ぱすたサンの小部屋

BL二次創作小説を書いてる者です。イラストも描いてます。BL漫画“抱かれたい男1位に脅…

ぱすたサンの小部屋

BL二次創作小説を書いてる者です。イラストも描いてます。BL漫画“抱かれたい男1位に脅されています。”が大好きな主の自給自足の妄想小説を書き殴ります。 オリジナルのBL小説も書いています。

マガジン

  • ラスボスが高人さんで困ってます!

    たがいちちゅんたかの異世界ファンタジー!勇者ジュンタと魔王高人の長編ラブストーリー!二次創作ですが、初めての方でもわかるものを目指します!

  • 売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。

    華束幸助は恋愛に向いてない。何度目かも分からない失恋を経験した幸助は、歩きスマホでうっかりマンホールに落ちてしまう。 気付けば19世紀のヨーロッパ。途方に暮れていた所に調香師コティと出会い。調香の手伝いをしてくれたら恋愛について教えてあげると交換条件を出されて?!。

  • 遊郭で高人さんを見つけました。

  • 短編集

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  • 高人さんが猫になる話。

    呪いで猫にされた西條さん。行方不明になってしまうも事務所は公表全部ず内密に捜査を開始。東谷自らも探し回るが見つからず…そんな時、東谷は1匹の猫と出会う。

最近の記事

ラスボスが高人さんで困ってます!36

小鳥の囀る声が聞こえる。風が木々を揺らし、その葉の朝露を振り落とすと、俺の頬をピシャリと濡らした。 「ん……。」 その冷たかに目を覚ました俺は、チュン太に擦り寄ろうとする。 しかし隣にチュン太の気配はなく、眠い目を擦りなら辺りを見回した。 「あれ……ちゅんた?」  目の前には湖があり、紅葉した木々が美しく湖面を彩る。瑞穂国とはまた違う植生に、やはり遠い国なのだと、少しだけ心細くなった。 俺は、ていた毛布を畳み立ち上がると、辺りにチュン太の気配を探す。けれど、近くに彼の気

    • ラスボスが高人さんで困ってます!35

      風を切る音だけが耳に響く。 どれくらいの時間を飛び続けているだろうか。太陽はすっかり沈み、辺りは夜の闇に包まれて星の位置を頼りに飛んでいた。 前方の水平線に夕陽が沈み始めた頃など、チュン太のエメラルド色の瞳に夕陽が映り込みキラキラと輝いていた。ほんの少しの間、彼と目が合うとその美しい瞳が愛しげに細められて、擽ったくも堪らなく愛おしく感じた。 本当に一瞬、言葉も交わしていない一瞬の事だったが、俺はきっとこの美しい恋人の姿を忘れないだろう。 西に近づくにつれ地上は天気が悪い

      • ラスボスが高人さんで困ってます!34

        翌日、俺が朝食を作っていると、高人さんがヨタヨタと居間にやってきた。 「てんめぇ……むちゃくちゃしやがって。」 「あ!高人さん!おはようございます。もう少し寝てて良かったのに!」 グツグツと芋を煮る隣で、味噌汁の味見をする。 「寝てんのも痛いんだよ!加減を覚えろ。加減を!」 ご立腹の高人さんにお茶を持っていきながら俺は困ったようよ笑った。 「すみません。高人さんが魅力的すぎて我慢できませんでした。」 食卓にお茶を置き。座布団を準備してやると、当然のように高人さんは座ってくれて

        • ラスボスが高人さんで困ってます!33

          「ちょ、ちゅんたッ……まってッアッあぁ!!」 「まだです、まだ……もっとッ」 気付けば障子の外は薄暗くなっている。もう秋も深まり日の入りも早い。暗くなった部屋で、俺は今にも高人さんを喰い尽くしてしまいそうな程に欲情し、抱き続けていた。 着物はとうに全てを剥ぎ取り、二人一糸纏わぬ姿で肌を重ねている。 四つ這いで上半身をぐったりと布団に沈ませて、ふらつく腰を俺が支えてやる。溢れ出る白濁を中に戻すように、グリグリと彼の奥に俺自身を捩じ込んだ。 「あっ……ァッぐっくるし……っ」

