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村上龍の文章は強い酒だ。
本当は、ドラッグだ、とでも言いたいが経験がないから知らない。美味くも感じないウィスキーのショットみたいな文だ。頭がクラクラして、現実の生活が馬鹿らしくなって、気が大きくなる。現に今、村上龍がオレに乗り移っている。何でも言えそうだ。何でも言ってしまいそうだ。でも泥酔してるときと同じように、やはりどこかに理性というか礼儀というかそんなものが微かに残っているから、変なことは言わない。それがオレのポリシー
もっとみる「小説家志望は黙って小説を書いとけ」は本当か。
「作家を目指すな」というアドバイスもちろん他にも多くの小説家がいて、その数だけの考えがあります。実際にスティーブン・キングさんは「懸命に努力し、研鑽を積み、しかるべきときにしかるべき助力を得られたら、二流が一流になることは可能だ」と自伝で述べています。その後で「誰のどんな力を借りても、三流が一流になることはできない」とも仰っていますが。
「小説家志望は何も書くな。普通に生きろ」「黙って書いとけ」
何を書くか。そして、何を書かないか。
「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
『風の歌を聴け』という小説はこの一節から始まり、こう続きます。
真剣に何かを書こうとするとき、その一節が頭をよぎって、またこの小説に戻ってくるという体験が僕にはあります。小説というものを強く意識していなかった頃は、(愚かにも)ただ聞こえのいい台詞の一つとして処理していて、巧みに名台詞を並べて物語の形をなすものが「小説