ザ・ブルー・ハーツ「トレイン・トレイン」 ~高校生の娘と話したこと
「パパって、ブルーハーツの映画の脚本も書いたし、
ブルーハーツ大好きなんだよね?」
カーステレオからブルーハーツを流しながら、
1時間程度娘とふたりきりで話した。
昨日のことだ。
娘は高校生。
「うん、すげぇ影響受けたんだよね」
「へ~、どういう風に?」
「例えばね…」
そのときに流していたのは、
3枚目のアルバム「トレイン・トレイン」だった。
「このトレイントレインの歌詞の意味がわかるのに、
パパはすげぇ時間がかかったんだよ」
「は? なんで?」
「♪栄光にむかって走る あの列車に乗っていこう
裸足のままで飛びだして あの列車に乗っていこう
…まぁ、ここはいいことにしよう。この次って、知ってる?」
「知らない」
「次がね、
♪弱い者たちが夕暮れ さらい弱いものをたたく
その音が響き渡れば ブルースは加速していく」
「全然わかんない」
「人間って弱いよね」
「うん」
「だから、人間は自分より弱い人間をいじめる」
「うん」
「黒人が昔、差別を受けていたのは知ってる?」
「バカにすんな、知ってるわ」
「そう。ちなみにブルースって、どういう風に生まれたか知ってる?」
「知らない」
「差別を受けていた黒人の人たちが歌ったって言われてるの。
つまり、
弱い者たちが、日が暮れて
自分を照らすものが無くなる夕暮れに
不安になって、
自分たちより弱い者を差別する。
いじめる。
その音が響き渡ったら…
黒人たちのブルースが加速していく」
「…すげ」
「♪見えない自由がほしくて 見えない銃を撃ちまくる
本当の声を聞かせておくれよ
自由って見えないし、言葉にできない。
けど、
誰だって自由を求めていい。
自由を失うようなことが起きたとき、
何かがおかしいと思ったとき、
見えない銃で撃たなきゃいけない。
きちんと言ったり闘ったりしなきゃダメなんだよ。
パパはこの歌に出会ったときにね、
ずっとここの歌詞の意味を考えてね、
かなり月日が経って、やっとわかったの。
パパはそういう風に、
ブルーハーツからとても影響を受けたんだよ」
「へー、他にもある?」
「たくさんあるよ。このアルバムの中で言うとね…」
(続く…)