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参議院選挙を中学校の教室レベルに置き換えて理解する。

参議院選挙だ。もうすぐだ。
みなさん、参院選、理解してますか?
私は全くしてません。なので、

この記事は、間近に迫った参議院選挙の「そもそも」を理解するためのものとして書きました。

「結局参議院選挙って何を選ぶんだっけ?」ということを理解するために、”ある架空の中学校”を舞台にして、解説してみようと思うのです。

これを読めば、
少しだけ参議院選挙を理解できるかもしれない。

「小選挙区?比例代表?」

「衆議院と参議院って何が違うの?」

「そもそもなんで参院選があるの!?」 

みたいな皆さんにこの記事はおススメだ。


架空の中学校として
「私立ジャパン中学校」を設定しよう。
細かな数字や表現は実際のものとは少し異なるが、イメージで捉えていただくことを優先して書く。それではいこう。れっつ参院選。


●ジャパン中学校の概略

ジャパン中学校の校訓は、
みんなで話し合って、喧嘩せず、いい感じで学業に励みましょう。近隣ほかの中学校とも仲良くするために暴力だけは絶対NG。である。

校歌は「チミガオ」という歌で、
とても短いのに歌いづらいらしい。

ジャパン中学校は割と生徒が多い。
全校生徒が600人もいるらしい。
1年生200人、2年生200人、3年生200人で構成されている、創立約150年の歴史のある学校だ。
※人口動態はめんどくさいので無視


●部活動=政党

部活は、8つの部活動があり、それぞれ


1.野球部

2.サッカー部

3.テニス部

4.空手部

5.バスケットボール部

6.茶道部

7.演劇部

8.放送部

0.帰宅部

が元気に日々活動しており、所属人数はマチマチだが、帰宅部が圧倒的に多い。

一時は、野球部とサッカー部の二大巨頭でバチバチやっていたが、そこはやはり野球部。歴史は深く、長年野球部が人気No.1だ。一瞬だけサッカー部に人気No.1の座を奪われることもあったらしい。

近年、野球部はキャプテンを誰にするか、などで揉める時期もあったが、最近は安定的な部活動の成績を納めている。

前任のキャプテンの「セガ君」は、
生徒会長も務めており、その在任時は


・必要な生徒の教科書購入代の補助

・ジャパン中学校の専用携帯電話の料金見直し

・文化祭に他校の生徒が沢山来きて、盛り上がれるような制度改革

・地元地域での水ぼうそうの予防接種枠の優先的確保

などを断行した非常に有能な生徒会長であったらしい。しかし本人は、あまり感情を表に出すタイプではなかったので、生徒からの人気は少なかったらしいが。

また、数年前に学校の認可を得て結成された放送部だが、少人数ながら、勢いがあるようだ。
部長の「タチグサ君」はよく「校内放送をぶっつぶーす」と口にしていて、生徒の理解を得られていないようなきらいがあるが、長期目線で物事を見ているらしい。

●充実の教師陣=皇室

ジャパン中学校には校長先生を筆頭とする各教師陣が在籍しているが、学校のことに特に口出しするわけではない。代わりに周辺のコレアン中学校や、チェイナン中学校とのやりとりや、たまに来る地元の元締め、メリケン中学校からの来賓の先生たちをおもてなししてくれている。最近ではメリケン中のデンバイ校長をもてなしてくれたらしい。

ジャパン中学校の校長先生は特に偉くて、いつも生徒たちが、平和で喧嘩をすることなく勉強に集中できるように、と神様に祈ってくれる優しい存在で、全校生徒の尊敬を集めている、らしい。


●学校運営の中心「生徒会」=国会

ジャパン中学校の運営の中心は、各生徒から選ばれる生徒会だ。生徒会は、8つそれぞれの部活の中から選ばれたメンバーで構成され、大きく2つの組織からなる。

1.陽キャ委員会

2.陰キャ委員会


この2つの委員会で構成されている。
(※陽キャ委員会=衆議院)
(※陰キャ委員会=参議院)

生徒会は毎月、各部活動から選ばれたメンバーによる話し合いで、喧々諤々、以下のことを議論している。

・各部活への予算のわりふり

・生徒の課外活動のチェック

・在籍生徒のテストの点数管理

・学力で劣る生徒の保護、観察、指導

・周辺中学校との抗争時にケンカチームを組織すべきか

・最近減ってきた入学希望者をどうやって増やすか

などなど、問題は山積みで、いつも結論が出るようで出ない、そんな涙ぐましい努力をしている。


現在、生徒会陰キャ委員会は、構成メンバーを決めるための選挙を控えている。この選挙は1年半に1回開かれる。


ここからは、ジャパン中学校の生徒会陰キャ委員会のメンバーが、どのように選ばれるかを紹介する。 

●そもそもなぜ生徒会は2つからなる? 

