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JW192 荒仁を討て
【孝霊天皇編】エピソード47 荒仁を討て
第七代天皇、孝霊天皇(こうれいてんのう)の御世。
鬼林山(きりんざん)の鬼も平定し、伯伎国(ほうき・のくに)に平和が戻った。
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安心したのか、孝霊天皇こと、大日本根子彦太瓊尊(おおやまとねこひこふとに・のみこと)(以下、笹福(ささふく))は、伊弉冉神(いざなみ・のかみ)が葬られた陵(みささぎ)を参拝。
そんな頃の出来事である。
笹福の元に、ある住人がやって来た。
住人の名は、ジョンとヨーコにしたいと思う。
ジョン「やあ! 俺はエリック!」
笹福「ん? ジョンではないのか?」
ジョン「ははは((´∀`))。今のは、冗談さ。」
ヨーコ「私はヨーコ! よろしくね!」
笹福「そ・・・そうか・・・。それで、何用(なによう)で参ったのじゃ?」
ジョン「まず言っておかなきゃならないことがある。俺とヨーコは、伯伎じゃなくて、吉備(きび)の住人だ。」
笹福「吉備?」
ジョン「まあ、千年後の言い方をすれば、備中国(びっちゅう・のくに)だな。ついでに言うと、二千年後は岡山県だ。」
笹福「そうか・・・。遥々(はるばる)、山を越えて来たというわけか・・・。」
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ジョン「なぜ、そこまでしてやって来たのか・・・。もう分かるだろ?」
ヨーコ「私たち、平和に暮らしてたの。そこに、変な鬼がやって来て・・・。」
ジョン「俺たちの暮らしは、目茶苦茶にされたってわけさ・・・。本当に勘弁してほしいね。」
笹福「退治(たいじ)てくれと申すのじゃな?」
ジョン「ああ、その通りだ。鬼の名は、石蟹魁師荒仁(いわかにたける・こうじん)だ。訓読みで『あらひと』かもしれないが、作者も分からないんだから、音読みが妥当だろ?」
ヨーコ「愛称は、私が決めさせてもらったわ。『イワジン』にしたんだけど、どう?」
笹福「名の読み方はともかく、すみやかに討たねばならぬのう。」
ヨーコ「あと、もう一つ、伝えなきゃならないことが有るんだけど・・・。」
笹福「何じゃ?」
ヨーコ「イワジンの奴、大王(おおきみ)を襲うつもりみたい・・・。」
笹福「何?! それはまことか!?」
ここで、笹福の皇子、彦狭島(ひこさしま)(以下、歯黒)が口を挟んだ。
歯黒「大王! 此度(こたび)の鎮定(ちんてい)は、わっちにお任せあれ! 大王は、ふいの来襲に備え、守りを固めておいてくださりませ。」
笹福「良かろう。では、歯黒よ。気を引き締めて参れっ!」
歯黒「御意!」
このやり取りを見て、あの皇子が叫んだ。
彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)こと芹彦(せりひこ)である。
芹彦「それがしとタケも参りまするぞ!」
タケ「なっ!? また、私を巻き込むのかっ!?」
笹福「芹彦よ・・・。歯黒一人で充分と思うが・・・。」
芹彦「されど、伝承を見ると、鎮定に赴いたのは『吉備津彦(きびつひこ)』となっておるのですぞ! 桃太郎である、それがしとタケが赴かねば、辻褄(つじつま)が合いませぬっ!」
鶯王「またまた、ネタバレか・・・。吉備津彦の名は、もう少し先のことじゃ。それに、吉備津彦と申すは『吉備の男』という意で、別に、汝(いまし)だけのものではないのじゃぞ?」
芹彦「兄上は分かっておられぬっ! 後世においては、それがしとタケを指す言の葉にござるぞ! 付いて行かねば、気が収まりませぬっ!」
笹福「分かった、分かった・・・。下手に伝承に絡(から)まぬと誓うのなら、許そうぞ。」
芹彦「ははっ! ありがたき幸せっ!」
歯黒「で・・・では、芹彦とタケを連れて参りまする。」
タケ「兄者? 私もですか?」
歯黒「成り行きじゃ。わっちに付き合えっ!」
タケ「しょ・・・承知致しもうした。」
ジョン「まあ、いいんじゃないか? 多い方が賑やかだしな・・・。」
鶯王「では、わ(私)たちは、敵の来襲に備え、関(せき)を設けまする。」
笹福「関?」
鶯王「はっ。鳥取県日南町霞(にちなんちょう・かすみ)に関を設け、敵が攻め来たりなば、これを迎え討ちまする。」
笹福「相分(あいわ)かった。そのように致せ。」
鶯王「御意!」
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こうして、石蟹魁師荒仁(いわかにたける・こうじん)こと「イワジン」対策が早急におこなわれたのであった。
そして、歯黒たちは、吉備に向かい、紙面の都合で「イワジン」との遭遇を果たした。
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イワジン「紙面の都合で出てやったんだ。感謝しろよ。だが、そう簡単には倒せないぜ。」
歯黒「手間が省(はぶけ)けた! 謝(しゃ)し奉(たてまつ)らん!」
芹彦「おのれ! それがしの吉備で、何をしてくれておるのじゃ!」
タケ「いつから、汝(いまし)のモノになったのじゃ?!」
ジョン「いいから、さっさとやれよ!」
ヨーコ「ジョンを含めて『ビートルズ』って、どう? ちょうど四人だし!」
歯黒「ビートルズでも、ズートルビでも、何でも良い! 喰らえっ! 正義の剣!」
イワジン「なっ!? 本当に・・・簡単に・・・グフッ。」
ジョンとヨーコ「やったぁぁ!!」×2
歯黒「これを記念して、ジョンとヨーコの邑(むら)は、これより『伊波加爾(いわかに)』と称せよ!」
ジョンとヨーコ「二千年後の岡山県新見市石蟹(にいみし・いわかに)のこと(だぜ)(よ)!」×2
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こうして、歯黒たちは、吉備の鬼を退治したのであった。
つづく
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