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『アはアーケードのア』 第22回『モトス』(1985年 ナムコ)

当時行なった『モトス』プログラマへのインタビュー

 今回はちょっと特殊な形になるのですが、昔ぼくが取材した『モトス』のプログラマ松浦公政さんへのインタビューをアップします。都内のナムコ直営ゲームセンターで配布されていた「きゃろっとくらぶ」という手書きの情報誌に掲載されたショートインタビューです。拙いインタビューでごめんなさい。少し文章を直しています。

Q1. 松浦さんといえばグロブダーのプログラマとして有名ですが、モトスの企画の岡田さんはどんな経歴の持ち主なんですか?

A. 彼は元々技術屋でハードウェアの設計なんかをするのが本業なんです。今回はたまたまゲームデザインをやってみたいということで。もちろん初めての作品です。

Q2. どんなアイデアから始まったんですか?

A. 岡田君が三次元ピンボールというのを作りたがっていたんです。つまり、奥行きのある箱の中のような所でボールが飛び回るゲームを考えていたわけです。ところが、彼は元々ハードウェア方面の人間ですから自分でこりゃ実現不可能だ、とわかってあきらめて今の形になったんです。最初のうちは今とずいぶん感じが違っていて、床のタイルが明滅するところなんかディスコ風だったんですけどね。

Q3. 「モトス」というネーミングはどこから?

A. 主人公の装甲艇をモータースパナというんです(スパナというのは弾き出すという意味)。それを縮めてモトスです。それから敵のキャラにタイトリアンとかメガとかあるでしょ。あれは某ライバルメーカーから取った名前です。別に意味はないけど、あまり弱いキャラにつけると悪いから比較的強いキャラにつけました。

Q4. 5万点の隠しボーナスがありますね?

A. まあ、あれは何か隠しフィーチャーを、ということでつけました。61面のボーナスは多すぎたと後悔しています。あの面に来た時点でそんなにたくさんのパワーアップが残せるもんでもないだろうと甘く見過ぎていたようです。マニアはすごい。

Q5. 7面は始まったときに何もしなくても2匹敵が落ちてくれますね?

A. ええ、あれは開発中に偶然できたものですが、面白いので残しました。最初は何もしなくても面クリアできたんですが、それではちょっと甘過ぎるというので少し直しました。

Q6. パンフレットなどを見ると「爆突」というすごいキャッチフレーズがついていますが?

A. あれはキャッチフレーズについて会議をしているところに高橋君(バラデュークの企画者)がフラフラと入ってきて、「爆突」なんていいんじゃないですか、とつぶやいたのでそれに決まりました。

Q7. 初期設定のハイスコアには、実際のゲームではありえない10点のケタがありますが?

A. シャレッ気です。1位の10000、2位の7650(ナムコ)はいいとして、3位の7580というのはぼくの出身地、「名古屋」点です。4、5位の5550、5540というのは別に深い意味はないけど、IBMにそんな名前のコンピュータがあるんです。「名古屋」に関しては今後もぼくのプログラムするゲームには出てくるかもしれません。

※補足として、Q.3の回答については後付け(?)らしく、実際には開発者の頭文字を並べてMOTOSとネーミングしたそうです。モータースパナを縮めてモトスというのもなかなかうまいですよね。どちらが公式設定と考えればいいのでしょうね。 了

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