空き店舗になった菓子屋の前を通った時だった。白い店の前にはかつて使われていた物だろうか、赤いダイヤと♦️赤いハート❤️が一つずつ描かれた背の高い燈火が置かれていた。 ぼんやりと明かりが灯る様があまりにも美しい。もしこれが売り物であるならば買いたいぐらいだと暫く眺めていたが、店内はがらんとしていて、天井からは二つのランプがぶら下がっているだけで誰もいない。 その時だった。「あなたの夢は、何?」と、不意にダイヤの燈火から話しかけられたような気がした。辺りに誰もいないことを確認し
🪽あなたの闇に怯えないでください。それは、あなたがいらないと避けたものです。彼らは解決方法が知りたいだけです。だから人生の様々な場面であなたに会いました。 🪽彼らを変えようとしないでください。彼らはあなたの光が本物である事を知った後、自然と変わっていきます。 🪽マスターでありきってください。安全な空間の中で休息してください。そして時々、堂々と間違えてください。それは間違いではないと知る時が来るからです。あなたに間違いなどありません。いつでも可能性があり、あなたはそこへ入っ
人の名前には、その者が歩む人生の主題が含まれているという。その人にしかない輝き、方向性、大切なこと。そして迷った時こそ、自分の名前に立ち返るんだよ、とまあちゃんは言った。 広い夜空の空間に、一つまた一つと光を見つける度に、なぜだか胸がちくちくと痛む。たくさんの幸せみたいなものが詰め込まれているはずのこの街路樹も、子どもの瞳の輝きも、なんだか眩し過ぎた。 地下へ下っていくと広がる青い大海の隣に、その物体はいた。それは形というより、気体のような風体で、白と黒の輪っかを周囲にまとっ
大地を高速で飛んでいく。君だけを助けに行く天使みたいに。 「理解できない言葉を全部集めて、私の頭脳の中へ放ってください」と繰り返す彼女の声を聴いたからだ。 本当は彼女もかつての同僚、今は人間の姿をしながら全てを忘れている元天使だ。 「それを一からやるのを選んだのはあなたじゃない?」と、彼女の夢の中に到着すると、私は言った。翼が雲の間で濡れて、すっかり重くなっている。 「なんでこんなに、苦しくなるのかしら。」 彼女は目の前に新しく出来上がりつつある実家を眺めながら言った。
ガブリは、自信がありませんでした。自分が存在するだけで誰かを傷つけてしまう。でもいつも行動しなければと思っていて、うろうろと迷っていました。 ガブリは、自分はここにいることを証明をしたいと思っていました。でも同時に、誰も自分を必要としていないのではとも思っていました。 「分かって欲しい。でも、どこに行ったらいいの?」 ガブリはいつも孤独でした。 「僕って、なんでこんな体をしているんだろう。どうしてここに、存在しているの?誰か、僕をつかまえていて、お願い。そうじゃないと
白いTシャツを着た少年少女は寝ている時に3つくらい宇宙をまたいで旅しているから、戻ってくるのに少しばかり時間がかかる。 夢の途中で目覚めようものならば、頭だけは地球で目覚めた意識は遠い惑星の中だから、身体の中にかっちりと戻ってくるまでに、早くても0.8秒は要する。 このコンマ8秒が永くてキツい。もしかしたらずっと戻って来れないんじゃない?って焦り出した瞬間、肉体に戻ってくるんだ。 今私はここにいるけど、あの見えない惑星の中にもいて、みんなが光を選ぶのかの実験中。 結
(1)自分をいじめてきた 自分をいじめている人が 自分の外にあるもの 環境を地球を優しく扱う (2)自分をいじめてきた 自分をいじめないと決めた人が 自分の外にあるもの 環境を地球を優しく扱う 自然は沈黙しておらず 意識が森に流れているのなら *
〈A〉 私のために→ 呼吸をする。 私のために→ 食べる。 私のために→ 楽しいことをする。 〈B〉 呼吸をするために→ 出掛けていく。 食べるために→ 本当に望んだものを堂々と選ぶ。 楽しいことをするために→ 私を信頼して任せる。 楽しいことをするために→ 私を信頼して愛する。 情熱が、生まれてきたのだから。 ・
