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奇縁堂だより19【本の紹介,テーマ:書店】

 かつては,書籍・雑誌・新聞などの紙媒体がテレビ・ラジオなどの電波系媒体と並んで文化・情報発信の中心的役割を担っていました。
 しかし,パソコンと携帯電話が普及し始めると,文化・情報のデジタル化は一気に進み,ここにスマホが登場したことで紙媒体が一気に衰退する結果となりました(もちろん,これが原因の全てではありませんが)。
 この変化自体は自然淘汰とも言えるもので必ずしも悲しむべきとではないと思います。

 しかし,紙媒体が好きな私は,どの街にも数軒あった書店や古書店が急激に減少し,「ブラリと書店に入り,何気なく棚を見ているうちに買う予定もなかった本を買い,読んでみるとこれが滅法面白い!」という体験(私はこれを“本が呼んだ”と表現しています)ができなくなったことが残念でなりません。Web古書店を運営しいて言うのも何ですが…

 そこで今回は,新たな絶滅危惧種か?と心配されている書店を題材にした書籍をピックアップして紹介します(もちろん出版社は絶滅危惧種です)。次回は古書店を題材にした本を紹介する予定です。

 時間がありましたら,是非ともリアル書店・古書店にもお出かけいただき,棚の本が呼ぶ声に耳を傾けてください。

紹介作品一覧

・『傷だらけの店長:街の本屋24時』
・『僕は本屋のおやじさん』〈「就職しないで生きるには」シリーズ〉
・『書店ガール』
・『書店主フィクリーのものがたり』
・『本屋さんへ行こう』

紹介作品

・『傷だらけの店長 : 街の本屋24時』 (伊達雅彦・著) 文庫, ¥280(税込)
 
万引きは繰り返され,達成不可能なノルマを課せられ,しかも作業量が膨大な書店の店長! 安月給で休みを取ることもままならない。それでも店長は頑張って働いた…近くに競合大型店が出店して来ると,たちまち赤字に転落! このまま書店員を続けていけるのか?… 2013年に発行


・『ぼくは本屋のおやじさん』 (早川義雄・著) 四六判,¥380(税込)
 
『就職しないで生きるには』シリーズの第1作。著者は22歳(1969年当時)のときにロックグループを辞め,小さな書店を始めた。「本屋を選んだ理は,一番,楽しそうに思えたからである‥だが,この商売,はたで見ているほどのどかじゃなかった‥」。『読書手帖』なる冊子を作って客とふれあい,書店主同士で通信を作り交流した22年間。この間に学んだ大切なことを詰め込んだのが本書です。2013年に発行


・『書店ガール』 (碧野圭・著) 文庫,¥250(税込)
 
書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテイメントで,本好き・書店好きの方には必読の書です。2007年に新潮社から『ブックストア・ウオーズ』として出版されましたが,2012年にPHP研究所から文庫本化されるときに『書店ガール』に改題されました。2018年には第7巻が発行されているほど好評で,累計50万部を売り上げたと言われています。


・『書店主フィクリーのものがたり』 (ガブリエル・ゼヴィン・著) 四六判, ¥330(税込)
 
偏屈なフィクリーは島で唯一の書店の店主。ずっと一人で本を売っていたが,最愛の妻を巡り合い二人で売ることになる。やがて妻が交通事故で亡くなり,また一人で…ところがある日,この書店に置き去りにされた2歳の少女マヤが…2016年本屋大賞翻訳小説部門第1位


・『本屋さんへ行こう』(枻出版社) 28.5cm×21cm,¥350(税込)
 
多くの本が溢れるように陳列された書店。そこで,貴方は一冊の本と出会う。その出会いはいつも唐突だ! “やっぱり本が好き”という貴方に贈る本好きのための書籍と書店の本です。倒産した枻出版社のMOOK本で,2011年の発行です。内容は「決定!MY本屋大賞」,「とっておきの専門店ガイド」,「本屋さんはアミューズメントパークだ」,「ブックカバーのABC」などなど。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
気になる本がありましたら,是非ショップにアクセスしてください!

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