マガジンのカバー画像

アはアーケードのア

43
あいうえお順に1タイトル選んでレトロアーケードゲームの思い出を語ります。気長に継続中。途中からあいうえお順に合わせるのを諦めました。
運営しているクリエイター

2017年6月の記事一覧

『アはアーケードのア』 第22回『モトス』(1985年 ナムコ)

『アはアーケードのア』 第22回『モトス』(1985年 ナムコ)

当時行なった『モトス』プログラマへのインタビュー
 今回はちょっと特殊な形になるのですが、昔ぼくが取材した『モトス』のプログラマ松浦公政さんへのインタビューをアップします。都内のナムコ直営ゲームセンターで配布されていた「きゃろっとくらぶ」という手書きの情報誌に掲載されたショートインタビューです。拙いインタビューでごめんなさい。少し文章を直しています。

Q1. 松浦さんといえばグロブダーのプログラ

もっとみる

『アはアーケードのア』第21回『ラリーX/ニューラリーX』(1980/1981年 ナムコ)

 久々の『アはアーケードのア』です。ずっと五十音順に書いていたのですが、な行に入ったところで悩んだのでいったん逃げて、とりあえず書きたいものを書きます。おかしな点があればご指摘いただけると幸いです。

衝撃的だった4方向スクロール 『ラリーX』はマイカーを操作して、縦横にスクロールする広い迷路空間で敵車の追跡をかわしながら10箇所のチェックポイントを回る、疾走感あふれるドットイート系ゲームです。翌

もっとみる

『アはアーケードのア』 第20回『ドンキーコング』(1981年 任天堂)

“ジャンプ”の概念を取り入れた最初期のゲーム ジャンプを駆使して、さまざまなトラップを抜けてゴールを目指し、コングにさらわれたレディを救い出せ――任天堂・宮本茂さんの最初期のディレクション作品にして、マリオ初登場作品であり、ジャンプアクションものの源流の一つといえるゲーム、それが『ドンキーコング』です。

 ジャンプアクションというシステムは、黎明期のゲームが生んだ最大の発明の一つです。重力の概念

もっとみる

『アはアーケードのア』 第19回『ディグダグ』(1982年ナムコ)

「携行型」と「固定配置型」、2種類の攻撃方法の複合型ゲーム 「パンクさせるよりつぶしちゃえ!」――ポンプで敵をパンクさせて倒すより、岩を落としてまとめてつぶす方がテクニカルで高得点という『ディグダグ』の魅力を簡潔に表した名コピーです。地中にうごめくプーカァとファイガーを退治する穴掘り戦略ゲーム、それが『ディグダグ』です。

 昔はゲーム企画を考えるとき「動詞から発想する」ということがよくいわれまし

もっとみる

『アはアーケードのア』 第18回『ツタンカーム』(1982年コナミ)

左右にショットを撃つメイズ型スクロールシューティング 『ツタンカーム』は探検家が主人公の迷路アクションゲームです。鍵を拾って扉を開けていき、遺跡に眠る財宝を探し出すことが目的となっており、左レバーで主人公の移動、右レバーで左右にビーム発射、上に入れると敵一掃のフラッシュ攻撃という、一風変わった操作系が特徴です。

 この時期のコナミの優れたサウンドが光るゲームで、その反響音を感じさせるSEは未踏の

もっとみる

『アはアーケードのア』 第17回『ちゃっくんぽっぷ』(1984年タイトー)

“蟻の巣のような迷路”と“爆弾”と“愛(?)”のゲーム幽閉されたハートを取りもどすため、敵もんすたの巣窟にちゃっくんが潜る。天井への張り付き移動をうまく使い、爆弾を左右に転がして敵をやっつけ、ハートが閉じ込められた檻を破壊し、脱出せよ。それが、迷路アクションゲーム『ちゃっくんぽっぷ』です。ぼくの大好きなゲームです。

 『ちゃっくんぽっぷ』の見た目の大きな特徴は、その蟻の巣のようなマップです。迷路

もっとみる

『アはアーケードのア』 第16回『タルボット』(1982年アルファ電子)

トラップを仕掛ける等でウサギを捕まえるメイズゲーム 『タルボット』は、アルファ電子が制作した固定画面の迷路アクションゲームです。

 プレイヤーは、フィールドを逃げ回るウサギを捕まえ、できるだけたくさん自陣まで連れ帰ります。ただし、フィールドには敵のコンピュータキャラもいて、同じようにウサギを捕まえて回っています。自陣は画面下側、敵陣は上側にあり、ウサギをより多く連れ帰れば勝ち(先へ進める)という