気持ちがすっきりするはずの半月に、 雲がかかっている、と彼/彼女は思いました。 「もう、大丈夫と内側から言い続けるのは飽きたんよ」 個が立つことの出来ない脆さに参っている今月、 不要なものを手放せと言わんばかりに、 嫌な夢が彼らをノックをしました。 「誰かを変えようとしたわけじゃないけど、世界が全部反発してくるみたいだ」 と、彼は靴を洗いながら思いました。 「私は穏やかな呼吸をしていて、自由に駆けたかっただけです」 と、彼女は荷造りをしながら言いました。 彼/彼女は
君はずっとヨット 辿り着きたい島とは違う ぼろぼろになって ようやく、別の惑星地球に着いた 頭は分からなかった 目的や意味や 透るルートが ようやく、澄んで 着いた 身を投げ出す砂の上 眩い太陽が祝福の唄を注ぐ 君のメロディであったもの 全て間違いなどなく正しかった しかも最短ルートで駆け抜けた 1ミリのズレもなく ゴールを解き放って別の惑星に やってきたんだ 傷のように見せかけた 風の帆 戻らなくていいよ 学び続けなくていい もう 着いたんだし ずっと輝いていた
アゴラの15時は、いつもより混んでいた。 八角形の風の塔の前に、ソクラテスは遅れてやってきた。 彼に箸を握らせて、「これがうちのお雑煮だよ」とお椀を渡した。 器の中では黄金比の四角い餅がぷかりと浮かんでいる。 ふたりで塔の前の階段に座ると、あたたかい汁をすすった。 ソクラテスは顎ひげについてしまった餅を懸命に拭うと、 「昔は社会のことと言ったけど、囲ったのは経験だった」と言った。 僕たちは、互いに法則を探すことに夢中だったけど、 歴史が生み出した四角については少し無頓
今日のメニューは、立春に食べたい宇宙のお雑煮です。 材料をご紹介していきます。 土星の輪 ひとかけ 金星 50t(いちょう切り) 火星の水 600t 雲 サッカーコート2面分 もち米 3合 月 (お好みで) 土星の輪を出汁にします。 雲に炊いたもち米を混ぜて、餅つき機でつきます。 手ごねでもいいのですが、 銀河系の星団の中に立派な機械があるのでお借りしました。 太陽の直火で金星と一瞬煮込んだ後、月をさっと絞って出来上がり。 皆さんもぜひ、ご家庭で楽しんで
むかーしの月面探査のとき、 「宇宙に最も連れていってはいけない人物は、詩人だ」って とある宇宙飛行士が言ったんだって。 月から地球を眺めた詩人は恍惚としちゃって、 その後の任務をぜんぶ忘れちゃったから、だってさ。 ねえー、 生まれてくる前のことって覚えてる? 月面から地球を 何度も見おろしたあの感じ。 灰色の砂ばっかで 見えるのは漆黒の淵だし。 青く輝く水の惑星なんて、 ただぼうっと見つめるだけの星だった。 でも 来ちゃったよね。 人間の体でこの地球に。 降り立っち
《遅すぎたり早すぎることはありません。そこはちゃんと、あなたを待っていますよ》 と優しい手紙をくれたのは、未来の自分でした。 《なぜ2度も経験した悲しみを、また味わおうとするのですか?》 人生のらせん階段は、440Hzの波を何度も生みました。 《あなたは経験を、知恵と光に変えてきたんです》 身体が痛かったから、太陽さえも見つけることが出来ませんでした。 《みずからへ心からの拍手を贈れた時、優美な波がやってきますよ》 感謝を含んだ心地よい風が、喜びへと進路を向かわせま
彼女はいつも夢を見て寝ぼけてばかりだし新年の決意なんてしないけど、 今は次の3つの夢を叶えるんだと、密かに情熱を抱いている。 深呼吸をする。 重力を解放する。 私に立つ。 この絵は彼女が2020年頃、家に閉じこもって何をしたらいいのか分からなかった時に描いたものだった。ひたすら眠りの中で悪夢と戦って、いらない感情を手放して、蛹が小さな部屋で羽化する時を待っていたような頃。 何かを手放し離れたと思っても、結局は再び対峙することになる、と彼女は思った。もう一度頭を下げな
ピアノは安全で、いつも守られた空間に存在している ピアノは開かれた表現で、自由だ ピアノは美しい ピアノは集合意識とも繋がっていないしDNAを背負わない ピアノは喜び ピアノはリラックスしている ピアノは調和がとれていて ピアノは死を超えている ピアノは秘密の花園を持ち ピアノは堂々とピアノだ