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JW197 思い出深き地

【孝霊天皇編】エピソード52 思い出深き地


第七代天皇、孝霊天皇(こうれいてんのう)の御世。

鬼住山(きずみやま)を拠点とする、大牛蟹(おおうしがに)(以下、シガニー)を鎮定し、伯伎(ほうき:現在の鳥取県西部)に平和がもたらされた。

地図(鬼住山)

そして、時は流れ、紀元前215年、皇紀446年(孝霊天皇76)2月8日となった。

地図(現在地、樂樂福神社(宮原))
鳥取県伯耆町宮原
現在地・樂樂福神社(宮原)
笹福一行

運命の時が迫ろうとしている。

孝霊天皇こと、大日本根子彦太瓊尊(おおやまとねこひこふとに・のみこと)(以下、笹福(ささふく))に最期の時が訪れていたのである。

笹福「そういうことじゃ。我(われ)は、これにて逝く。」

芹彦「父上! ここは、伯伎にござりまするぞ! 『記紀(きき)』では、ヤマトの黒田廬戸宮(くろだの・いおど・のみや)で崩御(ほうぎょ)されたと書かれておるのですぞ! これでは、辻褄(つじつま)が合いませぬぞ!」

地図(黒田廬戸宮)

歯黒「芹彦・・・。実はな、伯伎の伝承では、前回紹介した、伯耆町宮原(ほうきちょう・みやばら)の樂樂福神社(ささふくじんじゃ)で、お隠れになられたことになっておるのじゃ。」

芹彦「なんとぉぉ! そのようなぁぁ!」

笹福「すまぬな。我(われ)は、思い出深い、伯伎で逝きたいのじゃ。」

朝妻「お・・・大王・・・(´;ω;`)ウッ…。」

笹福「朝妻・・・。汝(いまし)には、苦労をかけたな。鶯王(うぐいすおう)と離れ離れとなり、ようやく出会えたというに、戦(いくさ)で先立たれることに・・・。」

朝妻「そげなこと、言わんでごしない(ください)。わ(私)は、幸せにございました。」

タケ「大王! 稲葉(いなば:現在の鳥取県東部)のジョージとマイケルも来ておりまするぞ。」

地図(稲葉から)

ジョージ「大王! お別れとは・・・(´;ω;`)ウッ…。」

マイケル「稲葉は、任せてごせ(ください)! (´;ω;`)ウッ…。」

笹福「ジョージ、マイケル、汝(いまし)らの支えが有ったればこそ、ここまで、これたのじゃ。かたじけない。」

ジョージ・マイケル「そげな! (´;ω;`)ウッ…。」×2

ユミ「隠伎(おき:現在の隠岐の島)から、黄魃鬼(こうばつき)殿たちも来ておりますよ。」

地図(隠伎から)

黄魃鬼「大王! こげな別れになるとは、思わんかったわい・・・(´;ω;`)ウッ…。」

黄魃鬼の手下たち「大王ぃぃ!!(´;ω;`)!」×多数

笹福「黄魃鬼、皆、息災(そくさい)のようじゃな。これからも隠伎のこと頼むぞ・・・。」

黄魃鬼と手下たち「任せてごせ!」×多数

牛鬼「大王・・・伯伎は、わ(私)たちに任せてごせ。」

シガニー「そげです。わ(私)たちが、しっかり守っていきますけん(から)!」

ヘンリー「わ(私)も忘れてもらっては困るんだがね!」

笹福「牛鬼、シガニー、ヘンリー、これからも伯伎・・・そして、朝妻のこと、頼む。」

牛鬼・シガニー・ヘンリー「御意!」×3

みなお「伯伎からは、他にも、ベッツイ&クリスと、ジムが来てはるで。」

ベッツイ&クリス「大王! お別れに来たが! エピソード189以来だがん!」×2

ジム「印賀(いんが)の住人である、わ(私)も来たが! エピソード188以来だがね!」

地図(印賀などから)

笹福「ああ、ベッツイ、クリス、ジム・・・。久しぶりじゃのう。」

ベッツイ&クリス&ジム「大王ぃぃ!! (´;ω;`)ウッ…。」×3

ぐっさん「吉備(きび)の石蟹(いわかに)からは、ジョンとヨーコが来てはるで!」

地図(石蟹から)

ジョン「やあ! エピソード192以来だな! 大王! 俺に会いたかったんだろ?」

ヨーコ「悲しい時も、笑顔を忘れないで!」

笹福「そうじゃのう。多くの人々の暮らしが豊かとなったのじゃ。何を憂(うれ)うことが有ろうか・・・。」

ジョンとヨーコ「その意気(だぜ)(よ)!」×2

笹福「ところで、ヤマトに残る、大日本根子彦国牽尊(おおやまとねこひこくにくる・のみこと)こと『ニクル』や、讃岐(さぬき)に留まる、倭迹迹日百襲姫(やまとととひももそひめ)こと『モモ』たちは、息災であろうか・・・。」

地図(ヤマトと讃岐)

歯黒「左様ですな・・・。何か、言伝(ことづて)はござりまするか?」

笹福「ニクル・・・。モモ・・・。かたお・・・。ワカヤ・・・。チチ・・・。そして、歯黒、タケ、芹彦・・・。兄弟姉妹、相和(あいわ)して、国のために尽くせ・・・。」

系図(遠方の子供たち)

歯黒・芹彦・タケ「かしこまりもうした!」×3

笹福「ところで、鶯王はどうした? 細(ほそ)も『ふぅ』も見当たらぬが・・・。」

ユミ「お・・・大王?」

笹福「別れというに・・・何をしておるのじゃ・・・。」

朝妻「うう・・・大王・・・(´;ω;`)ウッ…。」

笹福「おお・・・『ふぅ』・・・如何(いかが)致しておった? なに? 鶯王の兄上に連れられて、たたら場に行っておったのか?」

芹彦「ち・・・父上は、何を言っておるのじゃ?」

ユミ「大王は、昔のことを思い出してるのよ・・・(´;ω;`)ウッ…。」

笹福「細・・・鶯王が、おるとは申せ、まだ『ふぅ』は幼いのじゃぞ?」

歯黒「ち・・・父上・・・(´;ω;`)ウッ…。」

笹福「なに? 次は、父も一緒に来いと? 牛鬼(ぎゅうき)のすごい技を見よと?」

タケ「父上は・・・あの頃に・・・(´;ω;`)ウッ…。」

笹福「そうか、そうか・・・。『ふぅ』は、牛鬼が大好きなのか・・・。」

牛鬼「ふ・・・ふぅさま・・・。大王・・・。あ・・・兄貴ぃぃ・・・(´;ω;`)ウッ…。」

朝妻「皇子(みこ)! (´;ω;`)!」

笹福「そうじゃのう・・・父も・・・共に・・・ガクッ。」

一同「大王ぃぃぃ!!!」×多数

この日、第七代天皇、孝霊天皇が崩御(ほうぎょ)した。

伯伎、稲葉、隠伎の事業は、地元の者たちに委ねられることとなり、歯黒たち皇子を含め、ヤマトの一行は帰還することとなったのであった。
 
次回より、第八代天皇、孝元天皇(こうげんてんのう)の御世となる。

つづく

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