もっとみる

『アはアーケードのア』 第15回『ソニックブラザーズ』(1992年セガ)

発売されなかった幻の落ちものパズル 『ソニックブラザーズ(Sonic Brothers)』は、『バブルボブル』や『サイバリオン』『オメガファイター』等の企画で知られる、MTJこと三辻富貴朗さんのディレクション作品です。同氏がセガに企画を持ち込んで開発されたのですが、ロケテスト段階で没になり、残念ながら市場に出回ることのなかった幻のゲームです。

 ぼくも数回遊んだだけで記憶がかなり曖昧なのですが、

もっとみる
『アはアーケードのア』 第14回『ゼビウス』(1983年/ナムコ)

『アはアーケードのア』 第14回『ゼビウス』(1983年/ナムコ)

ゲーム史において時計の針を大きく進めた作品 地上と空中を撃ち分けて進んでいくゲームシステム、無彩色のグラデーションで表現されたメカニック、絵巻物のように進んでいく背景、神秘的なSE、バックストーリーを感じさせる謎めいた世界観と数々の隠し要素……『ゼビウス』はその後のビデオゲームに大きな影響を与えた黎明期の傑作です。

 『ゼビウス』を初めてプレイしたとき、じつに不思議な気持ちになったことをよく覚え

もっとみる

『アはアーケードのア』 第13回『スペースインベーダー』(1978年タイトー)

衝撃的だった『スペースインベーダー』との出会い
『スペースインベーダー』は西角友宏氏がAtariの『Breakout』(ブロック崩し)をヒントに作り出したといわれています。『Breakout』のブロックを動かし、弾を撃たせ、より能動的な遊びに進化させたのが『スペースインベーダー』です。

 社会現象にもなった『スペースインベーダー』という作品があったからこそ、多くの人々が「テレビゲーム」というもの

もっとみる
『アはアーケードのア』 第12回『シンドバッドミステリー』(1983年セガ)

『アはアーケードのア』 第12回『シンドバッドミステリー』(1983年セガ)

地中に埋まった宝箱を掘りあてるアクションゲーム 『シンドバッドミステリー』は、俯瞰の固定画面による宝探しアクションゲームです。敵をうまくかわして、穴を掘って迷路のどこか一か所に埋まっている財宝を見つけ出すという遊びです。

 プレイヤーのシンドバッドは、穴を掘ることで、財宝を見つけ出すほかにも、道を封鎖して敵を足止めすることもできます。ただし、穴のあるところは自分も同じように移動できなくなります。

もっとみる

『アはアーケードのア』 第11回『ザクソン』(1982年セガ)

セガが放った立体的視点のシューティングゲーム 『ザクソン』は斜めの見下ろし視点で、敵基地へと進攻していくSFシューティングゲームです。

 戦闘機で敵基地深くへ進んでいく構成や、地上物と空中物という概念があること、そしてタンクを撃つことで燃料が補給される仕組みなど、前年のコナミ『スクランブル』の影響が色濃く出ているゲームだったように思います。

 ですが、当時のゲームのほとんどは、真上や真横からの

もっとみる

『アはアーケードのア』 第10回『コスミックゲリラ』(1979年ユニバーサル)

“ゲリラ”から砲台を守れ! インベーダーブーム直後のゲーム『コスミックゲリラ』とは? 『コスミックゲリラ』は、時期的にはポストインベーダーを目指したあまたの製品の一つです。発音としてはコズミックだと思うのですが、当時の表記に合わせてコスミックで進めます。

 画面中央に並んだプレイヤー砲台(のストック)を奪いに左右からやって来る敵ゲリラを撃破していくシューティングゲーム、それが『コスミックゲリラ』

もっとみる

『アはアーケードのア』 第9回『ゲイングランド』(1988年セガ)

傑作『ゲイングランド』3つの特徴『ゲイングランド』は俯瞰視点の固定画面ゲームです。さまざまな性能を持つ20人のキャラクター(3人からスタートし、捕虜を奪還することで増えていく)を使いわけて、画面に配置された敵、もしくは途中から出現する敵をせん滅していきます。

 『ゲイングランド』第一の特徴として、当時にして20人ものキャラクターが登場することが挙げられます。なかには一見すると性能の差異がかなり小

もっとみる