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【短歌】Keepメモ


1.インターネット

かなしみを
自分の言葉で 語ること
できるあなたは しあわせ者さ

2.連歌

息が切れ
最後に残った 灯火は
短歌くらいに 小さくて

文字すらも
切って捨ててる 毎日じゃ
誰の言葉も 理解できない

小説も
読めなくなった この夜に
ぽかんとひらく 心の出窓

出し抜けに
入り込んでた 若いきみ
僕の布団で つめたい寝息

夜の床
テーブルに落ちる 月の波
ぬるいコーヒー 胃はまるで石

時刻む
音だけ届く もう深夜
手持ち無沙汰で 一日消える

文字だけが
気持ちに場所を くれるなら
僕は払うよ どんな対価も

ひとりごと
閉じたエコーが 耳の穴
聞こえる声は ただ僕のもの

寒い部屋
朝がくるまで きみが寝る
鍵を回して 僕は出て行く

夜の街
影がそこらで 座り泣く
声かけ向かう 東のほうへ

青い野で
僕に似た顔 した影と
あつい日の出に 身をねじ溶かす

影はふと
白い指折り 数え出す
なにしてんだい? なんでもないよ

ぼくらただ
朝の野原の 露と靄
空に馴染んだ 言葉のように

3.執筆環境

土曜日の
電車の空きが 目立つのは
きみがパジャマを 着たままだから

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