ワイン商えいじ | DipWSET
会社を辞めてまでロンドンに行き、WSETの最上位diploma (Level 4)を目指すおっさんの話。できるだけ皆様のお役に立てるような内容を心がけます。日記にならないよう気をつけます。。
このマガジンは、ワイン産業の脱炭素について発信しています🍷 といっても、筆者たちもまだ勉強中の身。 自分たちが学んだことを共有することで、ワイン愛好家や、ワインビジネスに携わる人、専門家など多くの方に関心を持ってもらい、ともに新しいワインのあり方を考えていきたいと思っています!
どうしてもnoteが書きたくなって夜中の一時にベッドを抜け出しちゃいました。こんばんは! 前回投稿したオレンジワインの記事がなんと3000ビューを超えていました!読んでくださった方ありがとうございます! けっこうマニアックな内容だしみんなに読んでもらえるかな・・と思っていたので、想像以上の反響に正直驚きました。ワインのことを知りたい!勉強したい!って思う人がそれだけたくさんいるんだなーと、ワインを生業にする者としてとても励みになります。 さて、今日はそんなワインの学びに
お久しぶりです。今、私はフランスのボルドーに来ています。 来週から始まる仕事の準備のために朝からキーボードを叩き続けていたのですが、ホテルの窓からまぶしい陽の光が差し込んできたので、少し散歩することにしました。 4月最初の週はヨーロッパを大きな寒波が襲い、せっかくの春気分が遠のいてしまった感がありましたが、今週末はとにかくご機嫌なお天気。町中の人たちがこぞって屋外に繰り出しています。初夏を想わせる暑さで、半そでの人がほとんど。 私は時々仕事でフランスに来る程度で、長く住ん
今回もメドック格付けの「前の」歴史を紐解いていきましょう。 初めての方は、先に前編をご覧ください^^ 1647年 最初の格付けボルドーの格付けの歴史は、1855年からさらに200年、1647年まで遡ります。 格付けの歴史を振り返る前に、少し背景知識を学んでおきましょう。 まず、この当時の商取引はどういうものだったでしょうか? ワインは今のように瓶詰めされて出荷されていたわけではなく、樽詰めされて船に乗せられ、輸出されていました。造り手の名前などはなく、同じ地域のワイン
もう少し更新頻度を上げねば…! 昨年までは「時間を見つけて良い記事を書こう!」と意気込んでいましたが、そんなにまとまった時間ができるはずもなく。今年はスキマ時間に、思ったこと、書きたいことをどんどん残していこうと思います。 今日は、最近YouTubeのほうで上げたメドック格付けの歴史について。 動画はこちらから↓ 参考文献: - Dewey Markham Jr., "1855: A History of the Bordeaux Classification", 1
こんにちは、ワイン商えいじです。ご無沙汰でございます。 今回は少し真面目な話からはじめましょう。 ワインの市場は、20世紀後半に世界を席巻した大量生産・大量消費社会の中で、その裾野を大きく広げました。 化学肥料や農薬を使い、効率的かつ安定的に莫大な量のブドウを「生産」できる仕組みをつくりました。それを大手ワイン会社が大量に調達し、高度に機械化された最新鋭の醸造設備で、莫大なエネルギーと資源を投入して、実にスピーディーにワインはつくられます。 大量につくり、大量に消費する
ワインは不思議な飲み物だ。 なにが不思議って、いつ開けるかによって味が全然違うんだよね。 ふつう、食べ物や飲み物は買った時が一番美味しくて、時間が経って賞味期限に近づくほど、美味しくなくなるもの。 でもワインの場合、時間が経つほどに美味しくなる、ことがある。 腐敗することなく、時間経過によって変化する様を「熟成」といいます。 熟成というと、例えば熟成肉やチーズを思い浮かべますが、肉もチーズも、特別な環境下で、熟成師と呼ばれるような専門家の管理のもとで熟成されることがほ
今後しばらく、このテーマでnoteを書くことが増えそうだ。 「サステナブルなワイン消費」ってなに?と思われるかもしれない。 正直ぼく自身もそれがどういうものかはよく分かっていない。 でも平たく言えば 「環境にやさしいワインの楽しみ方を考えたい」ということ。 ワインの流通、販売そして消費に至るまでの流れを、もっと環境への負担の少ないものにできないだろうかと思う。 「ワインと環境」というと、もしかしたら化学薬品とか殺虫剤とかに目が向くかもしれない。それはつまりローカルな環
