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いじめはそこにあった

⚠︎
この話は中学3年生の時に実際に僕の目の前で
起きたいじめの話しです。
もし
いじめに対して不快な気持ちや思い出を抱えている
方は今回の記事を見ることはお控え下さい。


僕は中学時代クラブチームでサッカーをすると中で
中学校のサッカー部にも所属していました。
クラブチームに入団しているため部活は練習しか参加せず、ナイター練習(夜練)と試合はクラブチームの方で参加していました。

部活でサッカーを続けている子はクラブチームに
入っている僕たち(同級生3人)や後輩に対して
ものすごい嫌悪感を持っていた。

最終学年である3年生の代になると更に
その嫌悪感が増した。

例えば、クラブチームに所属している人間が
最初のグランド整備などの雑用を無理やり
やらされることが起きるようになった。

もちろん彼らは練習後のトンボかけを
後輩にやらせてせっせと着替え無駄話をしていた。

特に、スクールカーストでも上位の子がサッカー部に数人所属していたこともあって誰一人言い返せるような雰囲気もなく、ただただ言われた通りにしていた。

そんな風に部活を続けている中で
それは夏の期末テスト終わりの部活動を
行う前に起きた。

その日は部活を行う時間が13時からだった。
しかし僕も所属しているクラブチームの後輩が
一人だけ集合時間に遅れてしまった。

「集合時間に何でこやんだんや!」と
僕と同じクラスのスクールカーストの上位にいる
副キャプテンが後輩に詰め寄っていた。

集合時間に間に合わなかった理由もその子に連絡が
回っていなかったのが原因だった。
後輩が理由を副キャプテンの子に伝えても
「そんなの関係ない」と返答されていた。

すると、
副キャプテンを筆頭に「そこにある水溜りに飛び込んだらゆ許したろ」と言っていた。

その日は昨日降った雨の水が乾ききらずかなりの
雨水が溜まっていた。

流石にそれはやり過ぎだろと心の中では
思っていたが、
言ってしまえば僕が次に目をつけられてしまうと
考えてしまい僕はもちろん周りの友達も
何も言えなかった。

後輩の子は、「本当にすいません。どうしても飛び込みたくないので許して下さい」と言ったが、
その希望はすぐに否定された。

「いいから早く飛び込めよ。
汚れるだけやで気にすんなや」と後輩に言い放ち、

その言葉に折れてしまい、
彼は勢いよく水溜りに向かって飛び込んでいった。

彼はなんとかその場の空気を乱さないように
ヘラヘラ笑ってごまかしていた。
いや顔が引きつり無理やり笑っていたという方が
正しいと思う。

彼の体操服には泥水が染み付いて
ビショビショに濡れていた。

すると
「もうそんなに汚れとんのやでいけるな!
もう一回飛び込んだら許したろ」と
副キャプテンの彼がビショビショに汚れた
彼に再び水溜まりに飛び込めと言った。

後輩の彼はもう一回だけ飛び込めば許してくれるという言葉に動かされてなのかは分からないけど、
また勢いよく水溜まりの方へ走り出して
飛び込んで行った。

彼の体操服は1度目に飛び込んだ時よりも
さらに汚れてずぶ濡れになってしまっていた。

流石に汚れたままの体操服では部活は出来ませんと
キャプテンに伝えて彼は学校の近くに住んでいたので家に戻って着替えてきますと言いその場を去りました。

僕はその時こんなことを考えていました。

もし彼の親がその時家にいた場合なんでそんなに汚れているの?と聞かれて彼はなんと答えるんだろう?ということを考えていました。


もちろん先輩に水溜まりに飛び込んでこいなんて
正直に言ってしまえば何をされるか分からないし、
水溜まりに飛び込んで行ってその場の空気を読んで
笑ってしまうような優しすぎる彼だったら
親に心配なんかかけたくないから素直にその場で
起きたことは絶対に言えないだろうと思っていました。



その事実は今になっても分からないけど...

確かに彼の体操服の汚れは洗ってしまえばすぐに
落ちるかもしれないけど、
彼の心に付けられた汚れは簡単には落ちない


その汚れはやがて頑固な汚れになりその汚れは下手をしたらずっと汚れたままかもしれないという事実を 副キャプテンであったあの子に想像して欲しかった。

しばらくするとキレイな体操服姿で彼が
グランドに戻ってきました。

彼のその時の体操服姿を思い出すとほんとになんで
辞めさせなかったのかという後悔の念が今になって
溢れ出でくる。

彼の表情は心なしかどこか暗い表情に見え、
僕は「大丈夫か?」と彼に聞いてみると泣きそうな
顔で「大丈夫です」と答えた。

でもその”大丈夫”という答えは絶対に
嘘なんだとすぐに分かった。


大丈夫な訳ないやん...
大丈夫ならそんな泣きそうな顔で大丈夫てっ
言わないよ。  


普通に考えれば辛くてほんとはやめて欲しいことなのに無理やりやらされて大丈夫な訳ない。

自分が後輩の立場だったらと考えるとおそらく
辛くて1人で泣いていたと思う。

あの当時もし自分が「そんなこと辞めろよ!」と
声を上げていたらと考えても
今となってはやはり何も変わらないけど年齢を重ねた今だからこそあの時勇気を出して声をあげれば
良かったと心の底から思う。 



中学を卒業しそのいじめていた副キャプテンの子と
再開したのは成人式だった。

彼は社会人として働いているそうだったが
僕は一度も彼とは会話を交わしていない。

やっぱりあの出来事から彼のことを僕は冷ややかな
目で見ていてその目は成人式で会ってもそれは変わることはなかった。


彼がもし今後結婚し子供ができた時に自分が後輩に
対していじめを犯してしまった過去を忘れて幸せな
家庭を築いた際に僕は心から祝福はできないと思う。


おそらく彼は自分がやってしまったことを覚えては
いないだろし何食わぬ顔でこれからものうのうと
過ごしていくのは目に見えている。

 


でも僕はこの目で見た



忘れない


いじめはそこにあった



ケンP
最後までご覧頂きありがとうございました






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