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【大学生の日常】【#31】怠惰な男子大学生が深夜、マルちゃんの誘惑に打ち勝つにはどうしたら良いのだろうか。


なんで美味しいものって糖分があるのだろうか。

最近、(怠けなければならないという)訳あって運動ができていない分、糖質は控えた方が絶対に良いのだが、食欲が溢れてくる。止め度がない。

特に、深夜

大学の課題やTOEICの勉強をしていると、お腹が鳴る。一度は無視できるが二度目のキュルルは無視できない。お腹が泣いているようで聞いていて可哀想になる。

「そんなにお腹に恨みがあるわけでもないのに、お腹にスパルタになっていても仕方がないではないか」という気もしてきて、気が付けば、カップ焼きそばが入れられている段ボールの前に立っている。

段ボールを覗くと美味しそうな顔で、そして食べて貰いたそうな顔で、こちらをみているマルちゃんのマーク。


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見つめ合っていると、ソースの味が口内に広がっていく。

はぁ〜。食べたい。


手に取り、パッケージを眺める。気になるのはカロリー表示

・・・

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うっ。

ななひゃくはちじゅうよんきろきゃろりー!?

思った以上の高さに面食らって、カタコトの日本語になってしまった。

エネルギーなんてカッコいい言い方してるけどさ。君の正体って、脂肪の源なんでしょ?

そんな問いかけはマルちゃんには通用しない。ずっとニコニコしてやがる。まるで、「つべこべ言っていないで食べちゃいなよ」と言っているみたいだ。

いや。僕だって今すぐ食べちゃいたいさ。

でも、知ってるだろうか。

人間には、一日にとってもいいエネルギー量の目安があることを。
僕は、既に、ここ24時間以内に、3食しっかり食べているということを。

僕の頭の中で悪魔と天使が激しく争っている。

「そのくらい大丈夫よ〜。食べちゃったら?明日運動すればいいんじゃない??」

「運動するする言って、今日だってサボってただろーが。あほちんが。食べずに、とっとと寝やがれ」

もう、どちらが悪魔でどちらが天使だか分からなくなる。元来抱いているイメージで判断すると悪魔と天使が逆転してしまいそうなので、口調ではなく内容で判断しようと意識を集中させなければ。

過保護で甘口な悪魔 VS スパルタで辛口な天使


世にも奇妙な対決が今、幕を開けた。


🐶


(体感的に)数時間にわたる激しい言い合いが繰り広げられた。とうとう、どちらが悪魔でどちらが天使か本格的に分からなくなってきた頃に…

「さっきから聞いてたら、なんなんだ君たちは。不毛な言い合いをするんじゃないよ。」

横から、正確には、お菓子コーナーから、おばあちゃんの声が聞こえてくる。

ぽたぽた焼のおばあちゃんだ。やさしい顔なのに、やることはしっかりやるし、言うことはしっかりと言う、肝の座ったおばあちゃんだ。


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そんなおばあちゃんは、昔大好きでよく食べていたお煎餅を製造している。

僕と、それから天使と悪魔は、おばあちゃんにハッと気づかされる。

そうか、別にガッツリ食べるものでなくてもいいのか。僕はすっかり、一食分の食事ばかりに目を向けてしまっていた。

気になるカロリー表示を見てみると……


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ごじゅうにきろきゃろりー!?!?

別の意味で予想以上の値であるため、またカタコトの日本語を喋ってしまう。

残り4枚のお煎餅を全て食べきったとしても、104kcal。先ほどのマルちゃんの7分の1程度に収まっている。これは夜食大革命だ。

僕は早速、お煎餅を口に運ぶ。

ん〜〜美味しい…!!

醤油がいい感じに効いてるな。


結局、4枚食べ終え、ある程度の満足感に包まれた。残念ながら、というか、もちろんながら、というか、満腹感を得ることはなかった。が、夜中の胃にはちょうどいい量である。罪悪感は一切ないし、何より食後満腹感に浸ることなく、すぐに課題に取り掛かることができた。

きっとマルちゃんの笑顔や頭の中の悪魔に唆されていたら、天使にめげていたら、このちょうどいい幸せを感じられなかっただろう。

ありがとう、おばあちゃん!!これからも夜中のサポート、頼みますよ。

・・・・

ん??

何か視線を感じるが……気にしない、気にしない。


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君には、一人暮らしでお世話になるよ。








いただいたサポートは、ちょっと良い昼ごはんに当てさせていただきます😉