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「星間通信」

ある夜のこと。惑星が一列に並んだので、久しぶりにみんなでおしゃべりをしていました。

土星:「ひとりの人間天使が、夢の中を飛んでいるね」
金星:「ああ、花の王妃だ!」
火星:「彼女を知っているの?」
金星:「初めて出逢ったのは、地球時間で2万年くらい前かな」
水星:「我々に一輪の花を差し出してくれた、あの少女だ」
金星:「懐かしいね」
土星:「ああ。実に誇らしい」
水星:「彼女の放つ光は、ここから見ても美しいね」
地球:「でもなんだか、彼女の中で哀しみは続いているみたいなんだ。毎日のように手放しても許しても、幾度も波のようにやってくる」
太陽:  ………………………………………………………………………………… 


土星:
「人間の姿をした天使は、地球では大変なことが多そうだね」
水星:「重力や集合意識があるからね。それに肉体にも縛られる。
彼らが自由になれるのは夢の中だけ」
火星:「だけどそんな夢も、最近はひっちゃかめっちゃか」
金星:「地球が解放で忙しい時だものね」
水星:「それなのに占いは、私の逆行がいけないんだってすぐに言うの。ただ前に進んでいるだけなのに!」
土星:「物事は混沌として見えるけど、それは立派な進化だよね」
木星:「こんな状況でも、彼女を笑わせられないかしら」
金星:「何かいい贈り物はないかな」
火星:「自分の光に気がついてもらえるような、意識はどうだろう」
太陽:  ………………………… …………… …… …………………………………… … 

地球:「こんな言葉はいかがでしょう。

(1)自分ととことん恋に落ちて。人生はあなたを愛し始めるでしょう。

(2)人々へ贈ってきた花の果実を受け取るのは、今、あなたです。 

(3)あなたは、あなたである全て。」

水星:「(2)だね」
金星:「(1) だね」
土星:「(3)以外考えられないよ」

地球:「さて、彼女は今からどれを受信するのだろう。太陽がさっそく通信を始めたよ」

太陽: ……………………    …   … …       ………… …     ……… ……… ………………… ……………………………………………………………………………………………………………………………  …… ……………………………………………………………… ……………  √ √ ………… …     …… …     …… …     …… …     …… … …………… ……………………………… …………………………………………………




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