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JW186 月支国来寇

【孝霊天皇編】エピソード41 月支国来寇


第七代天皇、孝霊天皇(こうれいてんのう)の御世。

紀元前230年、皇紀431年(孝霊天皇61)。

ついに月支国(げっしこく)が攻めて来た。

地図(月支国)
笹福一行

大船団の方が、物語的に面白いので、そういうことにしたい。

ちなみに、現れた場所は、島根県出雲市(いずもし)の大社町日御碕(たいしゃちょう・ひのみさき)である。

地図(日御碕)

その光景を見て、孝霊天皇こと、大日本根子彦太瓊尊(おおやまとねこひこふとに・のみこと)(以下、笹福(ささふく))たち一行は感想を漏らすのであった。

マイケル「さ・・・作者の陰謀で、大船団になっちょる!」

芹彦「おお! これくらいでなければ、輝かしき武功(ぶこう)は挙げられぬからなぁ!」

牛鬼「そげなこと言って、大丈夫かや?」

笹福「とりあえず、月支国の王、彦波瓊王(ひこはに・おう)の出方(でかた)を見ようぞ。」

一方、月支国の船団では、彦波瓊王こと「ヒコパ」が歓喜の声を上げていた。

ヒコパ「やったニダ! ウリ(私)が、初めての外国人キャラになったハセヨ!」

そこに、月支国の家来、ヨンジュンがやって来た。

ヨンジュン「何を言ってるニカ!? 喜ぶところ、間違ってるハセヨ!」

ヒコパ「ん? そなたは誰ニカ? 伝承において、ヨンジュンなどという人物は登場せんぞ?」

ヨンジュン「合いの手が必要とのことで、作者に名前を付けてもらったハセヨ。」

ヒコパ「あ・・・合いの手? しかし、どこかの俳優さんみたいな名前だな?」

ヨンジュン「その辺は、気にしないでほしいニダ。」

ヒコパ「仕方ない。では、ヨンジュンよ。出雲(いずも)に対し、降伏勧告(こうふく・かんこく)を致せ!」

ヨンジュン「分かったニダ。」

ヨンジュンは命を受けると、船の先端、すなわち舳先(へさき)に立ち、大声を張り上げた。

ヨンジュン「出雲の方々! ウリたちは月支国の兵なり! 先祖伝来の地を取り戻さんと、遥々(はるばる)やって来たニダ! しかし、ウリたちは神にあらず。それゆえ、大地を引っ張ること能(あた)わず! そこで、出雲の地を貰(もら)い受けることにしたニダ!」

ここで、出雲側も返答する。

返答したのは、初登場となる出雲君(いずものきみ)の息子、世毛呂須(よけろす)こと「ケロロ」であった。

系図(出雲氏)

ケロロ「遥々のお越し、痛み入るが、この地は、もはや、我(われ)らが先祖伝来の地なり! それゆえ、お譲(ゆず)りすること能わず! 早々に立ち去られい!」

ヨンジュン「ウリたちの王様は、すみやかに降れば、格別の御温情を賜(たまわ)らんとの思(おぼ)し召(め)しであるぞ!」

ケロロ「御恩情、謝(しゃ)し奉(たてまつ)るが、我が君においては、弓矢にて勝ち負けを決せんとの思し召しにござる! いざ尋常(じんじょう)に勝負! 勝負!」

ヨンジュン「ぐぬぬぬぬ・・・。もう謝ったって許さないニダ!」

ヒコパ「交渉決裂か・・・。止むを得ん。者共(ものども)! 攻めかかるニダ!」

月支国のみなさん「おお!」×多数

迫り来る船団。

出雲君の知理(ちり)と笹福が、時を同じくして叫ぶ。

知理「皆の者! 矢をつがえよ!」

笹福「皆の衆! 試し矢が落ちたところは覚えておるな?!」

牛鬼「ちょっ! 大王(おおきみ)! わ(私)は試し矢を見ちょらん!」

鶯王「牛鬼! 汝(いまし)は見ておらなんだのか?!」

芹彦「申し訳ござらぬ! それがしと牛鬼は、黄魃鬼と共に酒盛りをしておりましたゆえ・・・。」

タケ「酒盛りをしておったのか? 戦(いくさ)のあとと申しておったのではなかったか!?」

芹彦「ま・・・前祝いということで・・・。おお! 狭野尊(さの・のみこと:神武天皇)大先生に会わす顔がないっ!」

ヘンリー「芹彦様! 牛鬼! 何をやっちょうだ(何してるんですか)!」

牛鬼「ゆ・・・許してごせ(ください)!」

笹福「仕方あるまい。芹彦と牛鬼に従う兵たちは、他の者が矢を放ったのちに、放つべし!」

大目「ここで補足説明をするんじゃほい! 試し矢で、矢の届く距離を確認してるんじゃほい。敵がそこまで来たら、矢を放つということなんじゃほい。」

ぐっさん「無駄矢(むだや)を放たんようにするためや。生活の知恵っちゅうわけやな。」

そんなことを言っている間にも、月支国の船団は、刻一刻と近付いてくる。

そして、ついに、船団が射程距離に入った。

笹福・知理「今じゃぁ!! 射かけよぉぉ!!」×2

ヨンジュン「う・・・うわ! 激しい矢の雨ニダ!」

ヒコパ「どういうことニダ?! 出雲の兵・・・多いような気がするニダ!」

ヨンジュン「ちょっ! ヤマトの兵も加わってるみたいハセヨ!」

ヒコパ「なにぃぃ!! 聞いてないハセヨ! よぉし・・・こっちも負けずに、矢を放つニダ!」

激しい矢の応酬(おうしゅう)が繰り広げられた。

一進一退の攻防である。

しかし、矢の数には限りがある。

出雲・ヤマト連合軍に焦(あせ)りが見え始めた、そのとき・・・。

ヨンジュン「お・・・王様! 伝承には登場しない船団が、横からやって来たニダ!」

ヒコパ「どういうことハセヨ!」

黄魃鬼「主人公は遅れて登場するんだわい! 隠伎(おき)の力量、とくと御覧(ごろう)じよ!」

ヒコパ「横からも矢の雨ニダ! で・・・でも、ウリ、負けない!」

物語オリジナル設定の隠伎水軍をしても、やはり月支国を食い止めることは出来なかった。

出雲は、月支国に攻め滅ぼされてしまうのであろうか・・・。

そんなことを言っていた時、一陣(いちじん)の風が笹福たちの間をかすめていった。

笹福「何じゃ? 今、突風が流れていったが?」

歯黒「大王! 双方の矢が飛び交うところに、男が立っておりまするぞ!?」

みなお「立ってるというか、浮いてはるで!」

ジョージ「矢が当たっちょらん! どげになっとるんだ?」

芹彦「もしや! 狭野尊大先生が降臨なされたのではっ!?」

謎の男「俺か?・・・・そう! 俺が! 俺こそが! 素戔嗚(すさのお)だっちゃ! 今日は特別に『スーさん』と呼ばせてやるっ!」

ヤマト・出雲・月支国のみなさん「ええぇぇ!!」×大多数

唐突な神様の出現。

慌てふためく両軍。

戦いはどうなってしまうのであろうか。

次回につづく

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