        ラスボスが高人さんで困ってます!36

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        • ラスボスが高人さんで困ってます!
          35本
        • 売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。
          3本
        • 遊郭で高人さんを見つけました。
          34本
        • 短編集
          4本
        • 高人さんが猫になる話。
          19本

        記事

          ラスボスが高人さんで困ってます!32

          眼下には紅葉が秋の山々を彩り賑やかす。 この地に生きる命達が、冬に向けてその身を肥やす時期だ。秋の恵みを持ってその冬を乗り切る。それは亜人も変わらずの事だ。 風を切る音が耳を掠めていく。 俺は翼を水平に保ったまま気流に乗って目的の村、つむぎ村を目指していた。 昼間といえど、空の上は空気が冷たく掠めていく風は身体を心地よく冷やした。しかし、これは龍の身体だからであって、人間だときっともっと寒いのではないだろうか。俺の周りは風が緩やかになるようになっているので、風が直接当たる事

          ラスボスが高人さんで困ってます!32

          ラスボスが高人さんで困ってます!31

          次の日、高人さんには部屋で休んでもらい、俺は港に仕事に行く。高人さんの学舎も今日はお休みにした。 例によって恨めしそうに俺を見ていたが、俺としてはあのまま家に居てもらった方がありがたい。せっかくたくさん注いだのだから。 俺は幸せにユラユラと尻尾を揺らしながら港へと歩く。 「おはようございます。」 商会の暖簾を潜ると明るい栗色の髪をした犬の獣人の青年がにこにこと俺を見た。 「あ!准太さん!おはようございます!」 「おはよう涼くん。積荷の書き出しするよ。今日の分はある?」 「

          ラスボスが高人さんで困ってます!31

          ラスボスが高人さんで困ってます!30

          とりあえず、2人で朝食を食べる事にし、勇者が目の前に居る事を不思議に思いながら、茶碗と箸を持つ。 「勇者ねぇ……勇者が魔王の朝飯作って一緒に食べてるんだよなぁ……。」 目の前には亜麻色の髪にエメラルド色の瞳の端正な顔立ちの男。 そいつはお行儀よく正座して味噌汁を啜っている。 「……勇者ねぇ。」 白米をパクリと食べてまたしみじみと呟いた。 あの国宝級の装備も、勇者の持ち物だというなら、納得もいく。 いままでの勇者は魔力の使い方なんて知らなかったはずなんだけど。そうすると

          ラスボスが高人さんで困ってます!30

          ラスボスが高人さんで困ってます!29

          翌日、朝起きるとチュン太の姿は無く、俺は慌てて飛び起きた。 「いた……っつ……アイツほんと手加減覚えろよ……」 昨晩は、抱き潰されるかと思う程激しく抱かれてしまった。 腰を抑えて摩りながから自分の着物を見ると、脱がされていた着物はきちんと着せられており、下半身の気持ち悪さも無かった。 チュン太が綺麗にしてくれたのだと直ぐに分かる。こういう丁寧さが、愛されているなと分かってしまい毎度顔が熱くなるのだ。 着物の隙間から、彼につけられた赤い跡が見える。それを見ると、欲情し射抜く

          ラスボスが高人さんで困ってます!29

          売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件4

          しばらく歩いていると、後ろの方からガラガラと音がする。 それは映画なんかで聞いたことのある馬車の音だ。俺はハッとして立ち止まり振り向いた。 遠くだった馬車は俺の隣に止まり、「どいどう!」という男の声が聞こえた。 人だ!人が居た! 俺は馬車を見てうるうると泣きそうになる。 御者は、俺の方を向くと泣きそうな俺にビックリしていた。 「え、あ、あの…大丈夫ですか?…顔色悪そうですが…。良ければ街まで乗っていきます?」 心配そうに見つめてくる若い男は、赤銅色の髪を後ろで束

          売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件4

          売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。3

          「わぁぶ!?」 突然周りが明るくなり、草の上に投げ出され、顔面で草を擦り潰す。上から落ちてきた筈なのに、横から投げられたような落ち方をした自分に頭が混乱する。 「???」 なんだ?急に明るいし…急に暑い。確か今は十月も終わり頃だった筈だ。いきなりの環境変化に身体も驚いたようにドクドク胸が緊張を知らせる。 気持ちいいくらいに転んだ身体は身体も打った場所が痛い。あちこち見てみるが、服が破れたり怪我をしたりは無さそうだ。 次第に鼓動も落ち着いていく。大きく深呼吸をして、俺は改めて

