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さよなら私のクレカinベトナム (タイ・ベトナムほぼ女ひとり旅行記vol.8〜ダナン・ホイアン1日目〜)

これはタイとベトナムを12日間弾丸ほぼ女ひとりで旅した記録です。
⚠️この日は濃密な1日につき非常に長文となっております。



ベトナム到着早々事件勃発


タイで過ごした濃密な6日間に思いを馳せ、
チェンマイ国際空港を後にして向かった先は
ベトナムの中部、ダナン国際空港。

まずはベトナムの古都、ホイアンで2泊、
次にベトナムのリゾート、ダナンで1泊、
そのあと南部のホーチミンへまた移動する予定だ。

タイで海外旅行に慣れきった(つもりでいる)わたしは、
 「WELCOME TO VIET NAM」の文字に微笑をたたえながら、
意気揚々とベトナムへ足を踏み入れた。

ホテルはいつも3000円台で済ませていたけれど
今日はベトナム初日、そして滞在は美しい古都ホイアン。
少し奮発して良いホテルを予約してみた。
どうやら近くのビーチまで送迎バスも出ているらしい。

リゾートな気分で期待に胸が高鳴りながら、
まずはベトナムのドンを手に入れようとATMを探す。
少なめに持ってきた現金の手持ちはあまり使いたくないので、
クレジットカードの海外キャッシングをはじめて利用してみることに。

事前にネットで調べていた情報では街中の古いATMはクレカが出てこなかったり、こわいことがあったりなかったりらしいとのことだったので、
わたしは空港に並ぶATMの中でも比較的綺麗なATMを選び、
念には念を入れ、先人たちのブログにのっている手順も一応見ながら、操作をスタートした。

問題なく「accept(受理)」の文字が表示され、利用明細のレシートが出てきた。
あとは現金とクレカが出てくればOK、
なんだ簡単じゃーん、
と待っていると、

出てこない。

待てども待てども現金も私のクレカも出てこない…。
そしてついに何も出てこぬままATMはまるで何事もなかったようにはじめの画面に戻ってしまった。

え…???
acceptって言ったよね?幻??
いやでもわたしの左手にはしっかりと取引の金額も詳細も印字されたレシートが握られている。

おおいに混乱しながらも、今すぐどうにかせねばせっかく楽しみにしていた贅沢ホテル滞在時間が少なくなる!というドケチ精神でなんとか鼓動を静かにさせ、助けてくれそうな空港の職員を探す。

すでに空港の建物の外へ出ていた私は入り口を見張っている制服を着た警官?のお兄さんへ英語で説明するも全く通じない。
そう、ここはベトナム。
タイはあんなに通じた英語がなかなか通じない。

みたところ近くに空港職員もいなさそうだしどうしよう…と問題のATMの近くにとぼとぼ戻ると、
大学生くらいの素朴で優しそうな女の子発見。
英語が通じるかも!と話しかけると
お互いカタコトでなんとか通じた。

彼女はATMの説明書きを見てくれたり、ネットで調べたりしてくれたけれど
「わからない…」と。
一緒に先ほどの空港の職員のもとへ行って話してくれるも、
どうやら銀行のATMは空港の管轄外で、銀行に問い合わせるしか方法がないそう。
わたしのベトナムSIMは通話の機能はないので、
彼女がATMに書かれている銀行のホットラインへかけてくれた。
しかしこれも時間外らしく(真っ昼間になぜ)つながらない…。

残る方法は実際に街中にあるこの銀行へ行くしかないとのことで、
彼女が明細のレシートに住所を書いてくれた。
「頑張って!私は用事があるから行くね」
と、汗だくになりながら一緒に奔走してくれた心優しい彼女は、足早に去っていった。

ドンもないし、こういうときのお礼用にと持ってきた抹茶のキットカットはどろどろに溶けていて、何もお返しできなかったのが悔しかった。
次はベトナムとタイの暑さにも耐えられる日本の美味しいお菓子、もしくは日本らしいかわいいシールとか、
何かの時の心のお礼を荷物に忍ばせておこう。

とりあえずなけなしの日本円をドンへ換金した。
そして、女の子に書いてもらった銀行の住所をタクシーの運ちゃんへみせ、
わたしのクレカを吸い込んだATMをひとまず離れダナンの街の銀行へ。

銀行へ行くと流石銀行員。
英語も喋れるし、なんなら謎の節のきいたカタコトの日本語も話せる。
京都に留学経験のある彼の話によると、
最後に押すべき「クレジットカードを返しますか?」的なところを押さなかったからATMが不審と判断してクレカをのみこんだらしい。
果たして自分のクレカを返さないで欲しい人がこの世にいるのだろうか…。

「明日またパスポートを持ってきてくれれば返せるよ」とお兄さん。
ひとまず安心したわたしはお礼を言い、
「ありがとごじぇました〜」という愉快な彼の笑顔に見送られて銀行を後にした。


アオザイを着た天使


なんとかトラブルを乗り切った?わたしはダナンからホイアンの宿泊するホテルへタクシーで向かった。
ダナンからホイアンへは車で1時間ほど。
海が見えるかと思っていたけれど道は内陸側でまだ海は見えてこない。
急にやってきたドタバタトラブルの回想に思考が支配され、
気がついたらホテルの前。

