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柳沢きみおのブルース

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きみお★THE GREAT。ハードボイルドロマンスな柳沢きみお作品を貴方に捧げたい。

きみお★THE GREAT。ハードボイルドロマンスな柳沢きみお作品を貴方に捧げたい。

80年代、少年ジャンプ隆盛期。華々しく連載スタートするも短期間で散っていった数々の作品に想いを馳せていたら1日が終わってしまった。

時期としては82〜83年頃から90年ぐらいまで。ボクがなんらかの形で(読者として)毎週アクセスしていた頃の作品限定。もちろんほんのひと握りだと思う。あくまで印象に残っている作品だけだ。

「アカテン教師梨本小鉄」(春日井恵一)に「飛ぶ教室」(ひらまつつとむ)、「サス

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大市民(©️柳沢きみお)になれなかったよ〜悪霊狩猟団カウンターズ・ロス中のグチ文学。

大市民(©️柳沢きみお)になれなかったよ〜悪霊狩猟団カウンターズ・ロス中のグチ文学。

昔、自分が書いた文章を見つける。

おそらく20年前ぐらいのテキストだが、まあひどい。読めたもんじゃないよなァと絶句by新井素子。支離滅裂で誤字脱字のオンパレード。だが妙な熱量がある。てゆうか、それしかない。勢い一発でただ突っ走ってる。気恥ずかしさで途中で読むのをやめた。

そんなわけで、かつて書き散らした文章を読み返すことはほぼなかった。それなりに量は書いてきたけどただ走ってきただけって気がする

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SHOP自分でTシャツを作ろうと思ったけど冷静に冷静にとまだボクは悩み続けている。

SHOP自分でTシャツを作ろうと思ったけど冷静に冷静にとまだボクは悩み続けている。

週刊文春の最新号。小沢健二の記事よりも小林信彦コラム連載終了にがっくし。文春毎週読むきっかけは小林信彦だった。長期連載となったコラム人生は51から、もそうだが「天才伝説 横山やすし」の連載を見つけたときの衝撃。誌面に当たり前のように掲載されることはもうないんだなあ。「考えるヒット」の連載終了もショックだったが。いよいよ指標なき時代に突入か(ボク的にですよ)。宮藤官九郎、林真理子の連載が終わってしま

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誰の心にも巣食ってる「柳沢きみお」を解き放て!〜SHOP自分がキミに語りかける。

誰の心にも巣食ってる「柳沢きみお」を解き放て!〜SHOP自分がキミに語りかける。

「東京人」最新号を読み、「渋谷系狂騒曲」を読了。そして思ったのは誰の心にも“柳沢きみお“は住んでいるってことだ。なんでだ。いや、そう思ったんだから仕方がない。

もういちど断言する。いるんだよ、君の中に。

たとえば渋谷系全盛期、柳沢はどれぐらい連載を持っていたのか。ボクの記憶が正しければ8誌同時連載とかやってたはず。あの90`s、渋谷宇田川町がレコードの街として華やかな色気を発していた頃、ビッグ

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続・柳沢きみおのブルース

続・柳沢きみおのブルース

柳沢きみおのオーバーグランドレベル初ヒットといえば「翔んだカップル」だろう。80年代初期、少年〜青年誌で巻き起こったラブコメブームの先鞭的存在。映画化もされドラマにもなったこの作品の続編に言及する者は皆無だ。今回はあえてそこに触れてみたい。

「新・翔んだカップル」と「続・翔んだカップル」の2作品。高校時代のあっけらかんとした空気は微塵もなく、大学生になった2人がすれ違い、別れ、それぞれの人生を歩

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柳沢きみおが描いた未来

柳沢きみおが描いた未来

引き続き柳沢きみおについて語っていく。

2000年代に突入し、「只野仁」シリーズのヒット、ライフワークと本人も断言している「大市民」シリーズを出版社を変えながら継続、とこの二本の柱を基盤としながら多作ぶりを発揮した時期だった。

80年代から90年代初頭は「愛人」シリーズ、「瑠璃色ジェネレーション」、「妻をめとらば」といったサラリーマン・モラトリアムものを中心に「未望人」、「俺には俺の唄がある」

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柳沢きみおのブルース

柳沢きみおのブルース

80年代後半から90年代初頭。漫画読みとしての僕の主観でしかないが、作家としての柳沢きみおの凄味はこの時期、実にイカしていた。いや、イカれていたんじゃないかという多作ぶりだった。スピリッツで「妻をめとらば」、ヤングサンデーで「青き炎」、双葉社では「愛人」シリーズに「寝物語」、「100%」に「形式結婚」。ビックコミック系に連載されていた「男の自画像」、「流行唄」なんてのもある。多作であり、ひとつのジ

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