なぜ生徒会が陽キャ委員会と陰キャ委員会に分かれているかといえば、スクールカーストに関わらず、多様な生徒の意見を取り入れるためだ。

陽キャだけの意見で学校の運営を決めてしまうと、陰キャがツラい。陽キャは時々暴走しがちなので、暴走にブレーキをかけてあげる必要がある。だから便宜上、生徒会は2つの組織からなるが、近年では「陰キャ委員会いらなくね?」なんて言われることもあるようだ。

●陰キャ委員会の選挙は1年半に1回

陽キャ委員会のメンバーの任期は1年と、陰キャ委員会のメンバーよりも短い。陽キャは暴走しちゃうから短くしているのだ。陰キャ委員会はソコソコでいいや、って感じなので、基本的に任期は3年なのだが、それだと中学は3年間なので、全生徒の意見が反映されづらい。なので色んな意見を聞くために、陰キャ委員会は一年半毎に、半分ずつメンバーの入れ替えを行う。
(※参議院の任期は6年)
(※3年に1回、半分を入れ替え)

●陰キャ委員会の選び方 その1

「各クラスでの人気投票」(小選挙区制)

ジャパン中学校はひと学年が5クラスある。
学校全部で5×3=15クラスあり、ひとクラスに40人の生徒が在籍している。

各クラスのほとんどの生徒は帰宅部なのだが、先に述べた8つの部活動に所属するメンバーのうち、何人かが陰キャ委員会の人間だ。彼らの特徴は「少し陰キャ」であることだ。

「陰キャでもいいから陰キャ委員会に入りたい、生徒会に行きたい」と立候補する各部のメンバーへの人気投票で、1位になった1人だけが当選する、という非常にシンプルな形式だ。これはわかりやすい。

●陰キャ委員会の選び方 その2

「部活の人気投票」(比例代表制)

もう一つの選び方は、部活の人気投票だ。
これもまたシンプルで、「8つの部活のうち、あなたはどれが好きですか?」という質問に、一個だけ選ぶことが出来るという形式だ。「茶道部がおしとやかで好き」な人は茶道部、と書けば良い。

8つの部活の人気投票から、各生徒の支持を集めた割合によって、陰キャ委員会での各部活が占める割合が決まる。そこには複雑な計算もあるのだが、要は人気の割合で席の数が変わる、というイメージを持ってもらえればいい。

ただ、この各部活の人気投票には問題点がある。
各クラスの人気投票で票を集められず落選した生徒を、返り咲きで当選させることができてしまうのだ。

たとえば、クラスの人気投票で、演劇部の1年3組、ムロ君が惜しくも2位、落選してしまったとする。このままではムロ君は陰キャ委員会に入ることはできない。

しかし、この「部活の人気投票」で演劇部が一定の票を集められれば、ムロ君を当選させることができてしまうのだ。

演劇部の部長は「うーん、ムロ君は、1年生のクラスでは人気がないようだけど、2年、3年からは『かわいい』って人気あるから、当選させちゃおう」というようなことが出来てしまうのである。

他にも「本当は帰宅部なのに、男子人気がある綾瀬ちゃんをサッカー部に入れて立候補させちゃえ」的なこともある。こうなると知名度や人気だけで、中身がない生徒を生徒会に入れられるのだが、あまり問題視はされていないらしい。

陰キャ委員会の選び方はこの2つであり、
この2つを合わせて「学級投票部活人気並立制」とあらわすことにする。
(小選挙区比例代表並立制)


●大きな問題点

とまあ、このように書いたが、
ジャパン中学校の生徒会選挙には、大きな問題点があって、何かといえば「投票率の低さ」だ。

1年生、2年生、3年生全てを合わせた投票率が50%を割ってしまっている。ジャパン中学校の全校生徒600人のうち300人しか投票していないわけだ。

さらに1年生の投票率も低い。1年生の投票率は約35%だ。1年生200人のうち60人ほどしか投票していないことになる。

逆に3年生の投票率は65%と高い。3年生のうち約120人、1年生の2倍も投票していることになる。

こうなるとどうなるかと言えば、ジャパン中学校はなぜか、卒業を間近に控えた3年生の意見が多く反映された中学校運営になっていくことになる。  

だからって「若者よ!選挙に行こう!」とか、そういうことを言うつもりはない。とりあえず、分からないものを理解することから始めてみてはどうか?ということを提言したい。


ジャパン中学校の生徒会にはOB会というものがあり、実はこのOB会の威光がかなり強い、ということに関しては、衆議院選挙の時にでも書ければいいかな、と思う。

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