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JW274 坂の下の社
【疫病混乱編】エピソード26 坂の下の社
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前90年、皇紀571年(崇神天皇8)12月となった。
ここは三輪山(みわやま)の麓、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)。
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崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)は、ある人物を呼び出していた。
物部大母隅(もののべ・の・おおもろすみ)(以下、ロス)である。
しかしここで、大臣(おおおみ)の物部伊香色雄(もののべ・の・いかがしこお)(以下、ガーシー)が過敏に反応した。
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ガーシー「唐突に登場させ過ぎやでっ! ちゃんと説明せんと、あかんでしょ!?」
ミマキ「説明? 汝(いまし)の孫であることくらい、よく知っておるぞ?」
ガーシー「大王(おおきみ)は、御存知かもしれへんけど、読者のみなさんは、知らへんでしょ!?」
ミマキ「た・・・確かに・・・。では『ロス』よ。名を名乗るが良い。」
ロス「は・・・はい。わてが、大臣の孫の『ロス』ですぅ。よろしゅう頼んますぅ。」
ミマキ「うむ。して・・・。」
ガーシー「ちょっと! 誰の息子かも説明せんと、あかんでしょ!?」
ミマキ「本題に入れぬではないか・・・。」
ガーシー「こういうのは順序が大切なんやで・・・。ちなみに『ロス』は、わての息子の大新河(おおにいかわ)こと『ニック』の子供やで。」
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ミマキ「うむ。して、その『ロス』に頼みたき儀が有る。」
ロス「な・・・何でしょうか?」
ミマキ「汝(いまし)を茅渟(ちぬ)の石津原(いしづはら)に遣(つか)わすっ。」
ガーシー「ど・・・どういうことですの?」
ミマキ「神社創建を命じる。祭神は、素戔嗚命(すさのお・のみこと)じゃ。」
ロス「そ・・・それが、方違神社(ほうちがいじんじゃ)になるんやね?」
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ミマキ「その通りじゃ。」
ガーシー「ほんで、茅渟の石津原って、二千年後の何処(どこ)になりますの?」
ロス「じいちゃん? 知らへんの? 大阪府堺市(さかいし)の堺区北三国ヶ丘町(さかいく・きたみくにがおかちょう)やで。」
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ガーシー「おお! 可愛い孫よ! よう知ってたなぁぁ((´∀`))」
ミマキ「して、12月29日には完成させよ!」
ロス「えっ? 納期が有るんでっか?」
ガーシー「そんなぁぁ(*´Д`)。あんまりやでぇ。」
ミマキ「仕方がないではないか・・・。その日に、素戔嗚命を祀(まつ)らせたと書かれておるのじゃ。こればかりは、変えること能(あた)わぬ。」
ロス「と・・・とにかく、大王の勅願(ちょくがん)で創建されたという、方違神社(ほうちがいじんじゃ)のこと、わてに任せてくださいっ!」
ミマキ「よくぞ申した。しっかり頼むぞ!」
こうして、方違神社が年末に創建されたのであった。
そして、年が明け、紀元前89年、皇紀572年(崇神天皇9)となった。
そんな3月15日のこと。
ミマキは、ある夢を見た。
夢の中に現れたのは、ある神様であった。
ある神様「ミマキ・・・。ミマキよ・・・。」
ミマキ「こ・・・ここは? 夢の中? ど・・・どなた様にござりまするか?」
ある神様「分からぬ。」
ミマキ「わ・・・分からぬ?」
ある神様「そういうわけで、わらわということにしたぞ。そう! 天照大神(あまてらすおおみかみ)じゃ。喜べっ。」
ミマキ「こ・・・困った時の『アマ様』にござりまするか?」
アマ「そんなことは、どうでも良い! それより、赤盾八枚(あかたて・はちまい)、赤矛八竿(あかほこ・はちさお)をもって、墨坂神(すみさかのかみ)を祀るのじゃ。」
ミマキ「す・・・墨坂?」
アマ「エピソード43で、紹介されておるぞ。二千年後の西峠(にしとうげ)と言われておる。」
ミマキ「御初代様が東征(とうせい)された折、八十梟帥(やそたける)が、道を塞(ふさ)いだ坂にござりまするな?」
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アマ「その通りじゃ。それから、黒盾八枚(くろたて・はちまい)、黒矛八竿(くろほこ・はちさお)をもって、大坂神(おおさかのかみ)を祀るのじゃ。良いな!」
こうして、夢から覚めたミマキは、早速、二柱(ふたはしら)の神を祀るため、神社を創建した。
4月16日のことである。
ガーシー「そういうわけで、墨坂(すみさか)には、墨坂神社(すみさかじんじゃ)が創建されたで! 奈良県宇陀市(うだし)の榛原萩原(はいばらはぎはら)に鎮座(ちんざ)してるで!」
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ミマキ「うむ。赤く塗った盾と矛を祀った方じゃ。エピソード43でも紹介されておるぞ。」
ロス「ほんで、大坂には、大坂山口神社(おおさかやまぐちじんじゃ)が創建されたで!」
ミマキ「うむ。黒く塗った盾と矛を祀った方じゃ。」
ガーシー「二千年後の何処(どこ)に鎮座されてますの?」
ロス「二つの説が有るんやで。一つは、奈良県香芝市逢坂(かしばし・おうさか)やで。」
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ミマキ「もう一つは、同じ香芝市の穴虫(あなむし)じゃ。」
ロス「諸説有り・・・ということで、ロマンやねぇ。」
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こうして、二つの坂に神社が創建されたのであるが、このことに衝撃を受ける人物がいた。
ミマキの叔父、武埴安彦(たけはにやすひこ)(以下、安彦)である。
傍らには、妻の吾田媛(あたひめ)もいる。
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吾田媛「あなた! 大王が、夜麻登(やまと)の国境(くにざかい)に神社を建てたそうよ。」
安彦「二つの坂は、中つ国の境・・・。僕の母の実家、川内(かわち)にも神社を建てたそうですし・・・。もしかして、ミマキは・・・。」
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吾田媛「取り止めた方が、よろしいのではなくって? あなた・・・。どうなさるの?」
安彦「慎重に行かねばなりませんね。動くのは禁物です。きっと分かってくれるでしょう。」
二人の会話が意味するモノとは・・・。
次回につづく
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