ワイン商えいじ | DipWSET

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ワインで毎日をもっと色鮮やかに✨ | ボルドーネゴシアン勤務&DBR Lafite 公式アンバサダー | WSET Diploma | twitter @eijitakemura / Instagram @keke_wine @eiji_bordeaux

マガジン

  • ワインの選び方、楽しみ方

  • ボルドーよもやま話

  • WSET diploma取得への道

    会社を辞めてまでロンドンに行き、WSETの最上位diploma (Level 4)を目指すおっさんの話。できるだけ皆様のお役に立てるような内容を心がけます。日記にならないよう気をつけます。。

  • サステナブルなワイン消費を考える

  • ワインと脱炭素

    • 4本

    このマガジンは、ワイン産業の脱炭素について発信しています🍷 といっても、筆者たちもまだ勉強中の身。 自分たちが学んだことを共有することで、ワイン愛好家や、ワインビジネスに携わる人、専門家など多くの方に関心を持ってもらい、ともに新しいワインのあり方を考えていきたいと思っています!

最近の記事

  • 固定された記事

ワインは飲み物か、それとも読み物か

どうしてもnoteが書きたくなって夜中の一時にベッドを抜け出しちゃいました。こんばんは! 前回投稿したオレンジワインの記事がなんと3000ビューを超えていました!読んでくださった方ありがとうございます! けっこうマニアックな内容だしみんなに読んでもらえるかな・・と思っていたので、想像以上の反響に正直驚きました。ワインのことを知りたい!勉強したい!って思う人がそれだけたくさんいるんだなーと、ワインを生業にする者としてとても励みになります。 さて、今日はそんなワインの学びに

    • ブドウ品種ってそんなに大事?

      お久しぶりです!ワイン商えいじです。 だいぶ前のことになりますが、庶民のワイン研究所さんにお邪魔してワイントークに参加させていただきました。 リンクはこちら 全然どうでもいい話ですが、この収録の時ちょうど花粉症で鼻が詰まっていてですね、改めて聞くと水深50メートルからの中継かなと思うほどにくぐもった声になってました。ワインもトークも鼻の抜けが大事ですね。 さてそのトークの中で「ぼくはこれからワインを楽しみたいと思ってる人に、ブドウ品種から教えることはしない」と言いまし

      • ボルドーワイン🍷ヴィンテージ解説(2021~2012)

        今回は、フランスのボルドー地方のヴィンテージについてです。 2021年から2012年までを一挙解説します(最新2022年は、5月にアップ予定)。 リクエストがあれば2011年以前もやりたいと思います。 ヴィンテージとは、収穫年を指します。 つまり、「2015ヴィンテージのワイン」は、2015年の秋に収穫されたブドウで仕込まれたワインという意味です。 ワインはブドウの出来をダイレクトに伝えるため、ブドウの出来を知ることは、ワイン選ぶにも役に立ちます。特にボルドーは年による差

        • 閉鎖的なワイン業界にドロップキック(したい)

          日本のワイン業界はもっと開かれたものにならなくてはいけない。 この10年で、ずいぶんワインを取り巻く環境は変わった。フランス一強の時代は終わり、世界中のワインが楽しめるようになった。いたるところにワインを取り扱う飲食店があるし、若いソムリエたちは広い視野でワインを俯瞰するようになった。 だが残念ながらそれはまだ一部のことで、全体には浸透していないのが現実だ。 SNSを通じて散見されるのは、20年前と変わらない権威主義的な側面だ。インフルエンサーと呼ばれる人たちは、「ワインは

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        記事

          ナチュラルワインとは何か? ~オーガニック、バイオダイナミックとの違い

          はじめに この10年で、すっかりワイン業界の話題は変わりました。 その中でも特に重要なものの一つに、「ナチュラルワイン」が市民権を得たことが挙げられるでしょう。 かつては業界の一部でしか聞くことのなかった「ナチュラルワイン」あるいは「自然派ワイン」といったワードが、ワイン好きな人たちだけでなく、一般の人にも浸透したことはとても大きな変化だと思います。 ぼくはこの変化をとても好意的に捉えています。 どんなきっかけであれ、ワインの世界に興味を持ってくれる人が一人でも増えること

          ナチュラルワインとは何か? ~オーガニック、バイオダイナミックとの違い

          フランス人は休み方が上手

          お久しぶりです。今、私はフランスのボルドーに来ています。 来週から始まる仕事の準備のために朝からキーボードを叩き続けていたのですが、ホテルの窓からまぶしい陽の光が差し込んできたので、少し散歩することにしました。 4月最初の週はヨーロッパを大きな寒波が襲い、せっかくの春気分が遠のいてしまった感がありましたが、今週末はとにかくご機嫌なお天気。町中の人たちがこぞって屋外に繰り出しています。初夏を想わせる暑さで、半そでの人がほとんど。 私は時々仕事でフランスに来る程度で、長く住ん

          フランス人は休み方が上手

          ボルドー・メドック格付の真実(後編)

          今回もメドック格付けの「前の」歴史を紐解いていきましょう。 初めての方は、先に前編をご覧ください^^ 1647年 最初の格付けボルドーの格付けの歴史は、1855年からさらに200年、1647年まで遡ります。 格付けの歴史を振り返る前に、少し背景知識を学んでおきましょう。 まず、この当時の商取引はどういうものだったでしょうか? ワインは今のように瓶詰めされて出荷されていたわけではなく、樽詰めされて船に乗せられ、輸出されていました。造り手の名前などはなく、同じ地域のワイン

          ボルドー・メドック格付の真実(後編)

          ボルドー・メドック格付の真実(前編)

