「個室に入ってこないでください!!」(エッセイ)
いつものように、店のトイレに駆け込んだ。
そこは中規模の商業施設で、フロアごとにトイレが入っていた。腹を押さえた僕は、目の端っこで、見慣れぬものを捉えた。
それは、トイレの入り口に設けられた、「各階の個室の空き状況」のモニターだ。ぴかぴかの画面には、それぞれのトイレの個室の占有状況が表示されている。例えば、僕がまさに入ろうとしている目の前のトイレは「1/2」と書かれている。つまり個室がまだひとつ、空いているのだ。
些細なことでお腹を壊す僕のような人間にとって、都会のトイレが