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【通貨当局の存在意義✨】「日本の為替介入の分析」: 経済論文解説💖 No.16

Introduction:卒業論文は早めに仕上げたい💛


私もいよいよ卒業論文の執筆に
取りかかる時期がやって参りました👍

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
卒業論文の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
卒業論文を1%でも
完成に向けて進めていきたいと思います

私の卒論執筆への軌跡を
どうぞご愛読ください📖

今回の参考文献📚

今回、読み進めていく論文は
こちらのURLになります👍

『日本の為替介入の分析』 伊藤隆敏・著
経済研究 Vol.54 No.2 Apr. 2003

前回の内容📖

1995年の円高局面を別にして、急激な円高または円安のチェックに入る介入開始点と、反転した後の押し上げ介入の際の押し上げを止める点も含めての最安値(最高値)と反転レートとの差が、大体、15円以内である点です📝

1995年の円高局面では約20円の円高を
介入で阻止できなかった
とことになります

しかし、これは、政治的な状況もあって
マーケットに異常な期待が発生していた時期と考えることができるのです💦

また、介入の方向の転換には
為替レート中立幅が、12円から21円
あったことがわかります

前回の投稿までの考察によって
2000年以前の為替レートならびに
為替介入政策について、その動向を整理することができたように思います

ここまでを前回のお復習いとします📝

今後は、この論文で研究されている内容について、研究意図やモデルなどを考えていくことにしたいと思います

安定的な投機者としての通貨当局💵

ここで、論文内でまとめられている
第3表を確認します

5円刻み枠での円買い・円売り介入の合計

上記の表では、5円刻みの枠で
円買い・円売り介入を合計
が示されています✨

この表を考察していくことにしましょう
まず、10年間を総合してみると
介入の方向は、125円を境にして分かれいること
がわかります📝

すべての、円売り・ドル買い介入を行った日の中心値は、1ドル125円以下でした

また、すべての円買い・ドル売り介入を行った日の中心値は1ドル125円以上であったことも判明します

もちろん、125円を超えた円安が直ちに
円買い介入を招き、125円を超える円高が直ちに円売り介入を招くわけではありませんが…

ポイントとして大事なことですが
この為替介入政策が実施される意思決定主体は、財務省の管轄なのです
したがって、日本銀行はオペレーターとしての立場を維持しているだけなのです


すなわち、財務省のトップの方が
為替介入政策ならびにマーケットの為替レートをどのように判断するかによって
日本銀行がどのタイミング、かつどれくらいの規模で介入するか、決定されるということです


1991年以降の10年間の介入実績に限っていえば、 ドルをその価値が比較的高いところで売り、その価値が比較的低いところで買っていたことが読み取れます📊

その意味では、暗黙のターゲット・ゾーンがあったと考えてもよいかもしれません

もちろん、時期により
そのゾーンは動いていたことは確かです

そこで、円買い介入のエピソードから
円売り介入へのエピソードへ転換するときに、円買い介入エピソードの最安値と
円買いエピソードの最高値のギャップに
どのくらいの幅があったか
ということに着目してみることにしましょう

ある意味で、介入をしない「中立」地帯の幅を類推するのに、適したものであると言えますね

また、「ドルを安いところで買い
高いところで売っていた」ということは
この10年間の介入のうち、ドル買い・
ドル売りの介入が相殺する部分については
かなりの利益を上げたというわけなのです

この意味で、日本の通貨当局は、円・ドルレートの変動に対して、「安定的な投機者」(Stabilizing speculator)であったという評価を下すことができるでしょう

「利益」をあげる投機者は、 相場に対して安定化させる、というミルトン・フリードマン的な評価方法に耐えうる介入実績と言えるのです👍

政策評価に対する問題点📝

ただし、この為替介入政策に対する評価は以下の観点に基づく問題を残していると言えます

➀1991年に引き継いでいた外貨準備の
「在庫」 の評価をしていない

②外貨準備の運用金利と介入資金の調達金利差を考慮していない

③10年間買い越したドルによる
2001年3月時点の外貨準備の市場価値評価を考えていない、といった3つの問題が
残っていることも事実なのです😢

しかし、第二の点は、1991年以降の金利水準は、アメリカの方が高かったこと

第三の点は、2001年の3月時点の円・ドル水準が、120円台であることを考えると
いずれの論点より、「利益」はより高くなるという解釈ができるのです

よって、少なくとも、2001年3月の金利水準、 円・ドルレートの水準を考える限り
この10年間の介入による財政コストは発生していません

逆に、むしろ介入による利益を生んでいると
判断できるのです

より、正確な利益の推計は、また後日解説することにいたしましょう

今回、私が卒業論文執筆において取り上げる
24年ぶりの「円安是正」介入は本当にレアな経済政策
ということを再認識できたような気がします💖

私の研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる
簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥

本日の解説は以上とします
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように
努めてまいりますので
今後とも宜しくお願いします🥺

マガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚


最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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