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サクッと「カスタマー・マーケティング」の話

私のようなマーケターでない人間が、マーケティングを語るな、と言われそうですが、今回はカスタマー・マーケティング…そのものではなく、考え方について書いていこうと思いますので、よろしくお願いします(*'▽')。

勝手な思い込みだとは思うのですが、この(マーケティングという)領域って、記事にするの怖いと思っています(笑)。

それは、それだけニーズがあって、さまざまな情報が飛び交い、手にした筈の最新の手法が、わずかな期間でアンティークに変わってしまうような、めっちゃ早いサイクルで廻っている世界、それがマーケティングという領域に対する私のイメージです。

さて、そんな超こえー領域の話ですが、まずは「カスタマー・マーケティングって何?」というところからクリアにしていきましょう。

カスタマー・ビジネスカード

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新たなマーケティング

今までは「マーケティング」と言えば、「新規顧客の獲得」がメインでした。

新たな顧客になり得るセグメントはどこにあるのか?

わが社のポジショニングをどこに据えれば良いのか?

市場の拡大に対するアプローチとして、母数を増やすというのは、マーケティングの手法はさておき、非常に分かりやすい戦略ですよね。

一方、カスタマー・マーケティングとは、「既存顧客に対するマーケティング」となります。

似たような言葉で、「カスタマー・サクセス」がありますが、そこに対するマーケティングの考え方だと思っていただければ、ほぼ間違いはないと思います。

なぜ、時代の潮流が、「カスタマー・サクセス」に変移しているのかというと、ざっくり言えば、「SaaSやサブスクリプションといった買い切りではないサービスを、いかに長く使っていただくか?」が重要になってきたというコトでしょう。

LTV=ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)」という言葉も、すっかり定着していると思います。

このLTVの向上を狙う中で、これからの企業に求められるのは、「顧客を育てる」という考え方だと思います。

「企業(あるいは商品)の熱狂的なファンになってもらうには、どうすればいいのか?」

これが、カスタマー・マーケティングです。

女性・バッグ・ショップ

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カスタマー・マーケティングは日本の文化に追い風

多くの報道陣を会場に集め、スポットライトとともに、一人の男性が颯爽とステージ上に現れる。

そして、流暢な魔法のような言葉で、私たちの将来に、より豊かな暮らしを約束する…。

ストーリー・テリングと呼ばれる、企業や提供される商材にストーリーを持たせる手法です。

日本人って、こういうの苦手じゃないですか( ̄▽ ̄;)。

世界の幸福度ランキング」で日本は62位でした。

これは、客観的な指標ではなく、国民の一人ひとりの価値観がもたらした数値です。

ここで言いたいのは、「日本は幸福ではない」というコトではなく、「日本人は世界的に見て自己評価を低めにつける傾向がある」というコトです。

つまり、自己肯定感や自己効力感があまり高くない国民性がゆえに、「大勢の観衆の前で自らの意志を語る」ことが苦手だと、私は考えています。

ですが、今後のカスタマー・マーケティングで、ストーリーを語るのは、「熱狂的なファンへと育った顧客」になるでしょう。

「こんな素晴らしいサービスを知っているんだ、聞いてくれ‼」

企業が自らの良さを必死に訴えるのではなく、顧客がまるで自分のことのように熱く物語を紡ぐ…ちょっと「」じゃないですか?

傘・日本・伝統的な

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「私が使っているこのは、日本の職人による完全オーダーメイドの傘です。ちょっと値は張るけど、”受骨”に使われている竹や、鮮やかに染め抜かれた、この防水性に優れかつ通気性も追求した”小間”は、日本の美を凝縮したようだ…。」

…というのは作り話ですが(笑)、作り手(企業側)が大っぴらに公表していない美点を、熱狂的な顧客は見逃しません

「こんな情報を持っている私って、超cool‼」

日本には、「職人」と呼ばれる「一つの技術に特化した人財」が今も尚、存在しています。

彼らは多くを語らず、黙々と技術の追求のみを生きがいとします。

そのような、自らがストーリーテラーと成り得なかった日本の技術を、熱狂的なファンへと育った顧客は、自らの意志で発信します。

ここで重要なのが、一時期「非効率」などと言われてきた「過剰品質」という日本の美学です。

テキスタイル・布・織物

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モノに宿った魂の継承

「なんで、こんなところにまで拘るんだ、日本人はクレイジーだ‼」

誰もが発信者として世界とつながっている現代において、日本製品の品質の高さは、顧客にとって最高にcoolなアイテムであり、誰かに伝えずには居られない美点だと思います。

連綿と培ってきたさまざまな技術が、日の目を見る世界、それがカスタマー・マーケティングがもたらす世界だと、私は信じています。

…どうも日本人なのに日本が好きじゃない、といった印象の人が多いように感じるので、個人的には寂しく思います。

「やっぱり日本人でよかった!日本サイコー‼」

そんなことを思いつつ、今回の記事を書いてみました。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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