子どもに視点を置いた授業 (体育 跳び箱の授業の導入)
2022.1.28【96限目】
教師としてこだわったこと
子どもたちが分かる喜び、出来るようになった楽しさ、また次やってみようという気持ちが持てるように、準備をしてきました。こどもは、学びたい、分かりたいという気持ちをいっぱい持っています。それが満足できれば、学ぶことが楽しく、嬉しい気持ちになります。そのためには、一人一人をよく理解し、楽しく学ぶための環境を作ります。
楽しいという事は、気楽に楽しく過ごすという事ではなく、学習の課程において、理解しわかる、技能を習得する、そして、成功体験や課題を解決する経験を通して、楽しさや喜びを味わうことで、次のやる気を持ちます。その手立てを、授業の中に組み込んでおきます。
授業によっては、1時間の流れをはじめに伝え、何をするのかを理解して取り組むことで、子どもが意欲的に取り組めた授業もあります。
授業の中で、子どもたちの分かる・分からない。出来る・出来ないが、見えにくい場合があるので、子どもの表情を見ながら授業を進めていきます。
喜んでいる子、熟考している子、分からなくて迷っている子、諦めている子など、比較的小学生、特に低学年は、感情を表面に出してくれるので、子どもたちの表情を見ながら授業を進めていきます。
運動を好きになるために
どの学年でも運動が嫌いな子がいます。体育の時間を通して体を動かすことが楽しいと思ってくれたらと、準備をします。
体育の時間で大切にしている事は、運動量と達成感と安全に授業を終えるという事に重点を置いています。
運動が嫌いな子どもに共通していることは、幼児期に運動する経験が少ないことが考えられます。反対にいろいろな運動をしてきた子は、比較的運動が好きというこが多いと思います。
就学前に家族と一緒に遊ぶ中で、色々な体の動きをすることは、幼児教育の大切な事だと思います。
体育の授業/低学年の楽しい跳び箱の導入
跳び箱は個人差が大きく、跳び箱という器具を使うので、跳び越えるというのが怖い子もいます。
《活動内容》
準備運動が終り、活動内容を説明し、器具の準備をします。跳び箱の運び方、マット、踏切板の運び方と、置く場所を説明し、グループごとに、何を運ぶのかを係を決めて、安全に準備をします。
①今日は、忍者になって、跳び箱を超えていく修行です。
②踏切板から跳び箱に両手をついて、どんな方法でもよいので、跳び箱の上に登って、跳び箱の上からマットに向かってジャンプして降りて、前に進み舞台に両手タッチをして時計回りで走って戻り列の後ろに座ります。次の人は前の人がスタートラインに戻ってきたらスタートします。
③一通り練習が出来て慣れて来たら、おもしろい登り方や降り方をしている子、工夫がみられる子に発表してもらい、モチベーションアップをしていきます。
④もう一度、今までと違う技で修業をするように指示する。
⑤次は少し難しい技の修行です。スタートラインから走っていって、跳び箱の上に両手をついて乗り、マットに跳び降ります。後は②と同じ動きをします。
⑥練習をくり返していくうちに動きが大きくなって、空中で両手・両足を広げたり、回転して着地したり、ポーズをしたりキックのような形でヒーローになり切っている子、友達の技を見て真似をする子、一人一人が工夫して楽しく取り組むことができました。
跳び箱運動の基礎感覚であるバランス感覚や腕支持感覚、高さ感覚などの運動を経験し、跳び箱への恐怖心が少なくなり、跳べた時の達成感や楽しさを味わえる授業になりました。
できなかったことが出来て、褒めてもらうと、また次やりたい、楽しかったという気持ちで授業を終えることが出来ます。
⑦最後は、頑張ったこと出来たことなどを子どもたちと話し合い、準備した器具を同じ人が元に戻します。授業の中でパターンを決めて、慣れてくると、準備も片付けも早くなり、運動する時間も量も多くなります。
体育の時の決まりを決めておきます。(今回の授業では、前の人がスタートラインに戻ってから、次の人がスタートする。)と、決めておくと、ぶつかったり、ふざけたりしてけがをすることを防げるので、安全面からも、運動するときのルールを決めておくとよいです。
授業中私は、出来るだけ全体が見える所に動きながら見て回り、声をかけたり、褒めたり、励ましたり、困っている子の補助をします。
この1時間を通して、これから始まる跳び箱運動を楽しみにできる子どもが一人でも、多くなってくれたらと、この導入の時間を計画しました。子どもからは楽しかったという声もあり、また頑張ろうと、私も子どもからやる気をもらったことを懐かしく思い出しました。
私がこだわったこと
どの授業も、子どもの側に視点を置いて工夫をすると、楽しい授業になると思っています。
【編集担当より】
授業の準備というのは、特に低学年だといろいろなことを想定しないということが当たり前のことでしょうが、自分が授業を行うと思うとかなり大変だなと思いました。新任の先生などは、1から作り上げていくのでしょうから、負荷も大きいことかと思います。
特に、小学生の子供を相手にすると、飽きさせない・興味を持たせるといったことが、授業でのポイントになるでしょうか。先日読んだ大学の記事に、『「教育」(きょういく)は「教」(おし)えるだけじゃなくて、「育」(そだ)てることも必要だ』とありましたが、教育の『教える』と『育てる』を両立されるのは、職人技のようなものかもしれませんね。
以前にも授業の記事の感想で書きましたが、自分に置き換えてみると、会議の準備をしっかり準備することで、部下や参加者が参加したくなるような会議もできるかもしれないなと思います。話す立場になると、あれだけ眠たかった会議の時間を忘れてしまうのでしょうか。常にいろいろな視点を持ちたいものです。
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