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「リーダー」と「マネジャー」は別物

『採用基準』を読んだ感想の第3回です。

第1回:「コンサルタント」と「アドバイザー」は別物
第2回:「リーダー」と「リーダーシップ」は別物

今日は昨日に引き続き、「リーダー」をテーマに扱います。


あなたの「リーダー像」はどういうものですか?

みなさん、それぞれの「リーダー像」はありますか?

規模の大小や期間の差はあれ、みなさん、これまで生きてきたなかで、なにかしらの場面でリーダーになったことはあると思います。

そんなとき、自分がどのようなリーダーとして振る舞うかは、それまでの自分の経験によって形成されてきた「理想のリーダー像」に左右されるところが、おおきいのではないでしょうか。

そして、そのリーダー像というのは、おおきく分けると、2パターンに集約されると思います。

1つ目は、自分が先頭に立って、ガンガンとチームを引っ張っていくタイプ。なんだか熱い感じがしますね。

2つ目は、普段はチームのメンバーに裁量権をもたせて前線に立ってもらい、なにかトラブルなどがあったときにサッと出てくるタイプ。なんか懐が深い感じがしますね。

どっちも素敵な上司像ではあると思うのですが、著者は本のなかで、リーダーと呼べるのは前者だと言います。

部下を前に立たせ、後ろでその仕事ぶりを見守っている責任者を、「部下を信頼して仕事を任せ、自律的に育てている」と評価する人がいますが、「何かの時には後ろから神の声が聞こえてきて判断が下される」などという経験を何度かすれば、前にいる部下は常に、後ろにいる責任者の顔色をうかがって仕事をするようになります。

※太字はぼくによるものです

でも、後者の上司像も、よくドラマや映画などで好感度の高い役として出てますよね。

いったい、あの優しげな兄さんや姉さんを「リーダー」と呼ばずして、なんと呼べばいいのでしょうか。


「リーダー」と「マネジャー」は別物

あくまでも本を読んだぼくの”解釈”ですが、彼ら彼女らは、「リーダー」ではなく「マネジャー」なのだと思います。タイトルで出落ちですね。

本のなかでは、このように書かれています。

マネジャーは管理者です。求められる業務は、部下の労務管理であり、組織内の個々の仕事の進行管理や品質管理、そして予算管理です。

この定義と冒頭にあげた懐の深い上司は、けっこう重なるところも多いのではないしょうか。

じゃあ、具体的に「リーダー」と「マネジャー」はなにが違うのか。

ぼくは昨日のnoteで、「リーダー”シップ”」の定義を「最終的な目的を達成するために、最適な手段はなにか、どういったことができるのか、だけを考え続けられるひと」としました。

そして、リーダーシップはリーダーであるかどうかにかかわらず、全員がもっておくべきスキルであると。

リーダーは、このなかでみんなの信用を勝ち取った、最終的な決断をするひとに与えられた肩書です。

それで、リーダーの決断は「最終的な目的を達成するため」に下されるので、リーダーのするべきことは「成果を出す」です。

対して、マネジャーの役割とはなんなのでしょうか。

本のなかでは、このように書かれています。

マネジャーが必要なのは、成果を達成するためではなく、組織内の人数が多くなると管理が行き届かなくなるからです。
この「管理のために必要な役割」と、「成果達成のために必要な役割(※こっちがリーダー!)」はまったく異なるのです。

※太字と改行と注釈はぼくによるものです

ぼくはそれまで、このリーダーとマネジャーの役割を混同していて、熱血タイプも懐タイプも、どっちの上司も惹かれるなあと思っていたのですが、リーダーはいわゆる「熱血タイプ」一択なのだなと、この本を読んで整理できました。

これを書いてて思い出したのですが、ユーザーベースの梅田さんや、グノシーの福島さんは、圧倒的にリーダータイプの社長ということになりますね。

こうやって各役割の線引が明確になって改めて、ぼくは「リーダー」ってカッコいいなあと思いました。

最後に、めちゃくちゃ長文になりますが、本のなかに書かれていた「リーダーたるもの」といった内容の文章がすごく刺さるものがあったので、それを引用して終わりたいと思います。

何にせよ、最初の一人となるのは負担が大きく、その立場に自らをおくと決めることは勇気のいることです。
二人目なら一人目の結果を見て、「あそこに気をつければいいんだな」とか、「ここが肝心のプロセスだ」と理解することができます。
さまざまなトラブルに巻き込まれるのも最初の人です。
クライミングにおいて予定したルートの岩場がもろくて崩れてしまうとか、プレゼンテーションにおいて機器の設定が間違っていて動かなかったなどの失敗は、常に最初に起こり、その後はすぐさま改善されます。
一人目になることは、必ずしも得な選択ではないのです。
それでも「最初の一人になる」、「先頭に立つ」ことを厭わないのがリーダーです。
※改行と太字はぼくによるものです



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