          今日は、メドック格付けの歴史についてお話します。 読者の多くが抱いているであろう、ある誤解を解くために。 動画バージョンはこちらから。 1855メドック格付とは何かワイン学習者が最初に覚える「暗記物」といえば、これ。 1855年に作成されたメドック格付け(1855 Classification)でしょう。 メドック格付け、あるいは1855格付けとは何か。 ソムリエ協会教本によれば、「1855年に開催されたパリ万国博覧会の展示品のひとつとして、時の皇帝ナポレオン3世の要請

          ボルドー・メドック格付の真実(前編)

          ロンドンで成功している「サステナブル」なワインの売り方

          こんにちは、ワイン商えいじです。ご無沙汰でございます。 今回は少し真面目な話からはじめましょう。 ワインの市場は、20世紀後半に世界を席巻した大量生産・大量消費社会の中で、その裾野を大きく広げました。 化学肥料や農薬を使い、効率的かつ安定的に莫大な量のブドウを「生産」できる仕組みをつくりました。それを大手ワイン会社が大量に調達し、高度に機械化された最新鋭の醸造設備で、莫大なエネルギーと資源を投入して、実にスピーディーにワインはつくられます。 大量につくり、大量に消費する

          ロンドンで成功している「サステナブル」なワインの売り方

          ワインは寝かせるほど旨い、のか。

          ワインは不思議な飲み物だ。 なにが不思議って、いつ開けるかによって味が全然違うんだよね。 ふつう、食べ物や飲み物は買った時が一番美味しくて、時間が経って賞味期限に近づくほど、美味しくなくなるもの。 でもワインの場合、時間が経つほどに美味しくなる、ことがある。 腐敗することなく、時間経過によって変化する様を「熟成」といいます。 熟成というと、例えば熟成肉やチーズを思い浮かべますが、肉もチーズも、特別な環境下で、熟成師と呼ばれるような専門家の管理のもとで熟成されることがほ

          ワインは寝かせるほど旨い、のか。

          サステナブルなワイン消費を考える

          今後しばらく、このテーマでnoteを書くことが増えそうだ。 「サステナブルなワイン消費」ってなに?と思われるかもしれない。 正直ぼく自身もそれがどういうものかはよく分かっていない。 でも平たく言えば 「環境にやさしいワインの楽しみ方を考えたい」ということ。 ワインの流通、販売そして消費に至るまでの流れを、もっと環境への負担の少ないものにできないだろうかと思う。 「ワインと環境」というと、もしかしたら化学薬品とか殺虫剤とかに目が向くかもしれない。それはつまりローカルな環

          サステナブルなワイン消費を考える

          ワインにマナーは必要か

          今日は少し持論を展開したい。 ワインはよく「堅苦しい飲み物」と言われる。 やれグラスの持ち方はこうしなさいとか、やれワインの色を見なさいとか、とにかくワインには作法のようなものがまとわりつくものだ。 堅苦しいイメージと、なにやら小難しい作法がありそうだという前評判のおかげで、たかがお酒であるはずのワインの参入障壁はとてつもなく高くなっているのが現状だ。 「ワインのマナー〇選」「ワインの飲み方NG集」といった記事や本を見たことがある方も多いだろう。見たことがないという幸

          ワインにマナーは必要か

          「英語でワインを学ぶ」について よくあるQ&A

          WSETのレベル4、いわゆる「Diploma」の2021年6月期が始まって1か月が経ちましたね。 ありがたいことに検索などでこちらのnoteを見つけてくださる方がたくさんいらっしゃるようで、コメント欄やTwitterのダイレクトメッセージなどからご質問を頂くことも増えてきました。 Diplomaの険しい道に挑む方たちに少しでもお役に立てれば嬉しいです。 ご質問をいただく中で気づいたのが「英語の壁」を感じている方が多いことです。 かく言うぼくも、WSETに挑戦することを決

          「英語でワインを学ぶ」について よくあるQ&A

          声でつながる価値

          最近スマホアプリのクラブハウスにハマっている。 情報があふれる世の中にあって、すでに視覚は手一杯なんだろう。「ながら」で聴けるクラブハウスは、ぼくらに新しい価値を与えてくれている。 ぼくの場合、聞くよりも話すほうが多い。 話すテーマはたいてい「ワインの学び」。 ぼくの持論は「ワインには飲む楽しみと、学ぶ楽しみの二つある」だ。ワインを学ぶことは、必ずしも必要ない。必要ないが、学びで得られる喜びは、飲む喜びとはまったく違っていて、実に奥が深い。 この学ぶ楽しみを、見ず知

          声でつながる価値

          「理想像」を常に抱き、一歩ずつ前へ

          終わりは唐突にやってきました。 月曜の昼下がり。ポストに小さな封筒が入ってました。 「きたか…」 そうです。10月のD3試験の結果です。 実は先々週の時点で、D3に先駆けてD5の結果が届いていました。 唯一、2019/2020シーズンにFailだったD5「酒精強化ワイン」は、2度目の挑戦で無事に通過していました(Pass with Merit)! つまり、このD3が最後。 ロンドンで受講したのが2019年5月。 1年半、短いようで長かったWSET diploma

          「理想像」を常に抱き、一歩ずつ前へ

          【WSET Diploma】必須!Examiner's Report活用法

          今回はCandidate(受験資格を持つ人のこと)のためのハウツーです。 Diploma試験には解答例がありません。 Diploma試験では「いかに受験者がそのテーマを深く理解しているか」を問われており、1対1対応のシンプルな問題を解けばいいというものではありません。ゆえに全て自由記述で、絶対の正解がないのです。 これをポジティブに捉えれば、受験者はあらゆる角度から問題を解くことが可能と言えます。反対に、あらゆる角度から飛んでくる受験者の回答を全て採点できる講師陣は本当にす

          【WSET Diploma】必須!Examiner's Report活用法