かつて抱いた理想像を今もう一度抱いてみる
「Webデザイナーにおれはなる!」
高らかと宣言してもうすぐ1ヶ月が経ちます。
1ヶ月間のオンラインレッスンを受講し、Webデザインの概念や制作のノウハウなどをインプットしつつ、バナーやWebサイトトレースなどで手を動かす日々が続いています。
まだ世に出せるようなものは作れていなく、課題等も若干遅れ気味だから焦る気持ちはあるも、徐々にその概念や必要なスキルといったものを理解してきたように思います。
自分のペースでやりつつ、楽しさを見出しながら進められています。
しかし、ここに来てその先のもっと将来的な仕事について考えるようになりました。
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自分がどんな仕事をしていきたいか、というのは僕の中ではとても大きなテーマです。ジョージアまで来たのもやりたい仕事を探したい、という側面が大きくあります。
小さい頃から漠然と「ばりばり仕事をしてかっこいい大人になりたい」といった夢を持っていました。
仕事をせずに楽をして生きていきたいとは思ったこともなく、たとえいくら稼いだとしても仕事をしていきたいと思っています。
でもその理想の解像度はなかなか落とせず、事あるごとに自分が何をしていきたいかという悩みを抱くようになっていました。
勉強は好きだし、人と話すのも好き、ひとりで黙々と作業をしていくのも好き。好きなことはたくさんあります。
でも生来の飽き性が僕の選択を阻みます。何か一つの分野を選ぼうとすると「その分野で長く続けられるのか」といった責任感としばしば葛藤することがありました。
そんな気持ちを抱えて今まで生きてきました。好きなことを仕事にしたいけれど、じゃあ仕事にしたいような好きなことってなんだろう。
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デザインが好きです。小さい頃からなんとなく文字を使ったグラフィカルなものに興味がありました。
具体的には野球カードとか駅にある駅名が書かれた看板(駅名標)とか、文字を使ってわかりやすくスタイリッシュに情報を伝えるようなものに興味がありました。
そして高校時代に読んだこの本は自分の中で強く心を動かしました。
アートディレクターの佐藤可士和氏の仕事の成果やそこに至る考え方、哲学は自分に強い影響を与え、彼が出した書籍を読み漁りました。
その頃ちょうど、高校生ながら広告代理店の人たちとひとつのプロジェクトに関わる機会を持つことができ、ひとつのモノを作り上げていく過程の面白さを知りました。
そして、点と点が線になるような自分の理想像がもやもやと作り上げられました。
アートディレクションは、僕が好きだった文字情報をスタイリッシュに伝えるようなデザイン制作という工程を含みます。また僕が面白いと感じた、プロジェクトを通してひとつのモノを作り上げていく、という過程が存在します。
しかしながら、大学生になり就職活動の時を迎えた時、せっかく作り上げられた理想像を自分のやりたいこととして落とし込むことができませんでした。
加えて、謎の責任感を感じ、デザイン分野と関わることからも避けてしまったことから、逃げるように全くの別分野のIT業界という世界に踏み込んでしまいました。
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将来を思案した日々から10年が経ち、ふとかつて抱いたアートディレクションに向けて舵を取ってみるのはどうだろう、と思うようになりました。
きっかけはデザインの勉強中に出会った一冊の本です。ニューヨークでアートディレクションに関わっている日本人が、ブランディングについて丁寧に解説しているものです。
デザインというとグラフィカル作品の制作ばかりが目に付きますが、それは作業のごくごく一部です。実際はヒアリングを通してクライアントの悩みに応えるためにいくつもの工程を進め、終盤になって初めて制作作業が行われます。
アートディレクションではそのヒアリング工程に特に重きが置かれ、企業のブランドを作り上げていくことになります。
今自分の中で再び点と点が線になってもやもやと理想像を作り上げている感覚が生まれました。
もしかしたら自分が目指したい方向はこれなのかもしれない、と。
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人生悩むことが多いし、論理的に詰めたところで解決できる問題ばかりではありません。いろんな要素が重なり合って思いが作り上げられるし、その時々でやりたいことは変わってきます。
しかし、一つでも少し具体的な将来の理想像が見つかると、そのような悩みはすっと軽くなり、あとはそこに向かって突き進んでいくだけになります。
今僕はかつて抱いた淡い思いを取り戻し、10年間の思いを背負って、一つ理想像に向けて突き進もうと思ってます。まだはっきりと宣言は出来ないけれど、自分の気持ちに正直になり、もっと理想の解像度を落としていきたいと思ってます。
とはいえ、まずはWebデザインやライティングといった目の前の壁に挑んでいきます。
ばりばり仕事をしてかっこいい大人になるために。
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サムネイルの場所はNikoloz Baratashvili Riseから旧市街地を臨む(トビリシ)
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