「1円を稼ぎ出す」と「1円を生み出す」
仕事のスタンスは、個人だけでなく所属する企業によっても違いがあるのではないでしょうか?
例えば、営業力が強みの企業は「いかに売るか?」でしょうし、サービスに自信がある企業は「いかに体験してもらうか?」という視点になるでしょう。
営利企業である以上、1円でも多く稼ぐことが使命であり、結果として、より多く稼いで生き残った企業のサービスがスタンダードになるのだと思います。
ですが、それでは搾取する側とされる側の二極化になってしまいます。
ただでさえGDPが低迷している日本国内で潰し合いが始まってしまったら、それこそ国際競争に敗れ、多くの人が貧困層に転落してしまうのではないでしょうか?
…と、煽る感じで書いてみましたが、今回は「稼ぐ」と「生み出す」という二つの働き方について書いてみようと思います。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
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私の現在の職業は「障がい者の福祉支援員&雇用・福祉コンサルタント」ということになっています。
「なっています」というのは、以前にも少し触れましたが、開所したばかりの事業所なので、会社の設立時に関わるITインフラ整備なども兼任していたのですが、本旨から逸れるので割愛しますm(__)m。
障がい者の支援は、個人的な見解ですが特異な能力は必要ありません。
専門的な話をすると長くなるので簡単に言うと、障がいをお持ちの方が社会参加するためのお手伝いをする仕事、だと思います。
極論「見守り役」です。
何かを行うのは障がいをお持ちの方であり、私はお困りごとが合えば支えるだけの存在です。
福祉事業所は、その支援する力を公的機関が評価をすることで、業務に見合った額を税金より頂戴する仕組みとなっています。
何が言いたいのかというと、私は「1円も稼いでいない」ということです。
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「雇用・福祉コンサルタント」というと響きはいいですが、未経験で業界に入ったので、まだまだ勉強中につき、契約を結ぶことができていません。
つまり、こちらの肩書でも「1円も稼いでいない」ということです。
前職は製造業だったので、自分の作業がそのまま会社の利益となっていました。
従業員数名で年商約2億円規模の工場でしたが「稼いでいる感」はあったと思います。
微々たるものであっても、自分の業務が製品という目に見える形で社会に送り出されていたことで、それなりに稼いでいた自負があった私にとって、現状の「1円も稼いでいない」状態は、かなりの違和感でした。
特に肉体労働でしたから、自ら動いてはいけないという部分を、自分自身で咀嚼するのは苦心しました。
今でも、会社や社会に対して貢献していると実感したい願望はあるので、この「1円も稼いでいない」状態にヤキモキしたりもしますが、思考をリフレーミングすることで、今の私が行っていることにも、やりがいをもって取り組めるようになってきました。
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これまでの私の中では、従業員とは企業という組織を動かす歯車だと捉えていました。
製造業には「カセット雇用」という体制が今なお存在するので、この考えが固定化されたのは必然かもしれません。
…。
……。
あれ(;´・ω・)?
「カセット雇用」って一般的な用語じゃないんですね⁉
検索しても出てこない(;゚Д゚)。
ということで、解説します。
【カセット雇用】
カセットとは「小箱」を意味する言葉で、現行のメモリーカードやDVD・Blu-rayといった媒体が出現する前に存在していた記憶媒体を指します。
基本的には磁気記憶媒体なので記憶容量が少なく、複数のカセットを交換することで容量の少なさを補っていました。
このことから「不足すれば交換する」という部分を抽出し、いわゆる「定着を考えない雇用採用」を指す言葉となった。
(投稿者の個人的な見解)
私と同年代(昭和世代w)の方は、ファミリーコンピュータ(通称「ファミコン」)のゲームカセットを想像していただけると、理解しやすいかもしれません。
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…話を戻します。
「従業員は企業という組織を動かす歯車」という考え方に囚われると、企業は利益がなければ存続出来ませんから、「お金を稼ぐ」ことが企業への貢献度として評価されやすいと思います。
これが「職場カースト」という概念を生み出すトリガーにもなっており、一部の企業では「内勤は俺たちの稼ぎで食っている」といった、おかしな思考を持つオラオラ系社員を生み出す温床になっているのではないかと私は感じています。
「お金」ではなく「価値」と置き換えれば、どのような業務も大切なものだと言うのに…。
そこで考えたのが「1円を稼ぎ出す」と「1円を生み出す」という価値の捉え方でした。
稼ぐという行為がなければ、企業は成り立ちません。
ですが、その価値を生み出すこともまた、稼ぐという行為と同等に大切だと思うのです。
誰かが1円を稼ぎ出すために、その1円の価値を生み出す存在。
個人での働き方ではなく、チームとしての働き方に必要な概念なのではないでしょうか?
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歯車は、やがて摩耗し交換を余儀なくされます。
これが「カセット雇用」という現状を生み出す一つの原因です。
企業には、歯車以外の役目を果たす存在が必要なのです。
それが「1円を生み出す」働き方であり、私は「潤滑油」という言い方をしています。
企業の従業員全員が歯車では、一時的に高出力だったとしても、やがて摩耗し出力は不安定になっていきます。
そこで、歯車の摩耗を潤滑油によって軽減し、企業という機構を長く保つことができれば、より安定した全体としての活動が可能になるのではないでしょうか?
個人的な理想論を述べさせていただけるなら、最終的には、歯車であり潤滑油でもある「プレイングマネージャー」としての働き方を目指していきたいと思っています。
一般的な「プレイングマネージャー」はプレイヤーとして評価されたのちにマネジメントを担いますので、私は逆張りで動くことになると思います。
普通じゃないなら、ネタになりそう(*'▽')。
進展があったら、また書いてみようと思います。
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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。
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