見て、人格形成された時期でもありますので(僕の正義感はこの時期に形成されたと思います!笑)、宮城県図書館さんには、正当に判断をして頂きたいと思います。以上、新人児童文学作家「きみはならりすけ」の初エッセイでした!

※追記
宮城県図書館さんから受入決定の返事が来ました!宮城県の皆さん!良かったら僕の本を読んでみてくださいね!

#創作大賞2023 #エッセイ部門


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