夢に見たヨーロッパ旅行での思い出(死ぬかと思った思い出)

旅に失敗はつきものと言いますが、あの失敗は本当にやばかった。

遡ること約15年。当時私は二十歳になりたてのキュルキュルの女子大生だった。イギリス留学を終え、せっかくだから冬休みを使ってそのままヨーロッパ一周しちゃおうぜと女子三人ヨーロッパバックパックの旅へと出発したのだ。ここで各国でのおおまかな事件を挙げておこう。

旅の始まりロンドンではおよそ10畳に12人寝泊りするという極めて密なホステルに泊まった。しかも部屋の一角にシャワーが付いているけど電気と換気扇がない。ついでに言うと上下隙間の空いた壁で囲まれているだけで脱衣所も無い。そしてなぜか地下鉄では地獄へ落ちろと叫ぶおばあさんに追いかけられたりした。あれは一体なんだったのか。。。

ベルギーでは相部屋のホテルに泊まった。フレンドリーだったイスラム系のおばさんが相部屋だったのだが、夜中にファッキンジャパニーズと罵りながらベッドを蹴っていた。それに続き謎の呪いの言葉をブツブツ。私たちは朝の5時にその宿を後にした。悔しかったから窓を全開にして出ていった。途中英語を話していることに気づいたとき心臓がヒュンってなりましたわ。

ドイツでは友達が世界遺産に興奮してバーッと走り出しちゃってそれを追いかけた私が車にはねられそうになりました。旅では協調性も大事やで。

スイスでは雪の中3時間近くホステル探しに歩きました。信じられないかもしれないけど、当時は携帯電話でインターネットなんてできなかったんやで。

イタリアの電車ではトイレに驚愕。用をたした後ティッシュを捨てると瞬時に火花を放って消えていった。つまるところトイレに穴が開いていた。あの時イタリアの線路は絶対歩かない方がいいと静かに思った。

オーストリアは人も親切でとてもナイスだった。

そして激しいのはスペイン。レストランで頼んだものがなかなか来なかったのでまだできませんかと聞いたらそんなもの頼まれてねぇ!と包丁を持って店の親父が出てきた。必死に事情を話した後お釣りも受け取らずダッシュで夜の繁華街を通り抜けた。おじさんどんだけ短気なんや!

同じくスペインにてもう一つ。有名な建築物を見ていたら友人が謎のフレンドリーおじさんに迫られた。なんとか振り切って逃げるとそれを見ていた若者たちが助け舟を、、、と思いきや僕たちとも一緒に遊ぼうと話しかけてきた。血の気が引いた。おまえら便乗すんなや。

平和な国日本で育った私たちには刺激の多い旅だった。もちろん楽しいことも多かったけど、どうしても思い出すのはこんなことばかり。

そんなトラブルの中でも一番やばかったやつ、話します。

それはパリの美術館でのこと。モディリアーニという首の長い女性を描く人の美術館だった。ヨーロッパの美術館は古い絵でもギリギリのところまで近づけるんですよ。それで私も例のごとく近くで見ていました。そしたらね、額にものっすごいホコリが付いていたんですわ。それで私、何を思ったのかそのホコリを手でさっと払ったわけ。そしたら吊ってあった絵が少しずつ揺れだしてそれと共にアラームも鳴り出したわけですよ。あっこれ完璧に日本に帰れなくなるやつやん。しかし時すでに遅し!数人の警備員が走ってきました。
私はありったけの頭を使い、あえてゆっくり歩きつつ無関心を装ってその場を後にしました。(内心冷や汗ダラッダラでした)
人の出来心って怖いですね。

でも今思い出すと、どれも良い思い出となりました。
割と死ぬほどのことでもなくない?

もう一度体験したいかって?答えはノーです。



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