エドンマーティヌの墓⑦
「よし」アスカは本を閉じて、私に聞こえるように言った。「場所も分かったし、明日お墓行くよ!」
「え!? 明日……? だって明日、金曜日じゃない」
「知ってんだよ、イリアさん。君、金曜日は全休にしてるでしょ。哲学科は、金曜日にいい授業、あんまりないもんね」
くっそ、こいつには嘘をつけないか。これだから頭のいい奴は。
「そ、それに十一月も終わりに近づいて、こう、すんごく寒いんじゃないかしら……。外出たくない」
「ならなおさら、これからもっと寒くなるでしょ! 行けるとき行っとかな