          売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。3

          売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。2

          ――1日前―― 「瀬木俺また振られた。」 「は?またかよ!今度は大丈夫とか言ってたじゃねーか!」 世間では華金なんて言われる週末。時刻は21時を回ったところだ。俺、華束幸助は、同僚で友人の瀬木司と残業上がりに夜飯がてら居酒屋に来ていた。 俺はやぼったいボサボサの黒髪をかきあげ、可愛いサンルオのキャラクターヘアピンで前髪を止めると、仕事終わりの生ビールを煽るように一気に飲み干す。 「ぷはぁぁ!!あ――――!うまいっ!」 意気揚々と枝豆に手を伸ばしていると、瀬木が急かすよ

          売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。2

          売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。

          木枯らしに銀杏いちょうの葉が舞う。 カラカラ、カサカサと乾いた音を立てて風に運ばれ、歩道の隅に見事な黄色の絨毯を敷き詰めている。 もう、こんなにも秋は深まり冬の気配がしていたのか。 昨日まではそんな事、見向きもしなかった事だ。 あたりの景色を、風を感じるのが癖になっている。 それ以外は、今は夢の中に居るで、何も考えられない。 けれど来なければならないと思った。 お前に会うために。

          売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。

          ラスボスが高人さんで困ってます!28

          昼間、ミストルに帰る話をしてからチュン太の元気が無い。いつも通りにこにこしているかと思ったら、料理中ぼーっと考え事をしていたり、食べている時も口数が少なかった。 俺は自分の部屋で1人布団に潜り込む。 俺たちは今、各々の寝室で寝る様になっていた。 チュン太が目を覚まして暫くは一緒に寝ていたのだが、彼の身体が回復してからは自室で独り寝だ。 俺が少しの物音でも起きるようになってしまい、自分が側に居てはぐっすり眠れないだろうからと、チュン太自身からの申し出だった。 今はどちらも発情

          ラスボスが高人さんで困ってます!28

          ラスボスが高人さんで困ってます!27

          運命からは逃げられないのだろうか。 風呂で泥を落としながら俺は足元の石畳を見つめる。 ざぱっと水を浴びては重苦しい気持ちに溜息をつく。 向き合わなければならないのは分かっている。 けれど彼には知られたくない。 どうすればいい……。どうすれば……。 考えても答えは見つからない。 今まで逃げてきた運命だ。きっとこの先も逃げ続けるのだろう。 風呂から上がり新しい着物に着替えると、俺はまた高人さんの元へ行く。 ひょこりと縁側に顔を出すと彼は板張りに寝転び、秋の空を眺めていた。

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          秋も深まり、庭の柿の木は見事な実を付け枝をしならせる。山の紅葉は自宅からでも分かるほどに山全体を彩っていた。 チュン太が目を覚まして、二週間が過ぎた。 最初こそ日常生活だけで疲れ果てていた彼だったが、体力は急速に回復し気付けば魔力も並々と満たされいた。 最初の一週間は一緒に料理をしたり洗濯を干したり風呂にも一緒に入ったり。何でも二人でやった一週間だった。正直楽しかったのだが本人がもう大丈夫と言うので今ではダラダラとチュン太のやる事を見ているだけの日々だ。 家事が終わると、

          ラスボスが高人さんで困ってます!26

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          眠くて眠くて仕方がない。 「……んン。」 朝日が眩しくて身じろぎすると、隣で高人さんが目を覚ます気配を感じる。 「チュン太、大丈夫か?」 俺に寄り添うように寝て、じっと見上げてくる。 その姿が可愛くて、俺はふっと笑った。 秋も深まり始めた朝のこの時間は、人肌が恋しくなるくらいには肌寒さを感じる。 彼を抱き寄せ擦り寄ると、俺はまた目を閉じた。 「高人さん……おはようございます。」 長い眠りから目が覚めて3日目の朝だ。相変わらず気怠いが、昨日よりはマシといったところだ。 「お前

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