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上海妻と僕の国際関係②

僕の妻は上海人。僕は国際結婚を選択した。

親の人生も変えてしまった国際結婚

中国人と結婚すると聞いて親は驚いた
突然伝えた訳じゃなく
とうとうその日が来たという感じだろうか

結婚報告の1年前に親を中国旅行に招待し
その時に劉さんを紹介し二人が
付き合っている事を伝えた。

中国に両親を招待する旅行を
劉さんに協力をお願いした。

母親は、僕が中国に行きだした頃から
癌を患い長い間病院生活をしていた

しかし、
その事は息子の僕には一切伝えなかった。
母親の精神は日に日に不安定になり
生きる気力を見失っていたらしく
そんな事が日本で起きていた事を僕は
随分後になり知った。

この期間に母は誰にも迷惑をかけまいと
墓まで購入し終活に向けて一人進めていた。

明日を生きる為じゃなく 
明日死ぬために生きるようになっていた

退院し生活も少し落ち着いた頃、父から
そんな事があったと知る事になる。
子供に余計な迷惑をかけたくないという
母の想いから何も言わなかったらしい

僕は直ぐに両親に
中国旅行に来ないか!と誘う。

楽しい目標をもって生きる事で
前向きになれるんじゃないかと思い
少し強引に話を進めて、その気にさせた。


中国で働く息子の環境を何よりも
気にしていた母に来て安心してもらう事

海外旅行に1度も行った事がない両親を
海外旅行に連れて行く事

中国人の底無しの みなぎるパワーを感じて
生きる意欲をもらう事


その旅で、僕は劉さんを紹介し
彼女の人となりも感じる事ができれるし
僕らの二人の関係を伝えるいい機会にもなる。

初海外に驚き
中国のスケールに驚き
人民のパワーに驚き
僕らの関係にも驚く

まさに両親からすれば色んな出来事が
起きた旅だったと思う。

簡単に会う事が叶わない劉さんと親が
その次に会ったのは1年後

結婚報告をする為に
二人で日本に戻った時だった。

当時は中国人が簡単に日本のビザが
下りなかった時代

日本に行くために仕事で一時訪問する名目で
会社を通じビザ申請した


母も父も二人の関係は感じていて結婚を視野に
交際している事も知っている

親からすれば、一年前の旅行以来に会う。
ついにその日が来たかという感じだろうか。と

父は早く結婚し一人前になれ!と
中国人もアメリカ人も日本人も関係ない
という感じで、自分で決めたらいい!
で僕を尊重してくれた。

しかし母親は手放しでは喜べない気持ちを
抱え複雑な表情を浮かべていた。

相手の問題じゃない。

帰国してきた僕に母は、
少し申し訳なさそうな表情で

本当に中国人と結婚するのかい?
後悔はないね?
中国で暮らすのは大丈夫かい?

と いつもなら言わないようなセリフを言う

一生に一度の事だし人生を大きく左右する判断
慎重になるのも理解する


なんだか不安そうで
心から歓迎している様子じゃない 
そんな違和感を感じた

劉さんを迎え家で食事会をする為に、
劉さんを家に残し僕と母と父と3人
で買い物に出た。

久しぶりの親子3人での車だった
日は落ち暗くなり、買い物の帰り道での事

運転する僕の後ろの席で母は黙り
一人涙を流していた。

僕は泣いているのに気づき 

そんな母親に

中国人と結婚するのはダメ?・・・と
聞いてしまった。


母は言葉をつまらしながら

いや・・・そうじゃなく・・・
どうして、遠くの海外に行くのかなと・・・
どうして簡単に会えない場所へ・・・

僕は小さい頃から体が弱く、
母は人一倍気を使い僕の食事や健康に
気を付けてくれたのを僕は知っている。

日本ならまだしも海外となれば何かあっても
駆けつけてあげれない距離

親として、母としての想いだったと思う


30歳にもなるいい歳の僕は 
母親からしたら、まだまだ子供なんだろう。


両親も息子が外人と結婚するとは
夢にまで思ってない。
まさか自分の子が国際結婚し
外国で暮らす事になるとは・・・

しかも中国は日本にとって
政治的に色々ある国の人だ

出来れば日本人と結婚し地元で
暮らしてほしかったはずだ


僕は深く考える前に 

つい 中国人と結婚するのダメ?

と聞いてしまってたのを後悔した

母は別に中国人だからという事を
言いたかったのでなかったが
僕は政治的関係を頭に過り
そう聞いてしまった

国際結婚をし相手の国で生活をする
それは、日本に戻って来ないかもしれない
外国で命を落とすかもしれないという事を
意味している。

僕の決断を祝福したい気持ちと
国際結婚を許したくない気持ちが
涙となり静かに泣いていた。

父は無言で母親の肩を抱いていた。


僕は思った。
国際結婚を選択した事で、
親の人生を変えてしまったなと。

こういう結婚って親孝行なのか
それとも・・・・


外国で暮らし、
いずれ自分の子供が大きくなった時

僕は今の母や父と同じ気持ちを
味わう事になるんだろうと理解した。

何十年後かに自分の子供が
違う国で暮らす、違う国の人と結婚する
その可能性は高い

今日の母と父と同じように静かに
受け入れなければいけない日が来る

母が涙した気持ち

その時、

僕は子供の結婚を心から祝福しているかな・・・と考えてしまった。

日は沈み暗くなり、

久しぶりに車で走る通り慣れた地元の裏道

親子3人は 
それぞれの想いを胸に
愛する劉さんの待つ家路につく

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