このホテル、すごい。


ボーイさんがお出迎えしてくれ、荷物を運んでくれる。
美しい緑のカーテンを抜けると大きなプールが…。

「ホイアン リバータウンホテル」 10,000円/泊くらい

フロントへ行くと色鮮やかな光沢のある水色のアオザイがよく似合う美しい女性が、
「よくお越しくださいました」とこれまた素敵な笑顔を向けてくれる。

爽やかなすいかのウェルカムドリンクとよく冷えたフルーツが汗ばんだ身体に心地よくしみこんでいく。

ホテルに到着してからあっという間に心地よいサービスに包まれたわたしは事の顛末を思わず、担当してくださったアオザイのよく似合うお姉さんに話してしまった。
「それは、ほんとうに大変でしたね…。どうかゆっくりくつろいでくださいね。」
わたしの不幸に寄り添いながら完璧な労いの言葉をかけてくれた。

キャッシングがどうなったか、それは先ほどの銀行ではわからず日本のクレカ会社に問い合わせる必要があるのと、
やはりクレジットカードが手元を離れてしまったので、
念の為クレカ会社の紛失盗難窓口へ電話したほうが良いだろうと、国際電話のできる携帯も貸してくれた。
至れり尽くせりの中電話すると、やはり銀行といえども、自身の手を離れてしまった場合はクレジットカードを停止したほうがいいと言う事で停止することに。

他にキャッシングのできるクレジットカードが一枚。(キャッシングは怖くてもうできそうにない)
予備のクレカがもう一枚。
あとは現金が数万円。

メインで使っていたクレカが消えたのは辛かったけれど、
予備のクレカを持ってきていて良かった。
なんとかなったなあ。

ほっと一息する中、
今日泊まる部屋へと案内される。
アオザイのお姉さんは歩き姿も凛としていて美しい。
英語も堪能で、同僚になにか指示を伝える真剣な眼差しからは確かな知性が感じられて、思わず憧れてしまう。
英語、もっと話せるようになりたいなあ。

部屋からはトゥボン川が見渡せるリバービューで、申し分ない広さ、清潔さ、快適さだった。
ここにもウエルカムフルーツが。

ひとりには勿体無いくらいのお部屋
部屋からの景色
ライチのようでおいしい、竜眼?だろうか…
青いのはリンゴのような食感と味、なんていうのか調べても未だ不明
バナナはバナナだった

バルコニーへ出て、トゥボン川を眺めながらフルーツを食べる。
ベトナムへ入国してから怒涛のようにあった出来事と、
素敵なホテルとそのスタッフさんの対応を思い出して、
ひとまず深呼吸。

やっと頭の中が整理されてきた。
予備のクレカもあるし、キャッシングした現金だって1万円もいかないくらいだったのに出てこないだけで大慌てしてしまった。
こんなに焦る必要なかったな、と。
でも、空港で助けてくれた女の子や銀行の愉快なお兄さん、
労ってくれたホテルのお姉さん、
ベトナム人の温かさに出会えたできごとだった。

あと教訓も得ることができた。

  • 海外ATMでキャッシングするときはトラブルの可能性も踏まえて、銀行併設のものを使うこと。

  • 不安なときはブログなどで操作手順が確実に確認できるATMで、ひとつひとつチェックしながら操作を進めること。

  • 現金の大金持ち歩きが怖くてキャッシングをあてにするなら、予備のキャッシング可能なクレカも持っていくこと。

  • 抹茶のキットカットは溶けるのでお礼用に不向き。

教訓はありがたく受け取って、今はただ、この素敵なホテルとホイアンという街を堪能しよう。


THE リゾートビーチで過ごす午後


このホイアンリバータウンホテルからは1日に3回、ビーチまでの送迎がある。
ちょうど最後の便(15:15発)がもう直ぐ出発する頃だ。
部屋のまったり時間を早々に切り上げ、ビーチへ行く準備を始める。

ビーチに行く時に使ってね、とういうなんとも親切な青と白の可愛いカゴバッグに荷物を詰める。
どうやら乗客はわたしだけみたい。
どこか懐かしい田舎町を運転手の兄さんとドライブし、ついた。

リゾートという言葉がぴったりの美しい海
ほんとうはじゃぶじゃぶ泳ぎたかった
それぞれの時間をのんびり気ままに過ごしていて良かった

浜辺には休めるシートがたくさん並んでいる。
バカンスを楽しむ観光客が、
のんびりと本を読んだり、午睡をしたり、
時間に追われず思い思いに羽を伸ばす様子がとても良かった。

わたしもここぞとばかりに本を読んだり、日記を書いたり。
こんなところにいるとついさっきまでのドタバタ劇が嘘のよう。

写真を撮っているということは大して読み進められていないということ
写真を撮っているということは大して書き進められていないということ
おいしかったガーリックシュリンプ

カフェの店員さんの女の子がとても若くて、中学生かしら…と思って見つめていたら、
彼女が海辺の方でなにやら見つけてくすりと笑っていた。
なんだかその光景がとても身近に感じて嬉しくなる。

