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好きな一冊:灯台へ

今回の好きな一冊は、ヴァージニア・ウルフの“灯台へ”です。

ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf、1882年1月25日 - 1941年3月28日))はイギリスの小説家です。彼女の紡ぎ出す言葉たちは、私たちが感じながら次の瞬間には言葉にもならないまま取り零している記憶たちを、美しい言葉で紐解いて並べてくれる稀有な作家です。

感想

その時その時に、ふと浮かんだ思いすら言葉に留め、時間軸を行ったり来たりしながら物語に反映していく手法がとても心地が良いです。

物語の人物の内側から、世界を眺めているかの様で、とても親しみが湧いてくるのです。
灯台へ、主人公の夫と末息子が船で行こうとする話なのですが、時間はゆっくりと過ぎ、何も起こらないようで急に暗転し、前半と後半で急に雰囲気が変わってゆきます。その話の構造が、伊坂幸太郎さんの“AX”を読んでいたらそっくりな事に気付き、おぉ!!!とひとり感動した覚えがあります(後々読んだ、別の本の後書きにそうだと書いてあったような…うろ覚えです)。なので、誠に勝手ながら、伊坂幸太郎さんの“AX”はヴァージニア・ウルフの“灯台へ”とセット扱いです。

灯台へ、の魅力はひとえに静けさでしょうか。
ヴァージニア・ウルフの俯瞰した冷静な眼差しは、周りの風景も心情も余さず捉え、読むたびに暖かく心身に染み渡ってゆくなぁ、と感じます。
美味しい“しじみのお味噌汁”のような感じです。
“ダロウェイ夫人”や短編も好きです。
まだ読んでいない作品もたくさんあるので、彼女の世界に入り込む時間が楽しみです。

▪️詳しいあらすじなどはこちらで

この本との出会いが、言葉の魅力や言葉にならなかった感覚の美しさに触れるきっかけになったらとても嬉しいです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!とっても嬉しいです!

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