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詩 : 親不孝

「親不孝」

夜に爪を切っては
親の死に目に会わないからダメだと
よく言われた
迷信ではないかと信じてなかった

青年になり
そして死に目に会えず
父の死と向かい合った
戦場帰りの父だった
戦争自体が忘れ去られ様としていた頃に
物心がついたような気がする

よく 父と二人だけの時間があった
何気ない会話の中に
当時の父が経験した
戦場の話を突然してくる
本当に辛かった事も判らず
空腹で道端の草などで
耐え忍んだとか
夏が近づくとそんな話を
積極的に自主的には
耳を傾けていなかったことを回顧する
当時は
身近な問題に置き換えられないまま
自分事に感じず
必要なことと思わず
多分 また同じ話かと
煩わしく聞いていた気がする

今 世界での戦場の現場は
父が体験した時と同じほど
辛い事が起こっている
今になって
なんていうバカ息子だったんだと
取り返しのつかない親不孝を
父の写真と向かい合い
当時を思い出している

今度は父の思いを背中にオンブして
思い出し これからの未来のある人へ
一つでも学び 繋いでいかねばと
いつも後追いで付いて来る
後悔しながら

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