帰り際、カフェの他の店員のおばちゃんが
「あなた結婚はしてるの?」と。
していない、と答えると、
隣にいた妙齢のお兄さんを指差し、
「彼なんてどう?He has big banana! HAHAHA!」
と。
下ネタはどうやら世界共通みたいだ。


何もかもが観光にちょうど良いホイアン


そんなこんなで?あっという間に帰りのバスが来た。
もう少しゆっくりいたかったけれど、
暗くなる前にホイアンの街も散策しておきたい。
旅は後ろ髪を引かれるくらいがちょうどいいこともだんだんわかってきたので、潔く帰りのバスへ。

部屋へ戻り、ひとやすみしてからいざ散策へ。
ホテルの貸し出している自転車を借りて街へ繰り出す。

タイを沖縄の那覇とするなら、
ここホイアンは奄美大島とか、石垣島とか
そういう穏やかな感じだなあと思いながら街を練り歩く。

赤いブーゲンビリアの花と黄土色の建物が綺麗。
街はそれほど大きくなく、
素敵な工芸品を売るお土産屋さんやおしゃれなカフェ、
地元民が行くような雑多な食堂まで立ち並んでいる。

ここは観光になんてちょうど良いんだろう、と思うのは
今日はちょっと良いホテルに泊まって、さらにビーチまで行っちゃったからかもしれない。

だんだんと日が暮れ街に明かりが灯りはじめると、
その感覚は間違っていなかったことに気が付く。

色とりどりの美しいランタンたちが夜のホイアンの街を照らし、
川には灯籠を乗せたたくさんの船が、ゆらゆらと漂っていた。

思わず「うわあ…」と感嘆の声が漏れる美しさ。
強引な客引きのおばちゃんさえも、もはやエンターテイメント。
この街は夜も魅せてくれるのね。

昼にあったことなんか忘れてすっかりこの街を堪能する。
お土産屋さんを冷やかしながら歩いていると、
可愛い刺繍の小物入れが。
覗くお店覗くお店、お土産がかわいくて全然進まない…。
小物入れを友達のお土産にしようと漁っていると
「この色も可愛いよね」と、
お店の女の子が一緒に選んでくれた。

一緒に物を選んだりするとなんだか仲良くなったりするのが女子の性。
彼女は25歳で、もう6歳になる子供がいるらしい。
笑顔がチャーミングでいっこおまけをしてくれた。

ホイアンのお土産はかわいいものがたくさん

インスタを教えてと言われたけれど、残念ながらやっていない…。
facebookも登録だけして化石化していたのでログインできず。
そのあと彼女と連絡は取れなかったけれど、
こういう旅ならではの出会いと別れもまた醍醐味のひとつ。
一緒に選んだり話した時間はとても楽しかったので記憶として大切にしまっておこう。


夜のプールは危険


良い買い物ができてほくほくでホテルに帰ると、
ホテルも幻想的にライトアップされていた。

ホテルのガーデンレストラン。ここでビール飲みたかった。
気持ちよさそうに泳いでいる人たち

夜のライトアップされたプールなんて映画でしか見たことない…。
これは泳がない手はない、と急いで着替えに向かった。

ひとりなので調子乗って自撮りもしちゃう

自撮りまでして、完全に浮かれている。
なんせ今日は、
クレカをATMに飲み込まれるトラブルを乗り越え、
透き通る青い海と白い砂浜で本を読み、
夜にはランタンの灯る美しい街を眺め歩いてきたんですもの。
完全に観光のモードに入ったわたしは、もはや誰もいない夜のプールへと飛び込んだ。

気持ち良い〜!
じっとりと湿度が高く蒸し暑い雨季のベトナム、
実はずっと泳ぎたかったんですと、水を得た魚のようにすいすい泳ぐ。

少し泳ぎ疲れ真ん中のあたりで立とうとすると、

足がつかない。

プールの端の方と違ってめちゃくちゃ深くなっている真ん中。
泳げないわけではないのに急に怖くなってくる。
一度怖くなってくると、ライトが当たっていない部分のプールの暗い底さえも恐ろしく、私史上近年稀に見る爆泳ぎで岸へと向かった。

ちょうどわたしが無事プールの淵へたどり着いたところにボーイさんが通りかかり、わたしの粗悪な爆泳ぎをみていたのであろう、
「浮き輪とかスイミンググッズつかいますか?」と親切に声をかけてくれる。
恥ずかしい。
とても恥ずかしかった。

丁寧にお断りして部屋へ戻る。

ほんとうに今日は24時間だったろうか…と思うほど濃密な1日だった。
シャワーを浴びて、ベッドへ入ると、
今日の出来事に思いをめぐらす時間など寸分の隙も与えられず、
泥のように眠りについた。


タイ・ベトナムほぼ女ひとり旅行記、次回は🇻🇳ベトナム2日目ホイアン満喫編!→



とてつもなく長い文章を最後まで読んでくださった奇特なあなた、
ほんとうにありがとうございます。嬉しいです。
きっと良いことがありますように。

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