今日は少し持論を展開したい。 ワインはよく「堅苦しい飲み物」と言われる。 やれグラスの持ち方はこうしなさいとか、やれワインの色を見なさいとか、とにかくワインには作法のようなものがまとわりつくものだ。 堅苦しいイメージと、なにやら小難しい作法がありそうだという前評判のおかげで、たかがお酒であるはずのワインの参入障壁はとてつもなく高くなっているのが現状だ。 「ワインのマナー〇選」「ワインの飲み方NG集」といった記事や本を見たことがある方も多いだろう。見たことがないという幸
WSETのレベル4、いわゆる「Diploma」の2021年6月期が始まって1か月が経ちましたね。 ありがたいことに検索などでこちらのnoteを見つけてくださる方がたくさんいらっしゃるようで、コメント欄やTwitterのダイレクトメッセージなどからご質問を頂くことも増えてきました。 Diplomaの険しい道に挑む方たちに少しでもお役に立てれば嬉しいです。 ご質問をいただく中で気づいたのが「英語の壁」を感じている方が多いことです。 かく言うぼくも、WSETに挑戦することを決
最近スマホアプリのクラブハウスにハマっている。 情報があふれる世の中にあって、すでに視覚は手一杯なんだろう。「ながら」で聴けるクラブハウスは、ぼくらに新しい価値を与えてくれている。 ぼくの場合、聞くよりも話すほうが多い。 話すテーマはたいてい「ワインの学び」。 ぼくの持論は「ワインには飲む楽しみと、学ぶ楽しみの二つある」だ。ワインを学ぶことは、必ずしも必要ない。必要ないが、学びで得られる喜びは、飲む喜びとはまったく違っていて、実に奥が深い。 この学ぶ楽しみを、見ず知
終わりは唐突にやってきました。 月曜の昼下がり。ポストに小さな封筒が入ってました。 「きたか…」 そうです。10月のD3試験の結果です。 実は先々週の時点で、D3に先駆けてD5の結果が届いていました。 唯一、2019/2020シーズンにFailだったD5「酒精強化ワイン」は、2度目の挑戦で無事に通過していました(Pass with Merit)! つまり、このD3が最後。 ロンドンで受講したのが2019年5月。 1年半、短いようで長かったWSET diploma
今回はCandidate(受験資格を持つ人のこと)のためのハウツーです。 Diploma試験には解答例がありません。 Diploma試験では「いかに受験者がそのテーマを深く理解しているか」を問われており、1対1対応のシンプルな問題を解けばいいというものではありません。ゆえに全て自由記述で、絶対の正解がないのです。 これをポジティブに捉えれば、受験者はあらゆる角度から問題を解くことが可能と言えます。反対に、あらゆる角度から飛んでくる受験者の回答を全て採点できる講師陣は本当にす
今日は料理に合わせてワインを選ぶコツをお話します。 相性バッチリな料理とワインの組み合わせのことを、「○○と△△のマリアージュ」といいますね。少し気取った表現のように思われますが、一見似つかわしくない2人が、思いがけず気があう点で、結婚とワインは似ているとぼくは思います。ということで今回はマリアージュという言葉を使ってお話します。 色で合わせるマリアージュのデメリットよく「料理の色とワインの色を合わせましょう」と言われます。 後述するようにこの考え方が的確かというと微妙
以前の記事で、ワインには2つの楽しみがあると書きました。 それは飲む楽しみと、学ぶ楽しみ。 この二つをわけて考えたほうが、ワインとの関係はより楽しくなる。 そんなお話しをしました。 そして最近、なるほどもう1つあるな、と思ったことがあります。 それが、「ワインを選ぶ楽しみ」です。 楽しく難しいワイン選びの世界ワインが並んでる棚って、見てるだけで楽しくなりませんか? ボトルに貼られているラベルは、クラシックなかっこいいものから、モダンアートのようなおしゃれなものまでたく
新年早々つっこんだネタからお送りします、あけましておめでとうございます! ぼくがボルドーワインのバイヤーをしていた頃からよく耳にした台詞。 「ボルドーワインはテロワールじゃないんだ、金に物言わせてワインつくってるんだよ」 今日はこの台詞の真偽を問う形で、ボルドーというワイン産地を深掘りしていきます。 (今回は専門的な内容を多く含みます。用語の説明も割愛します。ご了承ください) ボルドーは、よくブルゴーニュと比較されます。 「ブルゴーニュは畑に根ざしていて、ボルドーはそう
【この記事は、2020年11月に執筆したものを修正し再投稿したものです】 みなさん、こんにちは! WSET最難関のdiploma。 その中でも最も多くの挑戦者を蹴落としてきたユニット……そうD3 【Theory】! D3の試験はいったいどういう内容で、どういうレベルなのか。 これからWSETに挑戦したい、diplomaを目指したい、という方にとって、何より興味があるテーマかもしれません。今回は冗長になりすぎず簡潔にお伝えするように努めます!!(いつも長くてすみません)